2026年3月27日金曜日

日本山海名物圖繪巻之一 その14

P19 国文学研究資料館蔵

(読み)

釜 家の繪図

可まや

かまやのえず


銅 山 より本り多゛し多る者く石 をく多゛起床 にて焼 釜 にて

どうざんよりほりだ したるはくいしをくだ きとこにてやきがまにて


やく也◯毛ろこし尓てハ銅 を重  宝 と春ること漢 書 尓見多り

やくなりもろこしにてはどうをちょうほうとすることかんしょにみたり


律 歴 志尓いハく凡  律 度量  尓銅 を用 由る者 ハ其 物 多ゝ至精 尓

りつれきしにいわくおよそりつどりょうにどうをもちゆるものはそのものただしせいに


して燥 湿 寒 暑 の多め尓節 を変 せ春゛霜 露風 雨の多め尓形  を

してそうしつかんしょのためにふしをへんぜず そうろふううのためにかたちを


あら多め春゛とあり古れ尓よ川て唐 船 売 買 交 易 尓あ可ゞねを

あらためず とありこれによってとうせんばいばいこうえきにあかがねを


多川とむと見へ多り

たっとむとみえたり


くちずミ 焼 木 尓可゛満 焼 可満

くちずみ やきぎ にが ま やきがま

(大意)

(補足)

「漢書」「律暦志」、『『漢書』律暦志(りつれきし)は、前漢の歴史書『漢書』の志(専門分野別の書)の一つ』。

「律度量」、『度は長短,量は多少,衡は軽重』。

「尓可゛満」、変体仮名の「尓」、「丹」のどちらにもみえますし、「舟」のくずし字にもにています。う〜ん🤔・・・、変体仮名の尓にしておきましょう。しかしどうも気になるので目次を確かめてみると、答えは「舟(ふ奈)可ま」でした。

 天秤棒とセットの重りを分銅ともいいます。「銅」を使っているわけですけど、その理由がここで述べられています。

 

2026年3月26日木曜日

日本山海名物圖繪巻之一 その13

P17 国文学研究資料館蔵

(読み)

山  神 祭

やまのかみまつり


山 の神 ハ山 口 に所  をゑらびて社  を勧  請  春

                            やしろ く和んじやう

やまのかみはやまくちにところをえらびてやしろをか んじょうす


神 ハおの\/能願 ひ

かみはおのおののねがい


によりて定  り多ること奈しまつ里の日ハ京  大 坂 より芝 居見世物

によりてさだまりたることなしまつりのひはきょうおおさかよりしばいみせもの


奈どを取 よせいとに起゛や可にい者ひまつることなり近 邊 の

などをとりよせいとにぎ やかにいわいまつることなりきんぺん


在 \/村 \/より参 詣 の男 女 くんじ由春れ者゛物 う里諸 あきんど

ざいざいそんそんよりさんけいのだんじょくんじゅしれば ものうりしょあきんど


お保くあ川まりて其 にぎ者ひ諸 社 の大 神 事尓こと奈ら春゛

おおくあつまりてそのにぎわいしょしゃのおおしんじにことならず


神 前 尓て可奈らす神 事春まふ有 近 邊 のすまふ取 どもお保く

しんぜんにてかならずしんじすまうありきんぺんのすまうとりどもおおく


あ川まりて尓起゛や可なり祭  ハ九月 九  日奈り

あつまりてにぎ やかなりまつりはくがつここのかなり

(大意)

(補足)

「くんじ由」、『くんじゅ【群集・群衆】

(名)スル 〔「くん」は漢音。「くんじゅう」「ぐんじゅ」とも〕

人が群れをなして集まること。また,その人々。「人多く―したり」〈平家物語・2〉』

「春まふ」「すまふ」、『すま・う すまふ 【争ふ】

③ つかみあって争う。また,相撲をとる。「振離さんとて―・ひしかど」〈当世書生気質・逍遥〉』

 相撲取りのまわしの柄がことなっていておしゃれ。また当時のまわしはちいさな前掛けみたいな感じ(前垂れずっと小さくした?)でしめているのがわかります。さがりはありませんね。

