2025年9月9日火曜日

江漢西遊日記五 その45

P47 東京国立博物館蔵

(読み)

と云 て戴(イタゝ)くと云フ義なりと其 時 より鯨  を

といいて  いただ くというぎなりとそのときよりくじらを


取ル備(ソナヱ)をな春亦 春 の土用 尓漁  を止ムと朝

とる  そなえ をなすまたはるのどようにりょうをやむとあさ


飯 前 能話(ハナシ)なり夫 より新 四郎 方 ヘ行く酒

めしまえの  はなし なりそれよりしんしろうかたへゆくさけ


鴨 能吸 物 鮪 の肉 を出し日暮 て帰 ル此 海

かものすいものしびのにくをだしひぐれてかえるこのうみ


よりヱイノ尾と云フ者 天 尓登 ル事 あり是 ハ

よりえいのおをいうものてんにのぼることありこれは


龍  なりと云 登 らんと春る時 黒 雲 さか里て

りゅうなりというのぼらんとするときくろくもさがりて


海 の潮 を巻き次第 \/ 尓天 尓能ほる尓雲

うみのしおをまきしだいしだいにてんにのぼるにくも


中 よりヱいと云 魚  能尾の如 き物 ヒラ\/として

なかよりえいというさかなのおのごときものひらひらとして


見ヱ遠 さかる。故 尓ヱイの尾可゛登 ルと云 なり

みえとおざかる ゆえにえいのおが のぼるというなり


此 日新 四郎 より朝  鮮 者゛ち七 ツ入子(イレコ)を贈 る

このひしんしろうよりちょうせんば ちななつ   いれこ をおくる

(大意)

(補足)

 竜巻を「ヱイノ尾」にたとえてみているところが、おもしろい。たしかに竜巻の漏斗部分を平たいエイのからだにみたてて、細く巻き上げている部分を尾とすれば、エイが空に登っていくようにみえます。

 鯉のぼりじゃないけど、エイが空を泳いでいるなんて発想がいいですね。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