序文 同志社大学デジタルコレクション所蔵
(読み)前半
腊 昔 ?老父左満可゛。枯 木尓花 越咲 世しより。世上
む可し\/ ぢゞ 可れき さ可
むかしむかし?ぢぢさまが かれきにはなをさかせしより せじょう
一 般 流 行 能
いつ者んり う可う
いっぱんりゅうこうの
手品 尓一寸 懐中 能紙 越捻 ツ天霍 と那し。雲 井遥 尓乗 阿る具
てじ奈 ちよつとふところ ひ年 つる くもゐ者る可 のり
てじなにちょっとふところのかみをひねってつるとなし くもいはるかにのりあるく
駒 を小 左奈瓢 可ら。小諸 ふし尓て引 出し能。徳 利ハ忽 地
こま ふくべ こもろ とくり 多ちまち
こまをちいさなふくべから こもろぶしにてひきだしの とくりはたちまち
傘 と。か者る盤
可ら可さ
からかさと かわるは
もの可ハ三 伏 能。夏 の朝 尓雪 越降ら世寒 サ尓堪へぬ冬 能日毛
さんぷく 奈つ あさ ゆき さむ 多
ものかわさんぷくの なつのあさにゆきをふらせさむさにたえぬふゆのひも
(大意)
むかし昔のこと、花咲爺様が花咲かせたときより、今は流行りの手品だが、ふところ紙をちょいとちぎって投げ出せば鶴となる。遥か彼方の大空を、小諸馬子唄節にして、小さな瓢箪(ひょうたん)から馬を出す。徳利たちまち傘となり、こりゃーびっくりだ。盛夏の朝に雪降らせ、寒さに震える冬の日も、
(補足)
出だしの一文字目「む可し」と振り仮名があります。調べるとこんな漢字「腊 」がありました。説明に『腊 (らく / しゃく):乾し肉の意味や声符として「昔」と通じる・関連する字』とあって、きっとこの漢字だとおもいます。
「腊昔」の次の文字が不明です。「に」の変体仮名を調べても該当するものは見つかりませんでした。
「老父左満可゛」、変体仮名「左」(さ)がこの文章で多用されています。その数文字下「咲世しより」の変体仮名「世」(せ)と形がそっくりです。ひらがなの「を」に近いほうが変体仮名「世」です。
「乗阿る具」、変体仮名「具」(く)もこの文章にたくさん使われています。普通は変体仮名「久」(く)です。
「三伏」、『さんぷく【三伏】初伏(夏至後の三度目の庚(かのえ)の日)・中伏(四度目の庚の日)・末伏(立秋後初めての庚の日)の総称。最も暑い時期。季夏「―の候」』。
読点「、」のような涙型「💧」の点が右側に何箇所もあります。音読すると節回しのような息継ぎのような講談師が調子をとるような感じで記しているみたい。大意もそんな感じにしてみました。












