2022年12月31日土曜日

舌切春ゞ免(小森宗次郎) その4

P2P3 国立国会図書館蔵

(読み)P2

[次 ゟ]

 つぎより


志たをきりとばし个る

したをきちとばしける


あとへいんきやうさん

あとへいんきょ さん


可へりきてその

かえりきてその


者奈しをきゝ

はなしをきき


春ぐ尓春ゞめ乃

すぐにすずめの


あり可をさ可゛し

ありかをさが し


いでたるむ可ふ可ら

いでたるむこうから


春ゞめ

すずめ


いでき多り

いできたり


おや古゛いん

おやご いん


きやうさん◯

きょ さん


◯よく

 よく


いらつ

いらっ


しヤい

しゃい


ました□

ました


□さあ\/

 さあさあ


こちらへと

こちらへと


うちへいれ

うちへいれ


いろ\/奈

いろいろな


古゛ちそうを◎

ご ちそうを


(大意)

下を切り飛ばしました。

しばらくして隠居さんが帰り、その

はなしをきき、すぐにすずめのすみかを

探しに出かけました。

 向こうから、すずめが迎え出てきて

「おや、ご隠居さんよくいらっしゃいました。

さあさあこちらへと家へ迎い入れ

いろいろなごちそうを


(補足)

「志たをきりとばし个る」、切り飛ばすとはなんともすごい表現。

変体仮名「可」(か)がたくさん使われています。「う」と「ら」はそっくりなので注意です。

 やや色ズレがありますが、ふすまの柄などまぁまぁ丁寧に仕上がっているようです。

 

2022年12月30日金曜日

舌切春ゞ免(小森宗次郎) その3

P1後半 国立国会図書館蔵

(読み)

□よく者゛り

 よくば り


者あさん

ばあさん


せんだく

せんたく


せんと

せんと


のりを

のりを


とき

とき


おき

おき


しに

しに


春ゞ

すず


め△


△きたつて

 きたって


のりをなめたり者゛アさん

のりをなめたりば あさん


お本い尓お古りはさミ

おおいにおこりはさみ


尓て春ゞめの[次 へ]

にてすずめの つぎへ


(大意)

欲張り婆さんが洗濯をしようと

のりをといておいてあったものを

すずめが来て、のりをなめました。

婆さんは大変に怒って、ハサミで

すずめの


(補足)

 絵師はベテランでしょう。歌舞伎などでは役者さんが「なにおぉ〜」と怒ったときのきまりきった仕草ですが、婆さんの構えも同じです。右脚を膝立ちし、左手で右手の肘あたりまで腕まくりし、肩をやや怒らせ、和鋏とはおもえぬようなデカイハサミを握りしめています。体全体から怒りがあらわされていて、からだの線を残しながらも着物で覆って描いているところが腕の良さをしめしています。

 建物の窓の竹柵や破れ壁など、絵全体もとても丁寧に描いています。

 

2022年12月29日木曜日

舌切春ゞ免(小森宗次郎) その2

P1前半 国立国会図書館蔵

(読み)

「む可し\/

 むかしむかし


あるところ尓

あるところに


ふくゑもんとて

ふくえもんとて


ひとりのいんきやう

ひとりのいんきょ


さん可゛

さんが


あり

あり


ました

ました


よく春ゞめを

よくすずめを


あいし可いおき

あいしかいおき


けるある日◎

けるあるひ


◎る春の

 るすの


とき

とき


と奈り

となり


の□


(大意)

むかしむかしあるところに

福右衛門というひとりの

隠居さんがおりました。

大変に雀を可愛がっていました。

ある日、留守のとき隣の


(補足)

 1頁めから婆さんのまわりは文字だらけです。こんなのも豆本ではめずらしい。

「いんきやうさん」、隠居さん。旧仮名遣いは現代の文字遣いに比べると、古めかしいと言う前になんだか変でおかしな文字表現です。

明治20年前後の文字表現なのですが、もちろん元は変体仮名表現が底流にあるため、現在の平仮名を多く使おうとする編集方針は感じるのですけど、やはりポコっポコっと変体仮名が使われてしまっています。

 文末の記号から文頭の記号へと記号が一致するように読むのですけど、いい加減なことも多いです。

 意地悪ばあさんの顔つきがよく豆本にあるような婆さんとはちがってなかなか個性的であります。

絵全体はとてもよく描けています。

 

2022年12月28日水曜日

舌切春ゞ免(小森宗次郎) その1

表紙 国立国会図書館蔵

見返し

(読み)

舌 切 春ゞ免

志たきり

したきりすずめ


見返し

東京圖書館印 TOKIO LIBRARY

明治二一・七・三0・内交・

(大意)

(補足)

