P7_2 同志社大学デジタルコレクション所蔵
(読み)
◯王ら人形(尓んぎやう)手(て)の
わら にんぎょう て の
ひらに多つ傳
ひらにたつでん
人(尓ん)ぎやうのあしの奈可へ者りを
にん ぎょうのあしのなかへはりを
まげさしおきてつ可へバ多つ
まげさしおきてつかえばたつ
なり
なり
(大意)
略
(補足)
わずか4、5行ですが、変体仮名の学習をしてないと、最初の「己」でつまずいてしまいます。
P7_2 同志社大学デジタルコレクション所蔵
(読み)
◯王ら人形(尓んぎやう)手(て)の
わら にんぎょう て の
ひらに多つ傳
ひらにたつでん
人(尓ん)ぎやうのあしの奈可へ者りを
にん ぎょうのあしのなかへはりを
まげさしおきてつ可へバ多つ
まげさしおきてつかえばたつ
なり
なり
(大意)
略
(補足)
わずか4、5行ですが、変体仮名の学習をしてないと、最初の「己」でつまずいてしまいます。
P7_1 同志社大学デジタルコレクション所蔵
(読み)
◯蝋燭(らうそく)中天(ち うてん)尓つるす傳
ろうそく ちゅうてん につるすでん
らう楚く中(ち う)につる尓ハ志ら可゛
ろうそく ちゅう につるにはしらが
者り可゛年ち うへ横(よこ)尓引(ひき)そ連へ
はりが ねちゅうへ よこ に ひき それへ
よこ尓き連こますべし上 下
よこにきれこますべしじょうげ
を者らひミせる可゛よし
をはらいみせるが よし
(大意)
◯蝋燭を空中につるす方法
蝋燭を空中に吊るすには、白髪針金を空中に横に張っておき、それに
蝋燭を横に切れ込ませる。その上下
をはらって(種も仕掛けもないことを)見せることが肝心。
(補足)
「志ら可゛者り可゛年」、白髪(しらが)のように細くしなやかな針金。
昨日と同じ人物が手品の仕方を演じています。でも、着物が昨日は横縞、今日は縦縞、やはり気を使っているようです。
P6_2 同志社大学デジタルコレクション所蔵
(読み)
◯水 中 より火(ひ)を出す傳
すいちゅうより ひ をだすでん
どんぶり尓水 をつ起゛そのふち尓
どんぶりにみずをつぎ そのふちに
ろうにてせん可うをつけ火(ひ)を
ろうにてせんこうをつけ ひ を
つけおきかミの者し尓い王う
つけおきかみのはしにいおう
を付(つけ)せん可うの火を
を つけ せんこうのひを
うつすべし
うつすべし
(大意)
◯水中より火を出す方法
どんぶりに水をつぎ、そのふちに
線香を蝋で付け、火をつけておく。
紙の端に硫黄を塗っておき、
線香の火をうつす。
(補足)
マッチが一瞬で炎があがるのと同じで、水をはったどんぶりの中で、一瞬にして大きな炎が立ち上がるという手品というか芸のようです。
手品は一瞬芸が多いですが、これもそのようです。水芸でもやりそう。
P6_1 同志社大学デジタルコレクション所蔵
(読み)
◯子持(こもち)達磨(多゛るま)の傳
こもち だ るま のでん
むそうそこぬけ者゛こ尓入 とり
むそうそこぬけば こにいれとり
い多゛しか春゛の子多゛るまをとり
いだ しかず のこだ るまをとり
出しミせるなり
だしみせるなり
多゛るまのうしろ尓あ奈をあけ子
だ るまのうしろにあなをあけこ
多゛るまをい連おくなり
だ るまをいれおくなり
(大意)
◯子持ち達磨の方法
仕掛けをほどこした箱に入れ取り出し、
たくさんの子だるまを取り出して見せるものである。
だるまのうしろに穴をあけ、
子だるまをいれておく。
(補足)
「子持ち達磨 江戸時代」で検索したAIによる概要では、
『「子持ち達磨(こもちだるま)」は、江戸時代から伝わる日本の伝統的な手品(和妻・奇術)の演目の一つです。
子持ち達磨の概要
• 歴史: 江戸時代の元禄期頃から盛んになった手品・奇術の古典演目として記録されています。
