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2023年8月23日水曜日

MOMOTARO その21

裏表紙 個人蔵

(読み)

なし

(大意)

なし

(補足)

 中央の一番大きい鶴の折り紙、ササッと手早く描いた感じです。このような図案は苦手なのかとおもいきや、周りの小さい飛翔している鶴折り紙たちは、かたちは折り紙でも実際に飛んでいるかのようであります。やはりうまいなぁ。

 まさかこの裏表紙のためだけに型紙をつくったわけではないでしょうから、一羽一羽の動きはみな手書きでしょう。彫師も大変。

 さて、このBlogの目的の第一は、変体仮名を読めるようになることでした。

次回から再び山東京伝の黄表紙を連載します。

 

2023年8月22日火曜日

MOMOTARO その20

奥付と広告 個人蔵

(読み)

Nos,1-6,7-12 « 13-18 Bach in One Volume.

Extra No. Princess Splendor , The Woodcutter's Daughter


AINO FAIRY TALE SERIES.

1. The Hunter in Fairy Land.

2. The Birds'Party.

3. The Man who lost his Wife.


Published by T. HASEGAWA, 10, Hiyoshicho, TOKYO.

(大意)

1〜6号、 7〜12号、 13〜18号 各々一巻ずつ

追加番 竹取物語

アイヌ昔噺

1 お伽の国の狩人

2 鳥たちの宴

3 妻を亡くした男

出版 長谷川武次郎 東京日吉町10

(補足)

nos が no(number) の複数形(numbers)とはこの歳まで知りませんでした。お恥ずかしい。

AINO FAIRY TALES については

「『B.H.チェンバレンのAINO FAIRY TALESについて』石澤小枝子 梅花女子大学文学部紀要第32号1998/12」 

に詳しい。

  

2023年8月21日月曜日

MOMOTARO その19

奥付と広告 個人蔵

(読み)

JAPANESE FAIRY TALE SERIES.

Ordinary Paper & Crépe Paper.

No.

1.Momotaro or lLttle Peachling.

2.The Tongue Cut Sparrow.

3.The Battle of the Monkey and the Crab.

4.The Old Man who made the dead Trees Blossom.

5.Kachi-Kachi Mouatain.

6.The Mouses' Wedding.

7.The Old Man and the Devils.

8.Urashima, the Fisher boy.

9.The Eight-Headed Serpent.

10.The Matsuyama Mirror.

11.The Hare of Inaba.

12.The Cub's Triumph.

13.The Silly Jelly-Fish

14.The Princes Fire-Flash and Fire-Fade.

15.My Lord Bag-o'-Rice.

16.The Wooden Bowl.

17.Schippeitaro.

18.The Ogre's Arm.

19.The Ogres of Oyeyama.

20.The Enchanted Waterfall.

(大意)

日本昔噺

平紙本と縮緬本

番号

1 桃太郎

2 舌切雀

3 猿蟹合戦

4 花咲爺

5 カチカチ山

6 鼠の嫁入り

7 瘤取

8 浦島太郎

9 ヤマタノオロチ

10 松山鏡

11 因幡の白兎

12 野干ノ手柄(きつねのてがら)

13 海月

14 彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)

15 俵藤太

16 鉢かつき

17 竹箆太郎(しっぺいたろう)

18 鬼の腕

19 大江山

20 養老乃瀧

(補足)

 この部分の巻数がふえていったいきさつは、白百合女子大学児童文化研究センター研究論文集に寄稿された尾崎るみ氏「長谷川武次郎のちりめん本出版活動の展開」に詳しい。

 わたし自身、これら昔噺の内容で人に説明できるのは半分程度。どんな噺なのか概略に目をとおすと、あ〜そうだったと以前にどこかで聞き知った、または読んだような気がしてくるものもありました。

 ちりめん本のために、小さい文字が判別しにく間違えているところもあるかもしれません。このつづきの下半分はさらに読みづらく次回にまわします。

 

2023年8月20日日曜日

MOMOTARO その18

P18 個人蔵

(読み)

adventure, displayed his riches,

and at last became a leading man,

a man of influence, very rich and

honorable; a man to be very much

congratulated indeed!!

(大意)

(桃太郎はたくさんの)冒険譚を(はなし、)

宝物を披露し、やがて富貴な威信ある第一人者となったのでした。

まことにめでたいことでありました。

めでたしめでたし。

(補足)

 挿絵が今までとはことなるタッチになっています。このままま消しゴムハンコにできそうな図案です。

 

2023年8月19日土曜日

MOMOTARO その17

P16P17 個人蔵

P16 個人蔵

(読み)

with the help of his three com-

panions, to whom he attributed

all his success, he had been able

so easily to accomplish his end.