 

2026年3月25日水曜日

日本山海名物圖繪巻之一 その12


P15 国文学研究資料館蔵

(読み)

銀 山 淘 汰 の繪

ぎんさん可ねゆり

ぎんざんかねゆりのえ


銀 山 の鉑 石 上 の繪尓あらハ春ごとく打 く多゛起て粉 と奈して

ぎんざんのはくいしうえのえにあらわすごとくうちくだ きてこなとなして


水 尓てゆる也 金 山 の板 由りのごとし但  銅 ハ水 ゆ里尓春ること奈く

みずにてゆるなりかなやまのいたゆりのごとしただしどうはみずゆりにすることなく


直 尓焼 釜 にてやく也 淘 汰 の仕やうハ半 切 桶 尓水 を汲 入

すぐにやきかまにてやくなりかねゆりのしようははんぎりおけにみずをすいいれ


可奈め鉑 を鉢 尓い連水 にて由れハ土石 ハ皆 半 切 桶 の水 尓おちて

かなめはくをはちにいれみずにてゆればどせきはみなはんきりおけのみずにおちて


銀 ハ鉢 の中 にのこるなりたいていハ金 山 の板 ゆりと同 じこと奈り

ぎんははちのなかにのこるなりたいていはかなやまのいたゆりとおなじことなり

(大意)

(補足)

 金山諸道具の頁に可ねゆり板はありましたが半切桶はありませんでした。きっと大きなタライがそうだとおもいます。

 働いている御婦人たちみな前帯になっています。


2026年3月24日火曜日

日本山海名物圖繪巻之一 その11

 

P13 国文学研究資料館蔵

(読み)

鉑 石 く多゛く繪

者くいし


山 より本り出し多る鉑 石 をもち出してうちく多゛く

          者くいし

やまよりほりだしたるはくいしをもちだしてうちくだ く


これを可奈めといふ故 尓その槌 を可奈めつちと云 也

         由へ   つち       いふ

これをかなめというゆえにそのつちをかなめつちというなり


鉑をく多゛くハお保くハ女  の所 作なり鉑 を入 て背 負うつ者物 を

               志よさ        せへおふ

はくをくだくはおおくはおんなのしょさなりはくをいれてせ おうつわものを


ゑぶといふゑぶの正 字はいま多゛詳   奈ら春゛又 者くも鉑 の字正 字尓

               つまひら可

えぶというえぶのせいじはいまだつまびらかならず またはくもはくのじせいじに


あら春゛鉑 ハ金 鉑 銀 鉑 の者くなり字彙尓い者く鋛古猛切音硫金銀鉄

あらず はくはきんぱくぎんぱくのはくなりじいにいわく


璞也 とあり本 字ハ鋛奈るべし

 なりとありほんじは なるべし


可奈め槌

かなめつち

(大意)

(補足)

「字彙」、『じい じゐ 【字彙】中国の字書。一二集。他に首・末二巻。明の梅膺祚(ばいようそ)の撰。画引き字書の最初のもの』

「鋛古猛切音硫金銀鉄璞也」をDeepLに放り込むと代案として「鎚古は猛く音を刻み、硫黄・金・銀・鉄は未加工のままである」、「古の鋛、猛き音、硫黄、金、銀、鉄、未加工の石もまた然り」などとかえしましたが、どうも意味不明です。

 ここでも三人の職人さんたち、紋がそでや肩にあります。

ゑぶに満杯にしたら、40〜50kgはあるでしょうか。

腰につけているのは円座。手にしているのはてぶです。


2026年3月23日月曜日

日本山海名物圖繪巻之一 その10

P11 国文学研究資料館蔵

(読み)