 前回の「猫の狂言津くし」(沢久次郎)は絵などが荒れていたので一作で終了します。

小森宗次郎の豆本をとりあげます。明治廿一年七月十日印刷同年廿二一出版。

 やはり豆本の表紙はこうでなくっちゃ。画工たちの心意気が隅々にまで発揮されていて素晴らしい。なんでこんなに凝るのだろうとおもわせるぐらい、細かい箇所を見ていくと感じられます。

 題名は「舌切」が楷書でその振り仮名が変体仮名「志」(し)と楷書の平仮名です。続いて「春」「免」と変体仮名となります。表紙の題名なのでひとつの図案なのだと解釈すれば、これもまた納得できます。

 こんな素晴らしい表紙を描くのだから見返しを期待してしまいますが、残念なことに鮮明な丸朱印がふたつのみとは残念であります。

 

2022年12月26日月曜日

猫の狂言津くし(沢久次郎) その9

奥付 国立国会図書館蔵

裏表紙

(読み)

御届

明治廿年一月十四日日本橋區亀井町廿五番地

編輯兼出版人 沢久治郎

定価壱銭五厘

(大意)

(補足)

 宣伝の本の題名は簡単に読めるものもあれば、なんと読むかとにらめっこをしても読めぬものもあり。いつでもくずし字はやっかいです。

 裏表紙は、芋版のように柄を掘り込んだ簡単なもの。墨がたっぷりついて乾きにくとおもうんですけど。

 この豆本は半分読めなかったので再挑戦しましょう。

 

2022年12月25日日曜日

猫の狂言津くし(沢久次郎) その8

P12 国立国会図書館蔵

(読み)

者る

はる



奈可゛

なが


めハ

めは


下  関

しものせき


あきんと

あきんど


いへど

いえど


ちひさ奈

ちいさな


たとへ

たとえ


(大意)

(補足)

結局、豆本の半ばから降参続きとなってしまいました。脚を欄干にかけ見えを切るさまは圧力があってよいのですけど、何の場面を切り取ったものなのかがわかりません。

この豆本はもう少ししらべなければなりません。宿題です。

 

2022年12月24日土曜日

猫の狂言津くし(沢久次郎) その7

P10P11 国立国会図書館蔵

(読み)

P10

く?まて

??\/


P11

??

???

おき与め

の者づ

\/


(大意)

これも降参

(補足)

 版元にせかされてでもいたのか、絵師がささっと描いて(絵師の腕は悪くないと思います)、彫師もささっと彫って(同じく腕は悪くなさそうです)、でもって摺師がやっつけ仕事で全部台無しにしてしまった感じです。版元もろくに確かめもせずにそのままゴー。

 ところどころは読めますが、全体がまとまりません。読める方はなんなく読めるでしょうけど、初心者の私には無理です。

 牛車風の大きな車輪があって、送りますから乗ってくださいと誘っていそう。姫の方は乗りたそうながらも、なにか言い訳をしてためらっている様子。勝手に物語が作れそうです。

 

2022年12月23日金曜日

猫の狂言津くし(沢久次郎) その6

P8P9 国立国会図書館蔵

(読み)

P8

?こう志やう

とておす可゛多を


P9

????

??ハ

志も

?阿

者つ


満尓者させハ

せぬものを


(大意)

降参

(補足)

 部分部分は読むことができるところもあるのですが、それらがつながりません。

振袖姿の線はしっかり描かれていますが、摺師がどうしたことか、これでは売り物にならないのではと・・・。右奥の掛け軸のようなところに裃姿の下絵のようなものがかかっていますけど、これはなんでしょう?

 振り袖の袖口を蝶々結びのようにして数カ所とめています。こんなおしゃれがあったんですね。

 

2022年12月22日木曜日

猫の狂言津くし(沢久次郎) その5

P6P7 国立国会図書館蔵

(読み)P6妹背山婦女庭訓_妹山背山の段

(いもせやまおんなていきん

_いもやませやまのだん)

「奈可を

なかを


へ多゛てし

へだ てし


いも山

いもやま


せや満

せやま


(大意)

中(仲)をへだてし

妹山背山


(補足)

 ネットで調べると

『『妹背山婦女庭訓』は、明和8年(1771)1月、大坂竹田新松座(竹本座)で初演されました。人形浄瑠璃黄金期の最後の名作者と評される、近松半二ほかによる合作です。』

とありました。そして、

『「大化の改新」を題材として、大和地方に点在する名所旧跡や伝説を巧みに取り入れ』た大作

と続きます。

 筆使いが全体に荒いですけど、あいだを流れる河にはいいかもしれません。彫師もなんかやっつけ仕事で、さらに摺師は色をのせた跡が箒ではいたみたいに適当です。向こう岸の建物は最初欄干がなかったのを摺師がたした感じです。

 

2022年12月21日水曜日

猫の狂言津くし(沢久次郎) その4 

P4P5 国立国会図書館蔵

(読み)

P4

「まこと尓めで

 まことにめで


とうさむらひ

とうさむらい


个る

ける


ホン\/

ぽんぽん


めてヽえ

めでてえ


よろ

よろ


しく

しく


????