  Great was the joy of the

old man and the old woman

when Momotaro came back.

He feasted every body boun-

tifully, told many stories of his

(大意)

桃太郎の三従者の助けもあって、桃太郎は勝利は

かれらのおかげであるとおもっていました。桃太郎は

とてもたやすく目的を達することができたのでした。

 桃太郎が戻ってきたとき爺と婆の喜びは大変なものでした。

桃太郎はあらゆる人たちに気前よくもてなしをしました。

桃太郎はたくさんの(冒険譚を)はなし、

(補足)

 江戸時代の終わりにはすずめ踊りが流行ったそうですが、ここは雉踊り。紫のちゃんちゃんこを羽織って青の股引。頭には小さな烏帽子のようなものまでのせています。

 それを楽しむ桃太郎と爺婆、犬に猿。着ているものが素敵です。猿は鼓をたたいているのでしょうか。犬はきっとあいの手をわんわんと入れているはず。

 床の間には宝物を披露して、亀の甲羅があって、その左側のしろい蓑(みの)のようなものは、これを羽織ると姿を隠すことができるという隠れ蓑笠でしょうか。そしてその下には打ち出の小槌があって、その後ろには黄金色の大判小判が山盛りです。珊瑚も宝物がつまった大きな袋もあります。

 

2023年8月18日金曜日

MOMOTARO その16

P14P15 個人蔵

P14 個人蔵

(読み)

  After this Akandoji the chief

of the devils said he would

surrender all his riches.  "Out

with your riches then:"  said

Momotaro laughing.  Having

collected and ranged in order

a great pile of precious things,

Momotaro took them, and set

out for his home, rejoicing, as

he marched bravely back, that,

(大意)

 こののち、鬼ヶ島の大将赤ん童子はすべての宝物を差し出しますといい、

それならばそれら宝物をもって出ようと桃太郎は笑いながら言いました。

山となった貴重な宝物を集め、整然と並べました。桃太郎はそれらを

持って国へ向けて出発し。喜びながら勇敢に帰途に着いたのでした。

(補足)

 話の内容はすでにわかっているのですが、この部分訳すのに意外と大変で、自身がありません。

 船の上では雉だけがまだ鎧を身に着けているようです。おおきな珊瑚のむこう舳先側に袋に入れた宝物がたくさんあります。

 

2023年8月17日木曜日

MOMOTARO その15

 

P14P15 個人蔵

P14 個人蔵

(読み)

At last they grappled each other.

and without difficulty Momotaro

just crushed down Akandogi and

tied him with a rope so tight

that be could not even move.

All this was done in a fair fight.

(大意)

とうとうふたりはつかみ合いの格闘となりました。

そして難なく桃太郎は赤ん童子を組み伏せ、

綱できつく縛り上げたのでもはや身動きは

できなくなりました。

こうして正々堂々とした戦いは終了しました。

(補足)

 宝物を満載した帆掛け船、帆の中央がほぼ四角く空白になっているのが気になります。ここに旗印を摺るつもりだったようにもみえます。


2023年8月16日水曜日

MOMOTARO その14

P12P13 個人蔵

P13 個人蔵

(読み)

they pressed still inwards, and at

last encountered the chief of the

devils, called Akandoji.  Then

came the tug of war.  Akandoji

made at Momotaro with an iron

club, but Momotaro was ready for

him and dodged him adroitly.

(大意)

桃太郎たちはさらに奥へと押し進み、そしてとうとう

赤ん童子という鬼の大将と出くわしました。すぐに

激しい争いとなりました。赤ん童子は鉄の棍棒を桃太郎に

振り回しましたが、桃太郎はすばやくうごきまわり

たくみにかわしました。

(補足)

 一番の見せ場なので、見開きで絵も豪華です。

 猿はゲンコツで鬼を一突き、雉(尾羽根も羽も細かく描かれている)は足でギュゥっとつかみ押さえクチバシでつつき、犬は鬼の尻にかみついています。そして城の中では桃太郎が大将を払い腰でうっちゃっています。鬼のやられた顔がちょっと怖い。首周りの橙色が鮮やかできれいです。