金 山 鋪 の中 能繪

可奈やましきのうちのゑ

かなやましきのうちのえ


鋪 口 より段 ゝ 本り入 上 と両  方 とにハ皆 鋪 口 の繪能ことく

しきくち  多ん\/    うへ         ミ奈

しきくちよりだんだんほりいりうえとりょうほうとにはみなしきぐちのえのごとく


矢をい連て大 石 のくづれぬやう尓する也

やをいれておおいしのくずれぬようにするなり


下財 ハ皆 あ多まをつゝみ腰 尓円 座をつけさゞい可゛ら尓油  を入

げざい ミ奈

げざいはみなあたまをつつみこしにえんざをつけさざいが らにあぶらをいれ


飛やうそく尓火をともして持 行 也 此 火尓てあ可りを取 て者多らく也

            もち由く

ひょうそくにひをともしてもちゆくなりこのひにてあかりをとりてはたらくなり


風 廻 し口 奈个れ者此 火ともり可゛多し又 水 王く時 ハ戸樋尓て

                              とひ

かぜまわしぐちなければこのひともりが たしまたみずわくときはといにて


水 を引 上ゲ大 切 口 へおと春也 金 本り鉑 石 を取者゛

                   可ね

みずをひきあげおおきりぐちへおとすなりかねほりはくいしをとれば


ゑぶ引 者古び出春也 石 目とて大 金 有 所  ハ个゛んのう尓て打者川゛春なり

                  可ね

えぶひきはこびだすなりいしめとておおがねあるところはげ んのうにてうちはずすなり


ゑぶ引  かね本り所   大 可゛ね者川゛春てい

えぶひき かねほりどころ おおが ねはず すてい


可けや尓て孫 八 を打 こむ 水 ひくてい

かけやにてまごはちをうちこむ みずひくてい

(大意)

(補足)

「飛やうそく」、『ひょうそく ひやう―【秉燭】

油皿の一種。中央に臍(ほぞ)のようなものがあり,それに灯心を立てて点火するもの。』

 この本の絵師は人物描写は稚拙ですけど、ここで使用している道具、ゑぶの竹籠や円座の縄模様などは得意なようです。

 職人さんたちの着物の肘や背中にそれぞれ異なる紋が入っています。職人集団の区別のためでしょうか?

 

2026年3月22日日曜日

日本山海名物圖繪巻之一 その9


P9 国文学研究資料館蔵

(読み)

金 山 鋪 口

かなやましきくち


金 銀 銅 鉄 皆 本り可多ハ同 じ仕上 ハすこしづゝのち可゛いあり金 山

きんぎんどうてつミ奈        しあげ             かなやま

きんぎんどうてつみなほりかたはおなじしあげはすこしずつのちが いありかなやま


本里入ル口 を鋪 口 といふ四 本 枕  をたてゝ上 と右 左  の三 方 尓

       しきくち       まくら       みぎひだり

ほりいるくちをしきくちというよんほんまくらをたててうえとみぎひだりのさんぽうに


乱 株 を入るゝ也 此 乱 株 を矢といふ三 方 

らんくい             や       

らんくいをいるるなりこのらんくいをやというさんぽう


とも尓矢の数 ハ十  六 本 づゝ奈り

     可ず

ともにやのかずはじゅうろっぽんずつなり


上 の矢の上 尓和多春木をけ志やう木といふ此 鋪 口 を四川どめといふ

うえのやのうえにわたすきをけしょうきというこのしきぐちをよつどめという


此 王きの方 尓風 廻 し口 をあくるなりあれハいき出しなり

このわきのほうにかぜまわしくちをあくるなりあれはいきだしなり


是 尓て鋪 の中 能あ可りを取ル也 大 切 口 ハ水 ぬき也

これにてしきのなかのあかりをとるなりおおきりくちはみずぬきなり


役 所 小屋堀 子能小屋ハ鋪 の外 尓あり

やくしょごやほりこのこやはしきのそとにあり


風 廻 し口  四ツ畄メ口  水 ぬき也 大 切 口  山 神  宮

かぜまわしくち よつどめくち みずぬきなりおおきりくち やまじんぐう

(大意)

