ラベル 鼡のか留わざ(堤吉兵衛) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 鼡のか留わざ(堤吉兵衛) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2022年10月19日水曜日

鼡のか留わざ(堤吉兵衛) その9

 豆本を複製してみました。

このBlogでアップした「鼠のか留わざ」を正確に原寸大で印刷製本したものです。

 豆本は夜店や本屋で子どものお小遣い、一銭〜三銭程度で買える絵本です。手のひらにのるくらいの大きさ(約12cm〜8cm)なのでそのような名前がついています。江戸後期〜明治に全盛でした。もちろんその流れは大正時代のポンチ絵や漫画へとつながり現在のアニメへとなっていきます。

 Excelでファイルを貼り付けて印刷しました。原寸大をミリ単位で調節できるアプリならなんでもOKです。

手順です。

1.Excelで最初にページレイアウトモードにしておきます。メニューからでもよいし右下のページレイアウトアイコンからでもかまいません。A4縦に設定します。

2.セルの幅高さをそれぞれ10mmにします。画像を貼り付けたときの目安になります。

3.環境設定でルーラー目盛りをミリメートルに設定します。

4.プリントした用紙は半分で折込みますので左右を間違えないように画像を貼り付けます。

5.画像の対角線方向の端をつまんで大きさを調整しますがそのときにマウスカーソルの部分に縦横のサイズがでますので約120mm×80mm程度になるようにして配置します。

6.適当な一枚を選んで試し印刷で原寸大の大きさに調節します。決まったらそのままプリントアウト。

7.あとは切り取って二つ折りにして、四つ穴で和とじします。

完成です。


 実際に原寸大の豆本を手にしてみるとこんなに小さかったのかと驚きました。文字も小さくなってしまうので読むのが大変です。

 たいした儲けもでなかったこんな小さなものに子どもたちのために情熱をかたむけた出板人や絵師・彫師・摺師に頭が下がったのでありました。

 

2022年10月18日火曜日

鼡のか留わざ(堤吉兵衛) その8

奥付 国立国会図書館蔵

(読み)

定 價壹 銭

ていかいっせん


御届  明 治十  八 年 四月 廿 日 吉 川 町  五バンチ

おとどけめいじじゅうはちねんしがつはつか よしかわちょうごばんち


編 輯  出  板 人  堤  吉 兵衛

へんしゅうしゅっぱんにん つつみきちべえ


(大意)

(補足)

 特段の工夫もなく広告もなし。裏表紙もこの奥付の折返しで同じく無地なので略。

「P1

きよくまり\/

こんどハ

?つ?

ちや

\/\/」がわかりませんでした。最後までアップしながら何度も見て考えていました。そして正誤はともかく、はたと思い当たりました。

「?つ?

ちや

\/\/」、は「いつ川じゃ」と読めそうです。変体仮名「川」(つ)。絵の鞠もいつつ投げているではないですか!どうかなぁ〜。

 さて、このあとも堤吉兵衛ものを10冊ほどアップしてゆきます。

 

2022年10月17日月曜日

鼡のか留わざ(堤吉兵衛) その7

P10 国立国会図書館蔵

(読み)

「志

 しゃ


やつきやう

  きょう


の个゛以多ふ

のげ いとう


おハれバ▲

おわれば


▲せんさまは

 せんさまは


ひときりのいれ

ひときりのいれ


可わり

かわり


\/   \/

いれかわりいれかわり


(大意)

「しゃっきょう(石橋)の

芸当おわれば

せんさまは

ひときりの

いれかわり

いれかわり〜


(補足)

 何度も読んでようやくなにを言っているのかが、わかったような気になってきました。「しゃっきょう」がなかなかわかりませんでしたが、試しに辞書をひくと「能の一。五番目物。作者未詳。出家した大江定基が入唐して清涼山の石橋で童子に会う。童子は橋のいわれと文殊の浄土の奇特を教えて去る。やがて,獅子が現れ,牡丹の花に戯れながら壮絶華麗な舞をみせる。」とあって、絵にも石橋にみえるものや牡丹の赤い花がありますので、きっとこのことに違いありません。