????


者んセ う

はんじょう


大 当 り\/

おおあたりおおあたり


せ う

しょう


だん

だん


\/

しょうだん


「せんやくと

 せんやくと


ねりやくと

ねりやくと



P5

?と

?と


あんまで

あんまで


やろ\/と

やろやろと


(大意)

何が何だかわからないので、省略します。

(補足)

 わからないながらも、どこかにヒントがあって、そこからなんとかこの絵の場面がわかることがおおいのですが、これはお手上げでした。

「せんやく」は仙薬、「ねりやく」(ここでは「や」が「ゆ」になっていますが)は練薬、でしょうか。


 

2022年12月20日火曜日

猫の狂言津くし(沢久次郎) その3

P2P3 国立国会図書館蔵

(読み)

P2

なし

P3「義経千本桜」狐忠信(源九郎狐)

「さてハ

 さては


そ奈多ハ

そなたは


きつ年

きつね


じや

じゃ



「や満

 やま


との

との


く尓

くに



げん


九郎

くろう


きつ

きつ


ねで

ねで


こざり

ござり


ます

ます


(大意)

「さてはそなたは狐じゃな

「大和の国の源九郎狐でございます


(補足)

「源九郎」の「九」は「太」にもみえますけど、はなしの筋から「九」。

「きつ年」、変体仮名「年」(ね)は丸に右横に棒がついています。

古文書などでは◯にヽで「Q」のようなかたちです。下段では平仮名で「きつね」になってます。

江戸時代の歌川豊国がこの場面の浮世絵を描いていて、この絵はそれを真似ているようにみえます。

 P2の縁側というか舞台が丁寧に描かれています。手すりの隙間ごしの着物の裾部分も手を抜くことなくきちんと描かれています。

 

2022年12月19日月曜日

猫の狂言津くし(沢久次郎) その2

P1 国立国会図書館蔵

(読み)歌舞伎の芦屋道満大内鑑~葛の葉

くづの者の子王可れ

くづのはのこわかれ


尓やんとくちもじハ

ニャンとくちもじは


?満???子

??????


恋 しくハ

こいしくは


尋 袮来

たずねき



ミよ

みよ


(大意)


(補足)

 歌舞伎の芦屋道満大内鑑~葛の葉(アシヤドウマンオオウチカガミ~クズノハ)。

狐が化けていたとしられてしまった葛の葉が障子に一首書き残し家を去ろうとしたとき、それに気づいた子ども(後の安倍晴明)が起きてきてすがりつきました。わが子を両手で抱きしめ、筆をくわえて書く場面です。

「子」が「予」のようにみえます。「子王可」れを判読するのに手間取りました。

障子のくずし字はさっぱりで、葛の葉のあらすじを調べてようやくわかりました。

「恋しくばたずねきてみよ いずみなる信田の森の うらみ葛の葉」。

はなしの内容を知ると、子猫を膝に抱え両手がふさがり、くちもじで書く母親に涙をさそわれてしまいます。

「?満???子」、読めません。

 

2022年12月18日日曜日

猫の狂言津くし(沢久次郎) その1

表紙 国立国会図書館蔵

見返し

(読み)

表紙

猫 ?狂  言 津くし

ねこのきょうげんつくし


見返し

東京圖書館印 TOKIO LIBRARY  明治二0・七・二五・内交


(大意)

(補足)

 前回佐藤新太郎版「猫の狂言づ具し」に続いて同名の豆本です。こちらは1,2年後に出版されていますので、佐藤新太郎版をほとんどパクっています。というか豆本の出版はパクリの連続で、ものによっては江戸後期に出版された豆本が見返しもほとんど同じで復刻版と間違えそうなものがどうどうと御届け出版されています。

「の」が不鮮明でわかりません。「の」の変体仮名は「能」「乃」「農」「野」などがありますが、どれもちょっとちがうような・・・

 豆本の表紙はたいてい役者二人の錦絵が定番なのですが、この表紙はめずらしく本文中の絵のようになっています。義経千本桜狐忠信の一場面でしょうか。満開の桜と幹が背景になっています。

 見返しは朱丸印のみ、とても鮮明なのもめずらしい。

 

2022年12月17日土曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その11

奥付 国立国会図書館蔵

(読み)

明治十八年六月一日

編輯

画工兼出板人

定價壹銭五厘

東京日本橋區

馬喰町二町目七番地

佐藤新太郎


(大意)

