P40禰春゛ミ佐んの事
(読み)
◯禰春゛ミ佐んの事
ねず みさんのこと
◯正 月 尓ね春゛ミ父 母 出 天子越十 二疋
しょうがつにねず みちちははいでてこをじゅうにひき
うむおや共 尓十 四 ひきになる此 禰ずミ二
うむおやともにじゅうよんひきになるこのねずみに
月 尓ハ子もまた子越十 二疋 川ゝうむゆへ尓
がつにはこもまたこをじゅうにひきずつうむゆへに
(大意)
◯ねずみ算のこと
正月にねずみ父母がいて子を12匹生む。
親とあわせて14匹になる。このねずみが
2月には子もまた子を12匹ずつ生むので
(補足)
ねずみがイタチみたいです。七福神のひとり大黒天が難しい顔をしてそろばんをにらんでます。塵劫記はそろばんの詳細な解説書でもあります。全く扱いをしらないところからそろばん名人になるまで図解入りです。そろばんをパチパチ弾くことの快さのために算数・数学をしているような書になっているところが愉快であります。
「禰春゛ミ佐ん」、変体仮名「禰」(ね)。変体仮名「春」(す)、「十」+「て」のようなかたち。変体仮名「佐」(さ)。
変体仮名「天」(て)、「く」の上部に飾りがつきます。変体仮名「越」(を)。
「ひきになる」、「ひ」の最後が内側に入っています。平仮名「に」が何箇所か出てきますがたいていは「尓」のほうが多い。平仮名「な」に見えます、めずらしい。
「禰ずミ」、平仮名「す」はやはりめずらしい。
「十二疋川ゝうむゆへ」、変体仮名「川」(つ)。変体仮名「由」(ゆ)が平仮名のようにみえます。
江戸中期と後期ではずいぶんと変体仮名や平仮名の使われ方や形も異なっています。
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