• 内容: 大きな達磨(のだるま)の中から、次々と小さないくつもの子どもの達磨が出現する(または入れ子構造を活かした)仕掛けや手順を行う演目です。』
とありました。
「むそう」も「手品 むそう箱 むそう底」で調べたAIの概要によると、
『主に道具の底面や構造に仕掛けを施した日本の伝統的な手品道具(和妻・古典奇術)の技法・仕組みを指します。漢字では「無双箱」「無双底」と書かれることが一般的です。「無双(表裏がない、二つとない)」という名の通り、観客に底を見せても怪しいところがないように巧妙に作られています』。
「か春゛の子多゛るま」、『かず【数】
③ 数量の多いこと。古語では多く「かずの」の形で使われる。「―をこなす」「―ある作品中の名作」「今我等―の仏を見奉りつ」〈栄花物語•鳥の舞〉』。
この手品は種も仕掛けも観客はわかっていて、手品師の芸を楽しむのでしょうけど、そのことは手品師にも十分わかっているので、親達磨から次々と子達磨を出してゆくのですが、その数がどうやったらこの親達磨の中に入っているのかと思わせるほどで、観客は驚くという手品なのではないかとおもいます。その方法はさすがにこの本でも内緒となっています。
P5_2 同志社大学デジタルコレクション所蔵
(読み)
◯茶(ちや)王ん水 上(あげ)の傳
ちゃ わんみず あげ のでん
磁器(ちや王ん)のそこ尓あ奈をあけて図(づ)の
ちゃわん のそこにあなをあけて ず の
ごとくミつぶくろより水 をかよ王
ごとくみずぶくろよりみずをかよわ
春るなり水 を出す尓ハ
するなりみずをだすには
袋(ふくろ)を足(あし)尓てふむべし
ふくろ を あし にてふむべし
ふくろハふぐの可ハ可゛
ふくろはふぐのかわが
よし
よい
(大意)
◯茶碗水上げの方法
茶碗の底に穴をあけて図のように、水袋より水を通すようにする。
水を出すには袋を足で踏む。袋はフグの皮がよろしい。
(補足)
「磁器(ちや王ん)」、「磁」のくずし字はなんとなく「磁」とわかりました。「器」のほうは「磁」ときたら、瀬戸物でその後に続く漢字の筆頭は「器」ですから、それをくずし字辞典で調べると、🎯。
フグの皮を布のようにして巾着袋みたいにこしらえたのでしょうね。
P5_1 同志社大学デジタルコレクション所蔵
(読み)
◯水 の上 尓文字を浮 す傳
もじ う可
みずのうえにもじをうかすでん
白 さゝ起゛越こま可尓して
志ろ
しろささぎ をこまかにして
明 者゛ん春こし入 かミをぬらし
め う
みょうば んすこしいれかみをぬらし
右 能くすりを
ミき
みぎのくすりを
ぬりうへ尓
ぬりうえに
文字を書
もじ 可き
もじをかき
古連を水 の
これをみずの
奈可へ入 紙 を
可ミ
なかへいれかみを
也うじ尓て
ようじにて
志多へぬきとるべし
したへぬきとるべし
(大意)
◯水の上に文字を浮かす方法
白ささぎを細かくして、明礬を少し入れる。紙をぬらし右の薬を塗り、上に文字を書き、
これを水の中へ入れる。紙を楊枝で下へ抜き取る。
(補足)
「白さゝ起゛」、『白ささぎ(白いんげん豆の一種や白ささげ)は、クセが少なく、ほくほくした食感が特徴の白い豆です。煮豆、白あん、サラダ、洋風の煮込み料理など幅広く使われる』。
「ゝ」「可」「う」など形が似てます。前後の流れから判断するしかありません。
「書」のくずし字はよくでてきて、形もいろいろ。ここのは「少」+「ム」を合体させたような形。
「也うじ」、変体仮名「也」(や)だとおもいます。
種明かしに従っての結果が茶碗の中に「天照大神」(あまてらすおおかみ/てんしょうだいじん)という文字を浮かべています。絵はなんとも稚拙です。弟子に描かせたのでしょうかね。