(補足)

 非常に鮮明な文字なので、刷り上がったばかりの初刷を提出したもののようです。本文の絵も鮮やかで当時の技術の高さがわかります。

 裏表紙はよくみられる縞柄です。

もしかしたら弟子が直線彫りの練習のためにしたものをそのまま使ったのかもしれません、そんなことないか・・・

 

2022年12月16日金曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その10

P12 国立国会図書館蔵

(読み)加賀見山

「志゛びようの

 じ びょうの


志やく尓

しゃくに


このま多ゝび

このまたたび


「こども

 こども


にやあ

にゃぁ


尓くら志い

にくらしい


(大意)

「持病の癪(しゃく)には

このマタタビを

「こどもには

にくらしい


(補足)

 加賀見山の有名な場面、岩藤が自分が履いていた草履で尾上を散々に殴る、ところです。

岩藤の背景の金泥が岩藤を中心に円状になってますが、意識的にしたのでしょうか?

尾上の着物柄が茶色ぶちの子猫のようにもみえます。

岩藤の言葉はよいとして、尾上の「尓くら志い」がわかりません。子どもにはもったいないか?

 

2022年12月15日木曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その9

P10P11 国立国会図書館蔵

(読み)義経千本桜狐忠信

P10

者つ

はつ


尓や

にゃ


おやの

おやの


つゞミ

つづみ


つ可ハ春

つかわす


うへハ

うえは


P11

「このつゞみを

 このつづみを


い多ゞくうへハ

いただくうえは


いくさのとき尓

いくさのときに


志本うを

しほうを


尓やもり

にゃもり


(大意)

初音(はつニャ)

親のつづみをつかわす上は

「このつづみをいただく上は

戦のときに

四方を守り(ニャもり)


(補足)

 鼓を与えようとしているのが静御前。御前につかえるのが狐忠信で狐が化けています。その狐忠信の父母は捕らえられて鼓の皮にされてしまいました。その鼓が初音の鼓です。

 狐忠信の猫のかしこまっている丸まり具合がちょっとユーモラスです。縁側の黒と金の手すりが見事ですけど他のところも丁寧に描きこんでいます。

 

2022年12月14日水曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その8

P8P9 国立国会図書館蔵

(読み)熊谷陣屋

P8

かくもふ春

かくもうす


それ可゛しハ

それが しは


む尓やしの

むにゃしの


く尓やの

くにゃの


志゛う

じゅう


尓ん

にん


P9

くま尓やこの

くまにゃこの


くろねこ

くろねこ


にやぞ△

にゃぞ


△ざ?年

 ざ?ね


奈り

なり


しよバ

しよば


王連る

われる


(大意)

かく申すそれがしは

武蔵の国の

住人

熊谷の

黒猫だぞ

???

呼ばわれる


(補足)

 P9△のあと「ざ?年奈りし」がわかりません。「ざ年」なら熊谷直実の「ざね」ですけど、「なお」がみあたりません。さて?

 左上白幕の柄は源氏の鳩にみえます。

 

2022年12月13日火曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その7

P6P7 国立国会図書館蔵

(読み)義経千本桜道行

可つ

かつ


うをゝ

お を


ひき

ひき


うけ多

うけた


P7

「このくろぶち

 このくろぶち


と連る奈ら

とれるなら


とつてミろ

とってみろ


「尓やんと

 にゃんと


きひ多り

きいたり


さくらまる

さくらまる


(大意)

カツオを引き受けた

「このくろぶち、

とれるなら

とってみろ

「ニャンときいたり

桜丸


(補足)

「可つうを」は猫の好物、鰹(カツオ)であっているのでしょうか。違っていたら大笑い・・・

言葉の掛け合いのがよく理解できません。歌舞伎に詳しかったらピンとくるのかもしれませんが。

 

2022年12月12日月曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その6 

P4P5 国立国会図書館蔵

(読み)鳴神

P4

「ぶち尓ぞ

 ぶちにぞ


ぶち

ぶち


ぬ連

ぬれ


つ者゛め

つばめ


きやう

きょう


まちの

まちの


P5

めねこ

めねこ


可よひ

かよい


くるハの

くるわの


おゝ

おお


もんを

もんを


尓やう\/

にゃあにゃあ


おふ多り

おふたり


ま多志やんせい奈ア

またしゃんせいなぁ


(大意)

「ぶち(ねこ)だからってぇ

しっぽり濡れつばめってぇわけかぁ


京町のめ猫にかよい来るは(郭)の

大門を


にゃぁにゃぁ

お二人

またしておくんなさいなぁ


(補足)

 左端、竜が滝のぼりをしているようなのが、鳴神のはなしに出てくる、池に封印されていた呪術をがとけ、竜神空にかけのぼるやいなや、一天にわかにかき曇り、大雨となる、水神様でしょうか。

