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2021年5月3日月曜日

改算塵劫記P40禰春゛ミ佐んの事 その3

P41

(読み)

年 中  之分 合   二百七十六億八千二百五十七万四千四百二疋 なり

ねんちゅうのぶんあはせて                   ひきなり


正月ニ

しょうがつに


生 れ子 十  二疋

むまれこ じゅうにひき


親 とも 十  四 疋

おやとも じゅうよんひき


二月ニ

同 八十四疋

同 九十八疋

三月ニ

同 五百八十八疋

同 六百八十六疋

四月ニ

同 四千百十六疋

同 四千八百二疋

五月ニ

同 二万八千八百十二疋

同 三万三千六百十四匹

六月ニ

同 廿一万令千六百八十四疋

同 廿三万五千二百九十八疋

七月ニ

同 百四十一万千七百八十八疋

同 百六十四万七千令八十六疋

八月ニ

同 九百八十八万二千五百十六疋

同 千百五十二万九千六百令二疋

九月ニ

同 六千九百十七万七千六百十二疋

同 八千令七十万七千二百十四疋

十月ニ

同 四億八千四百廿四万三千二百八十四疋

同 五億六千四百九十五万四百九十八疋

十一月ニ

同 卅三億八千九百七十万二千九百八十八疋

同 卅九億五千四百六十五万二千四百八十六疋

十二月ニ

同 二百卅七億二千七百九十二万令九百十六疋

同 二百七十六億八千二百五十七万四千四百二令疋


法 尓禰ずミ二疋 に七 越十  二多ひ可个連ハ右 禰春ミの高 志連申  候  也

ほうにねずみにひきにしちをじゅうにたびかければみぎねずみのたかしれもうしそうろうなり


(大意)

一年分合わせて

276億8257万4402疋となる。

途中略

計算方法は

ねずみ2匹に7を12回掛ければ右のねずみの合計した数を得ることができる。

(補足)

 漢数字や位取りの勉強になります。「五」のくずし字はなれないと難しい。「千」の縦棒が「手」のように曲がります。算用数字「0」が「令」となってます。「零式戦闘機」で「零」だとおもってましたが「雨」がなくてもよさそうです。

「多ひ可个連」、「可」が小さく、「个」がわかりずらい。「高」のくずし字はかたちでおぼえる。

 計算式は 2✕7(の)12(乗)=27682574402

そろばんの威力の見せ所。凄まじい。


 

2021年5月2日日曜日

改算塵劫記P40禰春゛ミ佐んの事 その2

P40禰春゛ミ佐んの事

(読み)

おや

おや


共 に九  十  八 疋 尓成 かく能ごとくに月 尓一 度

ともにきゅうじゅうはっぴきになるかくのごとくにつきにいちど


川ゝおやも子もまたまごもひこも月 ゝ に

ずつおやもこもまたまごもひこもつきずきに


十  二疋 川ゝうむ時 尓十  二月 尓ハな尓本ど

じゅうにひきずつうむときにじゅうにがつにはなにほど


に奈るぞといふ

になるぞという


(大意)

親とあわせ98匹になる。このように月に一度

ずつ親も子もまた孫もひ孫も月々に

12匹ずつ生むとき、12月には何匹になっているかを

問う。

(補足)

 計算好きにはたまらない問題でしょう。そろばんをパチパチはじいてはうーんとうなって何度も何度も繰り返して、口は半開きになって恍惚状態。答えが出たとおもってもまた弾く・・・

「共に」、「共」のくずしじは古文書でもこんな感じ。

「成」、2行前では「なる」でした。

変体仮名「能」(の)、初めての時は何だこりゃとおもいましたけどよくでてきます。平仮名「の」が見出しにあります。

「ごとくに」、合字「こと」に「゛」。平仮名「に」がずいぶんとでてきます。たいていは変体仮名「尓」。

「な尓本どに奈るぞ」、平仮名「な」と変体仮名「奈」、平仮名「な」は珍しいのですけど、ここではよく使われています。

 

2021年5月1日土曜日

改算塵劫記P40禰春゛ミ佐んの事 その1

P40禰春゛ミ佐んの事

(読み)

◯禰春゛ミ佐んの事

 ねず みさんのこと


◯正  月 尓ね春゛ミ父 母 出 天子越十  二疋

 しょうがつにねず みちちははいでてこをじゅうにひき


うむおや共 尓十  四 ひきになる此 禰ずミ二

うむおやともにじゅうよんひきになるこのねずみに


月 尓ハ子もまた子越十  二疋 川ゝうむゆへ尓

がつにはこもまたこをじゅうにひきずつうむゆへに


(大意)

◯ねずみ算のこと

正月にねずみ父母がいて子を12匹生む。

親とあわせて14匹になる。このねずみが

2月には子もまた子を12匹ずつ生むので

(補足)

 ねずみがイタチみたいです。七福神のひとり大黒天が難しい顔をしてそろばんをにらんでます。塵劫記はそろばんの詳細な解説書でもあります。全く扱いをしらないところからそろばん名人になるまで図解入りです。そろばんをパチパチ弾くことの快さのために算数・数学をしているような書になっているところが愉快であります。

「禰春゛ミ佐ん」、変体仮名「禰」(ね)。変体仮名「春」(す)、「十」+「て」のようなかたち。変体仮名「佐」(さ)。

変体仮名「天」(て)、「く」の上部に飾りがつきます。変体仮名「越」(を)。

「ひきになる」、「ひ」の最後が内側に入っています。平仮名「に」が何箇所か出てきますがたいていは「尓」のほうが多い。平仮名「な」に見えます、めずらしい。

「禰ずミ」、平仮名「す」はやはりめずらしい。

「十二疋川ゝうむゆへ」、変体仮名「川」(つ)。変体仮名「由」(ゆ)が平仮名のようにみえます。

 江戸中期と後期ではずいぶんと変体仮名や平仮名の使われ方や形も異なっています。