ささげも明礬(みょうばん)も簡単に安く手に入るので、やってみよう。とおもったのですが、「水の上に文字を浮かべる」で検索すると、ホワイトボードマーカー(百均)を使っておなじことをやっている科学実験のYouTubeがありました。面白いですよ♫
P3P4 同志社大学デジタルコレクション所蔵
(読み)
P3
楳 亭
ばいてい
時 那らぬ
とき
ときならぬ
花 越座敷
者奈 ざしき
はなをざしき
尓
に
左可世
さかせ
P4
希理
けり
面白
おもしろ
おもしろ
多へ
たへ
尓
に
雪 越
ゆきを
婦ら
ふら
せ天
せて
(大意)
略
(補足)
「左可世希理」、この変体仮名をスラスラッと読めたら、初心者脱出です。また変体仮名「左」と変体仮名「世」の違いがよくわかります。
少々長くなりますが、この和歌をGoogleで検索したAIによる概要です。
①和歌だけの場合
この和歌(または連歌・俳諧の連)は、冬の座敷の中で、まるで時季外れの美しい花を咲かせたかのように見事に雪が降る様子を(あるいは白布などを花に見立てて)面白く表現した優雅な一首です。
これは江戸時代初期の著名な文化人・文人である本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)、あるいはその周辺の風流人が、座敷での連歌や茶の湯などの遊び(あるいは特定の趣向)において詠んだもの、もしくはその情景を描いたものと考えられます。
【歌の解釈と見どころ】
• 時ならぬ花を座敷に咲かせけり
・「時ならぬ花」とは、季節外れに咲く花のことです。ここでは、外に降る「雪」を美しい「白い花」に見立てています。あるいは、座敷の中に白布や紙吹雪などを散らして雪を演出した、室内での風流な「見立て」の遊びを指しているとも解釈できます。
• 面白たへに雪を降らせて
・「面白(おもしろ)たへに」の「たへ(妙・妙に)」は、非常に趣深く、素晴らしいという意味です。しんしんと、あるいは見事に降る雪の風情を「なんと素晴らしいことか」と深く賞賛しています。
【背景にある文化】
当時(安土桃山時代〜江戸初期)の風流人たちは、実際の自然を愛でるだけでなく、座敷という限られた空間の中に自然の美(雪・月・花)をいかに取り込むかという趣向を凝らしました。
• 庭に降る雪を座敷から眺めながら、それを「花」に見立てて座を盛り上げる。
• あるいは、茶会や連歌の席で、主人が客人を喜ばせるために特別な演出(見立て)を行った。
まさに、当時の「数寄(すき)」の精神や、遊び心が詰まった非常に粋で美しい表現です。
②手品独稽古+和歌の場合
この粋な短歌は、江戸時代の代表的な手品書(奇術書)である『手品独稽古(てじなひとりげいこ)』の一節、あるいはその世界観を詠んだものですね。
「部屋の中に季節外れの桜を咲かせ、見事な趣向で雪を降らせてみせよう」という意味になり、当時の手品(奇術)が単なるトリックの披露にとどまらず、風流で幻想的なエンターテインメントとして楽しまれていた様子が鮮やかに伝わってきます。
江戸時代、18世紀後半から19世紀にかけては『手品独稽古』をはじめとする多くの手品解説書が出版され、庶民の間でちょっとした手品ブームが起こりました。
• 時ならぬ花を座敷に咲かせけり:紙から作った花を一瞬で出現させたり、枯れ木に花を咲かせるように見せる「紙変化(かみへんげ)」などの奇術を連想させます。
• 面白たへに雪を降らせて:現代でもお馴染みの、和紙を細かくちぎって扇子で仰ぎ、まるで吹雪のように見せる伝統奇術「和妻(わづま)」の「胡蝶の舞」や「紙吹雪」の演出を思わせます。
①②ともになかなか興味深い結果であります。
前回の「達磨に煙管をふかせる」とは違って、お客さんの注目を集めていて、手品師はちょっと得意げ。