 大意は適当です。

「ぶち尓ぞ」、「尓」と「ぞ」のあいだに、「ハ」があるようにみえますけど、よくわかりません。

 左の雲の絶間姫(くものたえまひめ)に色仕掛けにしてやられた中央の鳴神上人(なるかみしょうにん)の呪術がとかれてしまい、怒って斬りかかる場面のようです。なかなかにぎやかな絵になっています。

 

2022年12月11日日曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その5

P3 国立国会図書館蔵

P2P3

(読み)

尓やへ

にゃえ


もんどの

もんどの


あハびるけへ

あはびるけへ


い多ゝ起ますべゝ

いただきますべえ


(大意)

にゃ右衛門殿

????家へ

いただきましょう。


(補足)

「あハびるけへ」が?「る」ではなく「奈」ならば、朝比奈家にその子(猫)をもらいましょう、という解釈?よくわかりません。

 左の家臣の袴の柄が目を引きます。何を意匠にしたものでしょうか?

背景の壁は金箔貼りのような感じ、天井は青白の格子柄でどちらも手がこんでいます。

 

2022年12月10日土曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その4

P2 国立国会図書館蔵

P2P3

(読み)曽我物

「おやねこ

 おやねこ


奈くとも

なくとも


こハ

こは


そ多つ

そだつ


か尓やう

かにゃ


らずそゝう

らずそそう


の奈い

おない


よう尓

ように


(大意)

「親猫なくとも子は育つ

かにゃらず

そそうのないように


(補足)

 それぞれの場面が何の狂言なのかサッパリです。「幕末明治の豆本総解説加藤康子」という本があって、そこの解説から引用させてもらっています。

 隅から隅までいやらしくあら捜しをしましたが、手抜きなど一切なく実に丁寧な仕事をしています。色ずれはなし。青紫の羽織の紐の結びも細かく描いています。3人(匹)の構図もきまっています。

 

2022年12月9日金曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その3

P1 国立国会図書館蔵

(読み)

P1口上

「きやうげん

 きょうげん


尓やう多゛い

にゃ だ い


ま多たび

またたび


とう

とう


志゛やう

じ ょう


さよう

さよう


ちよん

ちょん


\/ \/

ちょんちょん


(大意)

「狂言名題(なだい)

股旅登場

左様

チョンチョンチョン


(補足)

 まずは狂言で上演される題名の口上です。マタタビは猫をデレンデレンにしてしまいますが、ここでは股旅ものをやるということでしょうか。それではと拍子木がなります。

「名題」(なだい)は猫風に「にゃ」で、当時の表現では「尓やう」とひっかけたのか。

舞台の客席側に小さな出っ張りがふたつあります。蝋燭台でしょうか。

左下隅に洒落た西洋ハット(パナマ帽子)をかぶったお客さんがいます。この当時のはやりだったのかもしれません。

舞台背景の白抜き文字がわかりません。なんでしょう?

 

2022年12月8日木曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その2

見返し 国立国会図書館蔵

(読み)

明治十九年十二月十四日内務省交付1951

東京圖書館印 TOKIO LIBRARY

(大意)

(補足)

 色は四色、水彩のタッチです。見返しの絵は不思議です。ひと目見て、はなしの内容とかかわっているな、とおもうものは少なくて、どこか超然とした雰囲気のものが多いです。わたしはそんな見返しのファンです。見返しだけを集めた一冊を作って、Blogにアップしたい。

 この絵もなんかつかみどころなさが妙。赤い雲のように見えるのは、神社の軒に飾りで付いているなんていう部材であるかは忘れましたが、それっぽい。そして鈴、これは賽銭箱の上にあるのが落ちてしまったのか。まぁそれじゃ、縁起でもないから違うでしょうけど。

 

2022年12月7日水曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎)その1

表紙 国立国会図書館蔵

(読み)

猫 の狂  言 づ具し

ねこのきょうげんづくし


(大意)

(補足)

 国立国会図書館デジタルアーカイブには猫の芝居・狂言ものでは「猫の芝居」(明治18年堤吉兵衛版と明治20年版、明治21年版)、「猫の狂言づくし」(明治18年佐藤新太郎版、明治20年沢久次郎版)「猫のしばい」(明治21年小森宗次郎版)がありダウンロードできます。このBlogでもすでにいくつかアップしていて、まだのものはこれからアップする予定です。

 変体仮名「具」(く)はあまり使われることがないような感じですけど、かたちから読むことは難しくなさそう。

 表紙は豆本の命ですからもっとしっかりしてなければなりませんが、上辺がかすれて傷んでいるのは持ち主が愛用したためか、しかし摺りもどこかモワーっとして力強さにかけます。しかし本文のほうの絵もにたような摺りあがりで、このような仕上がりで販売されたのかもしれません。