(補足)

「右左」、ふつうは左右(さゆう)ですけど、ここでは右左となっています。

「矢の数ハ十六本づゝ奈り」、上と左右の矢を数えてみると、ちゃんと16本ずつでした。

「乱株」、辞書に「くい」は『杭・杙・株』があって、ここでは「株」を採用。

 鉱山やトンネル堀は水との戦いといいます。この画でも左下に小川のような水抜きの大切り口があります。

 

2026年3月21日土曜日

日本山海名物圖繪巻之一 その8

P7 国文学研究資料館蔵

(読み)

金 山 諸 道 具

可奈やま志よどうぐ

かなやましょどうぐ


金 銀 銅 鉄 通 して可奈山 と云 い者由る金 ハき可゛ね銀 者

きんぎんどうて川つう    やま いふ    きん     ぎん

きんぎんどうてつつうじてかなやまといういわゆるきんはきがねぎん は


志ろ可ね銅 ハあ可ゞね鉄 ハくろ可゛ね鉛  ハ青 可゛ね也

                   なまり

しろがねどうはあかがねてつはくろが ねなまりはあおが ねなり


いづ連もすこしづゞか王りめあ連ども大 やうハ同 じこと也

いずれもすこしずつかわりめあれどもたいようはおなじことなり


金 を本り入ルあ奈を鋪 といひ鋪 より本り

可ね        しき   しき

かねをほりいるあなをしきといいしきよりほり


出し多る鉑 をく多゛きて焼 釜 尓てや起湯尓王かして丸 可ね尓仕上 る也

    者く      やき可ま    ゆ     まる   しあぐ

だしたるはくをくだ きてやきがまにてやきゆにわかしてまるがねにしあぐるなり


此 所  を床 屋と云 それ\/尓用 由る道 具絵図のことし

          いふ     毛ち  とうぐゑづ

このところをとこやというそれぞれにもちゆるどうぐえずのごとし


此 道 具を通 じて床 屋道 具という也

  とうぐ つう  とこやとうぐ

このどうぐをつうじてとこやどうぐというなり


上 の繪尓あらハ春銅 山 鍛冶のきたひこしら由る所  なり

   ゑ

うえのえにあらわすかなやまかじのきたいこしらゆるところなり


か王遍ぎ 可王古き 者り 口 とり ま多 かね遍ぎ からみ引

かわへぎ かわこき はり くちとり また かねへぎ からみひき


猫田  奈で木 可ねゆり板  水 さ可゛し 炭 出し どぶ可き

ねこだ なでぎ かねゆりいた みずさが し すみだし どぶがき


可らみ可き 木作  也  可ねとり ゆぬき げし 本゜川者

からみかき きづくりなり かねとり ゆぬき げし ぽ っは


さゞい火と本゛し た可ね 可奈め砕 づち 孫八   竹 水 とゆ ゑぶ

さざいひとぼ し たがね かねめさいずち まごはち たけみずとゆ えぶ


山 づち てぶ ゆ里者゛ち げんのう 升  だ川 木水 とゆ

やまづち てぶ ゆりば ち げんのう ます だつ きみずとゆ

(大意)

(補足)

「金山諸道具」、金のくずし字、「人」の下が「弓」にも「己」にもみえます。

「道」のくずし字がたくさんでてきました。これだけ出てくればもう忘れません。

「銅山鍛冶のきたひこしら由る所」、「きたひ」ってなんでしょう。

「さゞい火と本゛し」、形状が栄螺(さざえ)の貝殻のようなのでこの名前なんでしょう。

 諸道具が丁寧詳細に描かれていて、このうちのいくつかが前回の絵の中にあります。