 その部屋の腰壁が豪華で大理石のようなものがはめこまれています。

 カーテンは日本の文化(ここは鬼ヶ島、異国です)にはありませんでしたからなのでしょうか、念入りに描かれています。上下で濃淡をつけ、花柄のような模様があり、床にふれるところは縁取りの柄も入り、裏生地の赤をのぞかせています。

 奥に急峻な山をのぞむ手前には城壁らしきものが見えています。

 

2023年8月15日火曜日

MOMOTARO その13

P10P11 個人蔵

P11 個人蔵

(読み)

In no time they arrived at the

island of the devils, and at once

broke through the front gate;

Momotaro first; then his three

followers.  Here they met a

great multitude of the devil's

retainers who showed fight, but

(大意)

あっという間にかれらは鬼ヶ島に着き、すぐに

城門を打ち破り、最初に桃太郎が、つづいてかれの

三匹の従者が突入しました。かれらはここで

戦意むき出しの鬼の家来の大群に出会いましたが、しかし

(補足)

 雉はどこか手持ち無沙汰のようで、腰に後ろ手をしているように見えます。

普通は城門を突破されてなるものかと激しい戦いになるものですけど、どうしたものかとても静かです。 

2023年8月14日月曜日

MOMOTARO その12

P10P11 個人蔵

P10 個人蔵

(読み)

dog. So Momotaro took a

dumpling out of his pouch and

gave it to the dog.  Then a

monkey came and got one the

same way. A pheasant also

came flying and said:  "Give

me a dumpling too, and I will

go along with you."  So all

three went along with him.

(大意)

 それから桃太郎は腰の袋から団子をとりだし、犬に与えました。

まもなく一匹の猿がやってきて同じようにして団子をもらいました。

一羽の雉も舞い降りて言うのでした。「わたしにもひとつ団子を下さいな、

さすればあなたと一緒に行きましょう」。そうして三匹そろって

桃太郎と一緒に進みました。

(補足)

 猿も雉もそれらしいのですけど、犬は尻尾がみあたらなく股引に押し込んであるようです。

正門の丈夫そうな木の門をちょうど少し押し開けている様子なのでしょうか、右側が少し開いているように見えます。

 

2023年8月13日日曜日

MOMOTARO その11

P8P9 個人蔵

P9 個人蔵

(読み)

"Momotaro!  What have you

there hanging at your belt!"

He replied: "I have some of

the very best Japanese millet

dumplings."  "Give me one and

I will go with you," said the


(大意)

「桃太郎様!お腰につけているものはなんでしょうか?」

桃太郎は答え「とってもうまいきびだんごじゃ」、

「ひとつわたしにくださいませ。さすれば一緒に

参りましょう」と(犬は)言いました。

(補足)

 この場面、桃太郎童謡の歌詞そのままです。歌詞はいつ頃のものかと調べてみると、明治44(1911)年に当時の音楽教科書「尋常小学唱歌」第一学年用で発表された日本の文部省唱歌でした。ということは歌のほうがこの絵本よりあとなのです。桃太郎の話は古くから伝えられ親しまれてきましたから、それを童謡唱歌にしたという自然なながれでした。

 桃太郎の表情は表紙とはことなって、ややいかつい錦絵風の顔立ちになっています。きび団子の網袋や藁の脚絆は相変わらず丁寧。猿の毛むくじゃらも一本一本これまた丁寧。わんこは拡大してみると目が小さくとてもかわいらしいく、膝をおってうしろに反りかげんの姿勢も落ち着いた忠犬そのもの。

 

2023年8月12日土曜日

MOMOTARO その10

P8P9 個人蔵

P8 個人蔵

(読み)

the old woman about

the matter, and got them to

make him some dumplings.

These he put in his pouch.

Besides this he made every

kind of preparation for his

journey to the island of the

devils and set out.

  Then first a dog came to

the side of the way and said;

(大意)

(すぐに桃太郎は爺と)婆にそのことについて(相談し)、

桃太郎は老夫婦に団子を作ってもらいました。

団子を桃太郎は袋に入れ、さらに鬼ヶ島への道中の様々な支度を

ととのえ出発しました。

 そののち、最初に一匹の犬が道のわきにあらわれ

言うのでした。

(補足)

 右の松の上部が枠外なので描かれていません。そして左の小枝が見えない松の上部から枠内に伸びてきています。その描かれていない部分が見えてしまうから不思議です。画工の力でしょうか。

 桃太郎の幟はもっと派手に目に冴えるような桃色でもよさそうなものですが、なんとも地味な目立たぬ薄い青色。唯一の赤系統は猿の顔だけでした。いや、小さくて気づきにくいですが雉の顔も赤でした。雉は拡大してみると、これまた丁寧、羽もきれいです。