 

2022年12月6日火曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その14

奥付 国立国会図書館蔵

(読み)

定價壹銭

御届明治十八年四月廿日 吉川町五バンチ

編輯出板人 堤吉兵衛

(大意)

(補足)

 この豆本は現在使用している平仮名とそれに対応する変体仮名が半々ぐらいの割合で使われているのが目立ちました。同時代頃の豆本では平仮名が出てくるのはまれで、変体仮名一辺倒というものも多くあります。物語の書き手が何人かいるのではと考えます。

 以前にもこのBlogで紹介しましたが、変体仮名について考察した本に

『「変体仮名とその覚え方」板倉聖宣著 仮説社 ¥1600』があります。

 そのP124に以下のような部分があります。

『9.文部省は明治33年にいったん変体仮名の教育を廃止したが、・・・

明治33年、文部省は、小学校令施行規則を定めて小学校での変体仮名の教育を廃止したが、そのとき「棒引き仮名遣」をも定めたこともあって、猛烈な反対運動が起きて、明治41年に変体仮名の教育を復活した。そこで、第二期の国定国語読本には二十六種の変体仮名を教えるようになった。小学校の教科書から変体仮名が完全に姿を消すには、大正11年以後のこと。』

 この豆本の御届は明治十八年ですから、まだまだ変体仮名が主流の時代であろうとおもわれます。その中にあって、平仮名が半分以上使われているということは、かなり意識して変体仮名を使わないで平仮名で記すということを徹底しているようにみえます。

 編輯出板人の堤吉兵衛が、ある書き手には今まで通りに書いてくれと頼み、またある書き手には悪いけどさぁ、平仮名を半分以上入れて書いてくんないかなぁとお願いしていたとも考えられます。

 いずれの経緯にしても、変体仮名を覚えないことにはその当時の手紙・読本・絵本などを読むことができませんから、コツコツ学ぶしかないようです。

 

2022年12月5日月曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その13

P10 国立国会図書館蔵

(読み)

きておもての

きておもての


か多ににけ

かたににげ


いた春

いたす


おいりく

をいりく


ち尓まち

ちにまち


もふけな

もうけな


るう春ハ

るうすは


たゝひとおしに

ただひとおしに


さるをおしつぶしかにの

さるをおしつぶしかにの


か多

かた



うち个るこ

うちけるこ


そめて

そめで


たし

たし


\/\/

めでたしめでたし


\/\/

めでたしめでたし


(大意)

(驚)いておもての方へ

逃げようとするのを

入り口で待ち伏せしていたうすは

ただのひと押しで

さるを押しつぶし

かにのかたきをうちとることができ

めでたいことでした。

めでたしめでたし

めでたしめでたし


(補足)

「にけいた春おいりくち尓」、「お」は「を」でしょう。ほかの部分ではちゃんと使い分けているのにここだけ「お」になっています。

 さるの左手が足になっているようにみえるのは、上から押さえつけているうすの左足。でも右足は白足袋を履いているのにこっちは裸足。さるの左手はねじ上げられてうすのからだの下になっていそう。さるの左足は端っこにみえています。

 うすの頭のかたちや表情はこのような雰囲気の人(渥美清さん)はいますから親しみがわきます。

 表紙とおなじ構図になっています。

 

2022年12月4日日曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その12

P9 国立国会図書館蔵

P8P9

(読み)

てい

でい


久か

くか


にの

にの


か多き可く

かたきかく


こし

ごし


ろとよハ

ろとよば


わりし

わりし


尓さるハ

にさるは


おとろ

おどろ


(大意)

(翔ん)でゆき

「かにのかたき覚悟しろ」と叫ぶと

さるは驚いて


(補足)

「てい久」、変体仮名「久」(く)と変体仮名「天」(て)はほとんど同じかたちで、ここの変体仮名はどちらかというと「天」のほうに近いとおもうのですが、文の流れからは「久」としました。

濁点がないところ「可くこしろ」「よハわり」「おとろ(き)」がありますが、当時は普通のようでした。

 はちと同様たまごは赤いたすき掛けをして背中にある結び目までしっかり描かれています。膝をかかえて跳ね出した感じがよく出ています。驚いてさるの足元が丸見えになっています。しかし何か描いてあるのですが拡大してもよくわかりません。

 

2022年12月3日土曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その11

P8 国立国会図書館蔵

P8P9

(読み)

さるハお

さるはお


どろきゑんかわ

どろきえんがわ


へにげい多春を

へにげいたすを


たまこ

たまご


わをい可

はおいか


けし尓者

けしには


ちハまち

ちはまち


もふけたるこ

もうけたるこ


となれハやり

となればやり




つて

つて


とん

とん


(大意)