「せんさま」もはて?、辞書にたよります。これは先に芝居小屋に入っていた人たちのことでしょう、きっと。それにつづく「ひときりは」、「ここでもって」が今風の言い方になりましょうか。

 最初、よく理解できないので想像力をフルにはたらかせ、赤い箱に入っている人が何かと入れ替わる芸当をするのかとおもいました。

 

2022年10月16日日曜日

鼡のか留わざ(堤吉兵衛) その6

P8P9 国立国会図書館蔵

(読み)

志ゆ

しゅ


もく

もく


づり\/

づりしゅもくづり


志ゆ

しゅ


もく

もく


こもつ

ごもっ


とも多゛

ともだ


\/\/



P9

「サテ\/

 さてさて


さてま多

さてまた


つぎの

つぎの


可る

かる


わざハ

わざは


(大意)

撞木(しゅもく)づり

しゅもくずり〜

しゅもく(すごく)

ごもっともだぁ


「さてさて

さてまたつぎの

かるわざは


(補足)

 鐘をつく棒を撞木(しゅもく)といいますが、辞書でひくなり説明されないとわかりません。

首周りにフリルのようなものをつけていて、どことなく衣装も唐風です。

「撞木」を「しゅごく→すごく」にひっかけていると解釈しましたが、まちがっているかもしれません。

 左のねずみが右手で扇を指し棒のように使っています。いつもおもうのですが、そのようなときはたいてい扇の要と反対側を持っています。このような持ち方だったのでしょうか。

 昨日のブログで、軽業師早竹虎吉のことを少しふれました。一座がどのような軽業の興行をしたかの錦絵や本が残っていて、現在のサーカスやシルクドソレイユも顔負けの出し物をしています。

明治に活躍した早竹虎吉は一座を率いて米国に興行にでかけ、自身は米国でなくなってしまいました。

 

2022年10月15日土曜日

鼡のか留わざ(堤吉兵衛) その5

P6P7 国立国会図書館蔵

(読み)

P6

ち与いとさ ミでも

ちょいとしゃみでも


可じつて

かじって


見やせ う

みやしょう


P7

者多

はた


さ本の

ざおの


ふき

ふき


な可゛し

なが し


こひの

こひの


おもにを

おもにを


可多尓の

かたにの


せヘコ

せぺこ


チヤン

ちゃん


(大意)

ちょいと三味(線)でも

弾いてみせましょう。

旗竿の吹き流し〜

鯉の重い(恋の思い)を

肩にのせ

ぺこちゃん


(補足)

 江戸時代後期から明治に活躍した軽業師早竹虎吉とその一座の錦絵がたくさん残っています。ネットで探すと詳しいHPがありこの絵と一致するものがありましたので、ちょっと拝借しました(無断ですゴメンナサイ)。

 旗竿は背景かとおもってましたが、上の画像の説明にある通り、肩にのせて三味線を弾くという芸でした。

また細い棒が何本も立ち並んでいるのは、棹渡りなどの芸のようです。先端に乗って渡ってゆくのですね。P2P3にはカキツバタの渡りがありました。

赤い雷様はどうやら菅原道真公の飛梅を題材にした芸のようです。

 左下の謡が悩みました。よくわからないのであちこちググって早竹虎吉をみつけました。そしてやっと納得です。「こひ」は「こい(恋)」で旗竿の「鯉」のぼりに引っ掛け、「恋の思い」を「鯉の重い」にして肩にのしかかると洒落たのでしょうか。

 

2022年10月14日金曜日

鼡のか留わざ(堤吉兵衛) その4

P4P5 国立国会図書館蔵

(読み)

「ヤッ

 やっ


本め

ほめ


太り

たり


ー\/  \/

ーほめたりほめたり


これから

これから


さ可太゛ち

さかだ ち


\/  \/

さかだちさかだち


P5

こりや\/

こりゃこりゃ


いつ本ん

いっぽん


太゛め

だ め


\/    \/

いっぽんだめいっぽんだめ


可めうへ

かめうえ


尓て

にて


太いの

だいの



\/  \/

だいのじだいのじ


(大意)

