2025年9月11日木曜日

江漢西遊日記五 その47

P49 東京国立博物館蔵

(読み)

八 日曇  此 嶋 の西 の方 松 本 と云 処  鮪 アルよし

ようかくもりこのしまのにしのほうまつもとというところしびあるよし


朝 より又 之助 新 四郎 同 道 して行ク尓鮪

あさよりまたのすけしんしろうどうどうしてゆくにしび


二百  四 十  二疋 と云 大漁(タイリヨウ)の時 ハ千 も取レるよし

にひゃくよんじゅうにひきという   たいりょう のときはせんもとれるよし


さて其 鮪 ハ山 \/能腰 を群(ムレ)て回(メグ)る者 故 山

さてそのしびはやまやまのこしを  むれ て  めぐ るものゆえやま


能腰 尓網(アミ)をしき張ル其(ソレハ)幕(マク)能如 く尓して

のこしに  あみ をしきはる  それは   まく のごとくにして


底(ソコ)なし又 鮪 見楼(ヤクラ)を建て鮪 来ル時 ハ

  そこ なしまたしびみ  やぐら をたてしびくるときは


旗(ハタ)を出して之 を知らせる口 網(アミ)の舟 之 を見

  はた をだしてこれをしらせるくち  あみ のふねこれをみ


て網(アミ)能口 をしめる網底(アミソコ)なしと雖  も鮪 下(シタ)

て  あみ のくちをしめる   あみそこ なしといえどもしび  した


をくゝ里て逃(ニグ)る事 なし爰 ニ於 て舟 四方 ヨリ

をくぐりて  にぐ ることなしここにおいてふねしほうより


あ川まりかこんで一 方 より麻綱(ヲツナ)能網 と

あつまりかこんでいっぽうより   おつな のあみと

(大意)

(補足)

「八日」、天明8年12月8日。西暦1789年1月3日。

 鮪漁の様子の画です。

 画の説明に「鮪冬網(志びふ由あミ)」とあります。上半身裸で腰蓑(こしみの)だけという漁師もたくさんいるのがわかります。真冬で海の上、寒いにきまっていますが、激しい動きと気合で寒さなど感じなかったのかもしれません。

 

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