さるは驚き、縁側へ逃げてゆくのを

たまごは追いかけ

はちは待ち伏せていて

槍を持って

翔ん(でゆき)


(補足)

「たまこわをい可けし尓」、悩みました。「わ」は「や」の間違いではないかと考え「矢をい可けし尓」(矢を射る)と無理やり読もうとしましたが、たまごは弓矢をもってないので違うかと。「わ」は「は」とすれば、大意のように解釈できます。このような使い方はママあることなのでこれでよいかとおもいます。

 はちのたすき掛けにした背中の結び目が丁寧です。縁側の板も一枚一枚濃淡をつけてそれらしくしてあります。

 

2022年12月2日金曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その10

P7 国立国会図書館蔵

P6P7

(読み)



りしに

りしに


かにのおらさる

かにのおらざる


をさいわいいろり

をさいわいいろり


尓ひをおこし

にひをおこし


あたりい多る

あたりいたる


尓ひのうちよ

にひのうちよ


りたまこハかにのか多きと与

りたまごはかにのかたきとよ


者゛わりてさる尓者ねつきしに

ば わりてさるにはねつきしに


(大意)

やって来て

かにがいないのをよいことに

囲炉裏に火をおこし

あたっていると

火の中より、たまごが

「かにのかたき」と叫びながら

さるにとびつきました。


(補足)

 文章に難しいところはありません。

蜂は頭部分がすべて赤で塗りつぶされてしまっていて、輪郭などはっきりしません。拡大してみるとちゃんと下絵は描かれているので、色を付けて刷り上げる摺師がちょっと手を抜いたのかもしれません。蜂なので武器はやはり槍。

 臼は体全体に力強さがあふれています。でも刀を左手に持っているのは、床においてあった刀を取り上げようと持ち上げたところでしょうか。左利きで有名なのは新選組の斎藤一くらい。

 見開き頁の絵の構成や色の配置もよく鮮やかでキレがあります。

 

2022年12月1日木曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その9

P6 国立国会図書館蔵

P6P7

(読み)

さるのきたるをまつ本

さるのきたるをまつほ


ど尓さるハかきのあじ

どにさるはかきのあじ


わ春可゛多く

わすが たく


のこりの

のこりの


可きを

かきを


くら

くら


わんと

わんと


可にの

かにの


いへに

いえに


(大意)

さるが来るのを待っているうちに

さるは柿の味を忘れがたく

残りの柿を食おうと

かにの家に


(補足)

「わ春可゛多く」、文章の流れからこの部分の意味は「柿の味を忘れることができないで」というのはわかります。「可゛多く」が悩みました。「わ春れ」と「れ」が入っていればすぐに読めたでしょうけど、変体仮名「多」(た)がながれてしまったかたちなのでなかなかわかりませんでした。

この豆本では、変体仮名「多」(た)、変体仮名「可」(か)、変体仮名「尓」(に)などとその平仮名が両方同じくらいに使われているのが、目立ちます。

 たまごの立ち姿は歌舞伎のそれと同じです。足がなぜか目立ってたくましく足指一本一本がしっかり地面をつかんで力強い。両手に持っている紫の帯のようなものはこれから出張るのでたすきをかけようとしているのか、はちまきをまこうとしているのか、さて?

 

2022年11月30日水曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その8

P4P5 国立国会図書館蔵

(読み)

P4

[下 ゟ ]

 したより


この

この


よしを

よしを


きゝ

きき


とも尓

ともに

P5

かにの可多

かにのかた


きをとらん

きをとらん


とそうだ

とそうだ


んなし

んなし


个る

ける


(大意)

ことの事情をきき、

ともにかにのかたきをとろうと

相談しました。


(補足)

P4P5見開きの上段部分になります。

「下ゟ」、「ゟ」は「より」二文字を一文字に合体させたもので合字といいます。この合字はフォントがありましたが、ない合字もたくさんあります。

「よしを」、「よし」は「理由」の「由」。

「とも尓」、「とらん」、「と」が「Z」の真ん中に「ヽ」が入ったような文字に見えます。

 たまごは子どもたちには格好のいたずら書き筆頭だったことは間違いありません。この豆本は大変に状態がよく、書店に並ばずにできたてを即、圖書館に収蔵されたものなのでしょう。

 

2022年11月29日火曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その7

P5 国立国会図書館蔵

P4P5

(読み)

あとへたまこき多り

あとへたまごきたり


てかにをた春けこと

てかにをたすけこと


のし多゛いをきゝて

のしだ いをききて


いる

いる


ところへ

ところへ


者ちう

はちう


春もき

すもき


たりて

たりて


[上へ]

 うえへ


(大意)

