2026年7月16日木曜日

大日本物産圖會その25

P25 国立国会図書館デジタルコレクション蔵

P25_1

(読み)

近 江 國 青 花 紙 製  圖

おうみのくにあおばながみせいのず


青 花 ハ鴨跖(ツユ)草(クサ)の花 尓して

あおばなは   つゆ   くさ のはなにして


夥   しく自生 するといへども

おびただしくじせいするといえども


當 國 山 田郡  に産 する者 ハ

とうごくやまだごおりにさんするものは


一 種 大 葉にして花弁(ハナヒラ)の

いっしゅおおばにして   はなびら の


大 キサ常  品 のものより十

おおきさじょうひんのものよりじゅう


倍 す故 尓青 花 紙 を製

ばいすゆえにあおばながみをせい


する尓是 種 尤   よしと須夏月

するにこのしゅもっともよしとすかげつ


毎 朝 花弁  をつミて其 液(シル)を

まいあさはなびらをつみてその  しる を


搾(シホ)り美濃紙 へ刷毛(ハケ)ニて蘸(ヒキ)

  しぼ りみのがみへ   はけ にて  ひき


乾(カハカ)して又 同  く奈すこと五六 十  度ニ

  かわか してまたおなじくなすことごろくじゅうどに


して則   青 花 紙 也 又 ホウシ紙 トモ云

してすなわちあおばながみなりまたほうしがみともいう

(大意)

(補足)

「青花紙」、『近江(現在の滋賀県)の青花紙(あおばながみ)の主な産地は、現在の滋賀県草津市とその周辺地域(旧栗太郡など)です。江戸時代から約380年にわたって栽培・製造されている伝統工芸品』。『ツユクサの仲間である「アオバナ」の花から青い色素を絞り出し、和紙に染み込ませて乾燥させたものです。友禅染や絞り染めなどをする際に、水で洗うときれいに消える下絵用のインクとして現在でも使われています』

 背景の大きな湖は琵琶湖のはず。

「鴨跖(ツユ)草(クサ)」、辞書にはこの漢字ではなくてふつうに露草。しかしネットをたよると「中国では「鴨跖草(おうせきそう)」と呼ばれ漢方薬として使われた」とありました。

「蘸」、拡大すればわかりますが。艹酉隹灬です。音読み「サン」訓読み「ひたす」。意味はひたす。水につける。中国語で「(液体や粉末に)さっと浸す」「つける」「まぶす」という意味の漢字です。料理で食材をタレやソースにチョンとつける動作などを表すときに使われます。

 露草を摘んできてゴミを取り除くために篩(ふるい)にかけてますが、その細かいゴミまで描かれていて、いやはやなんとも。

 右には桶に重しの石をのせ竿をかけて「其液(シル)を搾(シホ)り」、青汁が絞り出されている様子があってその液の青さと、地面に干している青花紙の色に差があって摺師も頑張っています。

 女性たちのタスキや襦袢の赤がきれい。

 

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