 

2023年8月11日金曜日

MOMOTARO その9

P6P7個人蔵

P7 個人蔵

(読み)

Momotaro finding that he

excelled every body in strength

determined to cross over to the

island of the devils, take their

riches,and come back. He at

once consulted with the old

man and

(大意)

桃太郎は誰よりも並外れた力があるとわかり、鬼ヶ島へ渡り

かれらの宝物を奪い戻ってくると、決心しました。

すぐに桃太郎は爺と(婆にそのことについて)相談し

(補足)

 お婆さんが糸車で綿糸を紡いでいるところです。わたしがこまかな説明をするよりもネットで「糸車 youtube」で調べれば一目瞭然です。左手を回すのに上掛けがじゃまなのでしょう、片方を脱いでいます。

 わたしは子どものころ母の実家にあずけられていたとき養蚕の時期に、桑の葉をお蚕さんにあたえたり、蚕玉から絹糸を取り出すお手伝いをよくしたものです。夜寝ているときに聞こえてくるムシャムシャ、ムシャムシャというお蚕さんが桑の葉を食べる音が今でも耳に残っています。

 左手で糸車を回して、右手は綿の塊をを引っ張りながら細く伸ばしたあとにすぐ、撚りをかけて丈夫にしてゆくのですけど、その手加減や集中しているさまがうまく描けているなとおもいます。

 

2023年8月10日木曜日

MOMOTARO その8

P6P7 個人蔵

P6 個人蔵

(読み)

their expectations raised, and

bestowed still more care on

his education.

(大意)

期待をふくらませ、なおいっそう桃太郎の教育に力をいれたのでした。

(補足)

 煙草道具を入れる巾着や灯りの台などとても丁寧に描かれています。桃太郎はまるで小さな書生のよう。袴が本物の生地のようです。その下からちらりとのぞく正座の両親指、ほんとうに細かくていねい。また土壁の質感がみごと。このまま壁紙にできそうです。

 お爺さんは左手の親指を上にして組んでいます。にこやかに桃太郎を見守るお爺さん、全身に喜びがあふれでています。

 部屋の隅にある切り株の火鉢、ちょうど頁をまたいでしまって、版木がことなったためでしょうか、摺り加減が違ってしまって左半分、右半分の色調を合わすことができなかったようです。

 

2023年8月9日水曜日

MOMOTARO その7

P4 個人蔵

P5 個人蔵

(読み)

When she cut the peach

in two, out came a child from

the large kernel. Seeing this

the old couple rejoiced, and

named the child Momotaro, or

Little Peachling, because he

came out of a peach.  As

both the old people took good

care of him, he grew and

became strong and enterpris-

ing.  So the old couple had

(大意)

婆さんがその桃をふたつに割ってみると、

大きな種から子どもが出てきました。

これを見て、年寄り夫婦は大喜びし、

桃から生まれたので、その子どもを桃太郎とも桃王子とも名付けました。

老夫婦ともに、桃太郎を大切に世話をしたので、桃太郎は丈夫で冒険心にとんだ子どもに

育ちました。そうして老夫婦は

(補足)

「he came out of a peach」、「a peach」と不定冠詞 a になっているのは、ここでは桃太郎が出てきた桃「the peach」をさすのではなく、「桃」という果物一般をさすため。 定冠詞と不定冠詞の扱いは厳格です。

 お爺さんの白目をむいた驚愕の表情がすごい。お婆さんはなんとも言えぬ慈しみの面持ち、とても対照的です。

 桃はまな板ではなく、縁のあるお盆にのってます。桃の果実に桃の葉を添えて描いているのも細かい。ふたつに割った桃の果肉の色がとても見事です。種のふちに右足をかけて出てこようとするその一瞬の動きが見えてくるから不思議です。

 そばにある菜切り包丁で桃太郎がよく真っ二つにならなかったと心配する声も聞くのですが、桃太郎は幼くして武芸に秀でて生まれてきたので、いとも簡単に真剣白刃取りで菜切り包丁をとらえたという逸話が伝わっています。

 奥の囲炉裏が生活感を感じさせます。

 

2023年8月8日火曜日

MOMOTARO その6

P4 個人蔵

P5 個人蔵

(読み)

she saw that it was a very large

peach. She then quickly finished

her washing and returned home

intending to give the peach to

her old man to eat.

