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2021年1月23日土曜日

豆本 金太郎咄し その8

P5

P4P5見開き

(読み)

[つゞき]奈るうハ

     なるうわ


者゛ミ可゛いでゝ

ば みがいでて


けらいのうさ起゛

けらいのうさぎ


のまれ志可バ△

のまれしかば


(大意)

(大きな)大蛇があらわれて

家来のうさぎが

のまれたときには


(補足)

最初「可ハ者゛ミ」と読んでしまい、辞書で調べてもないし変だなと。「可」ではなく「う」でありました。「可」はこのあと「者゛ミ可゛」「志可バ」に、「う」は「うさ起゛」にあります。

絵を縦にしたなら、文章も右に90度回転させればよかったのにとおもうのですが、なにかできない理由でもあったのでしょうか。彫りの作業で何かしらの制限があったのかもしれません。

木の幹の幅広の黒の柄は細い線まで描かれています。また落下中の鳥の尾羽根も同様です。色ズレはなく完璧な仕上がりになってます。

 

2021年1月22日金曜日

豆本 金太郎咄し その7

P4

(読み)

奈つのよハ

なつのよは


者奈びを

はなびを


つくりて

つくりて


あげ多のしミける●

あげたのしみける


●ち可き

 ちかき


た尓ゝ

たにに


お本き△[つぎへ]

おほき


(大意)

夏の夜は

花火を作って

あげ楽しみました

近くの谷に

大きな


(補足)

 P4だけを見ると絵がちょっと変です。

P4P5見開きを縦にすると納得。

金太郎が木の幹をかかえて揺すり、てっぺんの巣から卵を落としました。卵が割れて、ひなが飛び出し、それを地面で白い狐が取り押さえ捕まえています。金太郎の表情は優しそう。

 

2021年1月21日木曜日

豆本 金太郎咄し その6

P.3

P2P3見開き

(読み)

[つゞき]

多まごをうミし△

たまごをうみし


△をふり

 をふり


おとして

おとして


つかまい

つかまい


けるま多

けるまた


(大意)

生んだ卵を振り落として

つかまえました。

また、


(補足)

「つかまい」、の「か」が算用数字「5」に見えます。「か」でないとしたらなんでしょう。この頁の文章の絵は次頁になり、卵からかえったばかりのひなをつかまえているところの絵があります。

 童謡にあるように「熊にまたがりお馬の稽古」の図。手綱は風呂敷を絞ったような感じ。猿と兎はその両脇に、先頭は毛槍か幟をもつ犬と狐。この豆本の出版は明治18年ですから、この当時、本物の大名行列を見た人はたくさんいたでしょう。子どもに読み聞かせているときに大人がその話をしたかもしれません。


 

2021年1月20日水曜日

豆本 金太郎咄し その5

P.2

(読み)

きん多らうといふ

きんたろうという


つよいこ可゛あつ多とさ△

つよいこが あったとさ


きへてんぐの春をつくり[つぎへ]

きへてんぐのすをつくり


(大意)

金太郎という

強い児があったとさ。

木へ天狗の巣をつくり[つぎへ]


(補足)

 前頁からの続きは右下の文章ですけど、上部のはつぶやきみたいなものか?

金太郎の顔・手足・着物柄・など摺りがずれています。またがっているのは黒い牛ではなく熊。