2025年9月26日金曜日

江漢西遊日記五 その62

P69 東京国立博物館蔵

(読み)

鯨  を解く各(ヲノ)\/長刀(ナキナタ)能如 キ物 を持 て鯨  の背(セ)

くじらをとく  おのおの    なぎなた のごときものをもちてくじらの  せ


に能ほり剪(タチ)切(キル)先ツ両  アゴを切 落 シ頭  の上

にのぼり  たち   きる まずりょうあごをきりおとしあたまのうえ


を切ル夫 ヨリ尾の方 を切リ又 背を切り両  脇 を

をきるそれよりおのほうをきりまたせをきりりょうわきを


切り落 春頭  を切 て各 \/万 力 車 ニて引 なり

きりおとすあたまをきりておのおのまんりきしゃにてひくなり


夫 よりしてハ腹(ハラハタ)骨(ホネ)尓ニ至 ル人 夫納屋へ荷(ハコブ)

それよりしては  はらわた   ほね に いたるにんぷなやへ  はこぶ


肉 納屋骨 納屋腹 納屋アリ亦 大 工小

にくなやほねなやはらなやありまただいくご


屋鍛冶(カチ)小屋桶 屋小屋舟 大 工小屋アリ

や   かじ ごやおけやごやふなだいくごやあり


さて鯨  の肉 骨 を納屋能内 ニて数 十  人 の

さてくじらのにくほねをなやのうちにてすうじゅうにんの


人 ニてコマカク切り大 釜 ニ入レて油  を煎 春゛

ひとにてこまかくきりおおがまにいれてあぶらをせんず


十  七 竈(カマト)あり前 ニ大 樋(トユ)あり土蔵 の内 へ流(ナカス)

じゅうしち  かまど ありまえにおお  とゆ ありどぞうのうちへ  ながす

(大意)

(補足)

 「西遊旅譚四」の「肉納屋之圖」。こちらでは竈(かまど)は十八となっています。

「樋(トユ)」、『「とい(樋)」の転』。「とよ」とも。

 島なので、どんなことでも対応処置できるように、工場のようにすべての工房をそなえてます。明治まで続いて、にぎわったというのですから、その企業力と人材力は今でも通じるようにおもいます。

 

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