(大意)

とても大きな桃だとわかりました。婆さんはそれからいそいで洗濯をすまし、

爺さんにその桃を食べさせてやろうとおもい、家に戻りました。

(補足)

 前頁でお婆さんが桃を引き寄せているときの表情はとても年寄に見えましたが、この頁の桃をふたつに割ったときの顔は喜びでシワもないほどに若返って見えます。

 ちりめん本の効果でしょうか、ヒビの入った土壁や柱や窓枠の質感がつたわってきます。

 

2023年8月7日月曜日

MOMOTARO その5

P2P3個人蔵

P3 個人蔵

(読み)

she was very glad, and pulled

it to her with a piece of bam-

boo that lay near by. When

she took it up

and looked at it

(大意)

大変に喜び、そばにあった竹竿で手元に

引きよせました。それを取り上げて、

見てみると

(補足)

 流れてきたものがひと目見て桃とわかってはいけないし、しかしそれらしく描かなければいけないし、難しいところ。

 おばあさんの、右足を引いて左膝で体を支えるこの姿勢、これも描くのが難しそうです。

 

2023年8月6日日曜日

MOMOTARO その4

P2P3個人蔵

P2 個人蔵

(読み)

went to the river to wash clothes.

While she was washing a great

big thing came tumbling and

splashing down the stream.

When the old woman saw it

(大意)

川へ洗濯をしに行きました。

婆さんが洗濯をしていると、大きなものが

川をどんぶらこっこ、すっこっこ、と流れてきました。

婆さんはそれをみて、

(補足)

 山間を流れる小川とすぐそばの山道をつないで一つの風景で爺さん婆さんの仕事を描いています。

遠くの爺さんを拡大してみると、小さくなったからといってまったく手を抜いてないことがわかります。右手に持つ鎌は鋭く切れ味がよさそうです。

 

2023年8月5日土曜日

MOMOTARO その3

P1 個人蔵

(読み)

MOMOTARO

or

Little Peachling.

A long long time ago there

lived an old man and an

old woman. One day the old

man went to the mountains to

cut grass; and the old woman

(大意)

桃太郎 または桃王子

むかしむかし、爺さんと婆さんがおりました。

ある日、爺さんは山へ芝刈りにゆき、婆さんは

(補足)

 桃は英語でpeachですが、peachには素晴らしい人、すてきな人、魅了的な人などの意味があるようで、訳者のダビッド・トムソンは桃太郎の話を初めて読んだとき、Little Peachlingという訳がひらめいて、どうしてもこれに引っ掛けたかったのでしょう。

また、-lingは『1 子…, 小… (!〖名詞〗に付く)▸ duckling子ガモ. 2 …に属する[関係のある]人[物] (!〖名詞〗〖形容詞〗〖副詞〗に付く)▸ earthling地球人.』とあります。

 両方をまとめると、訳者の頭の中には、部下3名を従えた桃部隊のすてきな小隊長みたいなものがあったような気がします。

 桃の写生は難しいとおもいます。産毛につつまれたような感じが手強そう。しかしちりめん本なのでその感じが平紙よりでていそうです。右上に伸びている桃の葉、裏をちらりと見せているところがひかれます。

 

2023年8月4日金曜日

MOMOTARO その2

見返し 個人蔵

(読み)

版權所有

Japanese Fairy Tale Series,No.1.

MOMOTARO,

PUBLISHED BY

T.HASEGAWA,

10,Hiyoshicho.

TOKYO

日本昔噺第一號

米國 ダビッド タムソン 譯述

再販 桃太郎

鮮齋永濯畫

明治十八年八月十七日版權

免許同年九月出版同十九年

八月廿六日再販幷添題御届

東京市京橋區日吉町十番地

發行者

長谷川武次郎

(大意)

(補足)

 目のさめるような桜色の背景に、毛むくじゃらの猿と犬、まだ子猿子犬のようです。かわいらしい。

 英文字部分は、いまではあふれるほどのフォントがありますが、この時代どのようにしてこれだけの活字をあつめたのでしょう。というかすでにたくさんの中から選択するぐらいにはあったのかもしれません。

 この桃太郎はスウェーデン語・スペイン語・ポルトガル語・ドイツ語・フランス語・英語とたくさんの言語で出版再版されています。しかし猿と犬がこの位置のものはこの版だけで、他のものは猿と犬の位置が入れ替わっていたり、ことなった絵柄だったり、または猿も犬もいないものとなっています。

 画工は鮮齋永濯(せんさいえいたく)(小林永濯)。ネットでその生涯と業績を読むことができます。