そののち、たまごが来てかにを助け

ことの次第をきいているところへ

はちとうすもやって来て


(補足)

 文章は細身の彫りで読みやすい。下段文末四角の中は「上へ」とあります。

 かには逃げ去るさるを指さし、手ぬぐいで涙をぬぐっています。このかには潮もふくし涙もながすようです。

 かにの姿を頭から足先まで細かく拡大してみると、とてもよく描けていることがわかります。着物の青と白の市松模様の色を置くのも細かい仕事です。

 地面の薄い肌色、背景の小山の辛子色、ところどころに草地の薄緑、空は赤と色の配置もなかなかであります。

 

2022年11月28日月曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その6

P4 国立国会図書館蔵

P4P5

(読み)

りてやべしとて

りてやべしとて


きのうへ尓てひ

きのうえにてひ


とりくらいゐ多る尓

とりくらいいたるに


かにハ志多尓てこへ可

かにはしたにてこえか


けしるさるハい可り

けしるさるはいかり


て志

てし


ぶ可き

びかき


を可に

をかに


尓本うりつけきづを

にほうりつけきずを


おわしてにけさり个る

おわしてにげさりける


(大意)

(「おれが登って)とってやろう」と

木の上でひとり柿を食って、

かには下から(わたしにもと)声をかけるだけでありました。

さるは怒って、渋柿をかにに放り投げて

怪我をさせ逃げ去ってゆきました。


(補足)

 文章はP4下段からP5下段へつづき、P4上段にもどってP5上段となります。

「やべし」、「やるべし」でしょうけど「る」がない言い方もあるのかまちがいなのかは?です。

「こへ可けしる」、大意のように解釈しましたが、「こ」を「と」としても意味は通じるので、さて?

 絵はたまごが下駄をはき威勢よくかたきをとってやろうじゃねぇかと腕まくりしているところ。たまごは簡単に割れてしまうのでちっとも強そうには見えないのですが、他の豆本などでは囲炉裏に隠れて爆弾のように破裂するので強いというより自爆です。


 

2022年11月27日日曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その5

P3 国立国会図書館蔵

P2P3

(読み)

もと尓

もとに


い多りたのしミて

いたりたのしみて


ゐ多るところへ

いたるところへ


さるま

さるま


いり

いり


ま与

まよ


う尓あ可るミ

うにあかるみ


てもなぜと

てもなぜと


らざるといゝ个れバわれハ木への本゛

らざるといいければわれはきへのぼ


れ春゛由へ尓とら春゛といへバさるハわれの本゛りてと

れず ゆえにとらず といえばさるはわれのぼ りてと


(大意)

(木の)したにたたずみ、楽しんで

いたところへ、さるがやってきました。

「こんなに赤くなっているのになぜとらないのか」と

言うので

「わたしは木へ登ることができないのでとれないのです」

と言うと、さるは

「おれが登って(とってやろう)」


(補足)

「まよう尓」は「かよう尓」のまちがいでしょうか。

文章の文字がまるで細い筆で直にかいたようで、彫ったようにはみえません。それにとても鮮明です。

 かに男の腹ばいになっている具合が、着物の縦縞の曲線で上手に表現されています。

 

2022年11月26日土曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その4

P2 国立国会図書館蔵

P2P3

(読み)

てい多る可゛ひ

ていたるが ひ


ましに□

ましに


□ゑ多゛者志

 えだ はし


げり多く

げりたく


さん尓

さんに


可き☓

かき


☓な

 な


るを

るを


きの

きの


(大意)

(楽しん)でいましたが

日増しに、枝が茂りたくさんの柿がなるのを

木の(したに)


(補足)

 右下の文章からはじまり上段へ続きます。

柿の実が花のようにみえて、花札にしたくなるような構図です。猿の着物の黄色の縦縞が色合いとしてはわずかですが、全体を締めています。

「ゑ多゛者志」、パッとみ、初見ではて?と悩みます。

「ひましに」「多くさん尓」、平仮名「に」の出番も多くなってます。この変体仮名「尓」は英語筆記体小文字「y」とほとんど同じかたち。

 

2022年11月25日金曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その3

P1後半 国立国会図書館蔵

(読み)

▲可へけ

 かえけ


る可に

るかに



可き

かき


のた

のた


ねをもち

ねをもち


わ可゛やへ

わが やへ


可へりに

かえりに


わへうへ

わへうえ


多のしミ

たのしみ


(大意)

(むすびととり)かえました。

かには柿の種をわが家へもちかえり、

庭に植え、楽しん(でいましたが)


(補足)

 今に始まったことではありませんが、句読点もまだ整備されていない時代で、文章の切れ目がどこなのかと、読めない字を読みながら、区切りを探していくのはなかなか大変です。

 それにしてもでかい白飯のむすびです。