「やっ、拍手ご喝采を〜

これから、逆立ち〜

こりゃこりゃ

いっぽんだめ〜

瓶(かめ)のうえで

大の字〜


(補足)

 いくつかでてくる「た」は平仮名にしては形が悪いので変体仮名「太」(た)としました。

 折り込んでいた頁を横開きで大きな画面にする豆本に綱島亀吉のシリーズがあります。また多くの豆本が見開きでひとつの画面にするというのは定番です。

 しかしこれは見開きは見開きでも豆本を縦にしてひとつの画面にしています。珍しいです。なるほど上下方向の広がりがほしかったのでこうするしかなかったのでしょう。絵の構成もねずみたちの芸も大成功!

「いつ本ん太゛め〜」、「片足一本で支えておりまする〜」のような感じでしょうか。

 この絵も飾りたくなります。満開の桜の下、幕をはって野外演芸、チラチラ落ちてくる桜をしたから扇であおいで華をそえます。下で支えているねずみの衣装も桜の花柄。

かめの大きいこと、かめのはだのザラザラ感をだすのがむずかしそう。それにしても桶3つの上に重くて大きい瓶をのせ、さらにその上に人、すごいね。

 

2022年10月13日木曜日

鼡のか留わざ(堤吉兵衛) その3

P2P3 国立国会図書館蔵

(読み)

P2

なりひら

なりひら


かきつ

かきつ


者゛多の

ば たの


きよく

きょく


わ多

わた



P3

「七 ふ

 しちぶ


三 ふの

さんぶの


かね

かね


あ以しや

あいじゃ


(大意)

なりひら(業平)

かきつばたの

曲渡り

「七分三分の兼ね合いじゃ

(補足)

 前頁もこの頁も額装にして飾りたくなるような絵です。前頁はお正月に、この頁は梅雨明けの初夏に飾りたい。

 業平はもちろん在原業平で、かきつばたの歌が有名だそうです。「からころも きつつなれにし つましあらば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」、それぞれの句の頭をつなげるとかきつばた。

ぶんぶく茶釜でもここでも「曲渡り」には傘と扇がかかせません。カキツバタの上を渡るとはなんともオシャレではありませんか。

 楽しい絵であります。

 

2022年10月12日水曜日

鼡のか留わざ(堤吉兵衛) その2

P1 国立国会図書館蔵

(読み)

きよくまり\/

きょくまりきょくまり


こんどハ

こんどは


?つ?


ちや


\/\/


(大意)

(補足)

「きょくまり」は曲鞠でしょうか。絵では5つの鞠をクルクルまわして放り上げています。はしご乗りのように竹にからだをからませて空中で行うのは難度が高い。

竹竿の左側がわかりません。う〜ん・・・

竹竿の色が本物のようです。

=== 2022年10月19日記 ===

?マークのところ、最後の頁をアップする頃に、はたと思い当たりました。

「いつ川」、五つだとおもいます。絵の曲鞠も五個投げてますし。「川」は変体仮名「川」(つ)。

 

2022年10月11日火曜日

鼡のか留わざ(堤吉兵衛) その1

表紙 国立国会図書館蔵

(読み)

鼠  のか留わざ

ねずみのかるわざ

(大意)

(補足)

御届明治十八年四月廿日。なんと定價壹銭!!!縁日など夜店での販売を考えた価格のような気がします。それにしても表紙は豪華です。色づかいも鮮やかできれいです。お姉さんの真っ白な顔にほんのり薄紅をひいて、きれいです。淡黄色の地にうぐいす色の細縦縞、紫の帯、いいですねぇ。

 真っ白なねずみのあたまのリボンがかわいらしい。一本刃の高下駄で櫂の柄にのってヤンヤの喝采でしょうか。見てみたいですねぇ。白い帯が両側に流れていますが、これは軽業をしながらクルクル回したのかもしれません。

 「る」はかき出しの横棒がツになっていて変体仮名「留」(る)。その上は変体仮名「可」(か)ではなく平仮名「か」。