2021年5月31日月曜日

豆本 昔噺し舌切春ゞめ その3

P2

(読み)

と奈りのけん

となりのけん


どん者゛ゝ可せん

どんば ばがせん


多くせんとこゝ

たくせんとここ


のへお起多るのり

のへおきたるのり


を奈めける可゛者゛ゝ

をなめけるが ばば


お本ひ尓者らを

おほいにはらを


多ち者さミを

たちはさみを


もつて春ゝめの

もってすずめの


志多をきり

したをきり


尓可゛し个るぢゝい

にが しけるじじい


可へり春ゝめの

かえりすずめの


ミへぬ尓と奈り尓

みえぬにとなりに


「志多

「した


きり

きり


春ゞめ

すずめ


おやどハ

おやどは


どこ多゛

どこだ


(大意)

隣のけちで欲深なババアが

洗濯をしようと

ここに置いた糊(のり)を

(子雀が)なめてしまいました。

ババアは大いに腹をたて

ハサミを持って雀の

舌を切り逃しました。爺が帰って

雀がいないと隣の家に


「舌切雀

お宿はどこだ


(補足)

 文章全体が、背景の赤横縞に重なって少々読みづらい。

「けんどん」、漢字は「慳貪・倹飩」。つっけんどん。愛想のないこと。けちで欲が深いこと。などとあります。平仮名「け」がつかわれていますが、このあとには変体仮名「个」があります。

「こゝのへ」、「へ」は「辺」でしょう。この辺に置いておいた糊という感じ。

「お本ひ尓」、「不」のようにみえるのは変体仮名「本」(ほ)。

下部の「」部分、明治19年当時はこの歌詞の曲がもうあったのでしょうか。ついつい曲を無意識に重ねてしまいます。

 絵は丁寧で杖には竹の節が描かれています。爺さんの羽織や袴の柄や色合いも素敵です。

 

2021年5月30日日曜日

豆本 昔噺し舌切春ゞめ その2

P1

(読み)

明治十九年十一月十五日内務省交付1541

丸朱印 東京図書館印 TOKIO LIBRARY


む可し\/ あるや満ざと尓

むかしむかしあるやまざとに


正ち起゛ 奈るぢゝいありて可春可尓くらし

しょうじきなるじじいありてかすかにくらし


个る可゛あるひから須尓お王れし春ゝめの

けるが あるひからすにおわれしすずめの


こを多春け可ひお起し可゛ちゝいのる春尓

こをたすけかいおきしが じじいのるすに


(大意)

昔々ある山里に

正直な爺がひっそりと暮らしておりました。

ある日カラスに追われた雀の子を

助けて飼っていたのですが、爺の留守に


(補足)

 頁をめくったのっけから、衝撃的な絵であります。一体何が起きたのだろうと読者をつかみにかかります。意地悪婆さんの着物の縦縞の三色色柄がなかなかシックで素敵です。手にはでっかい和鋏(わばさみ)を持ち、ちと恐ろしい。

「や満」(やま)、「や」は変体仮名「也」、「つ」のながれで最後にクルッと右回り。

「正ち起゛」、濁点「゛」の位置がちがいますが「しょうじき」。「正」のくずし字が見慣れたものとことなりますが文章の流れから「正」でしょう。

「可春可」(かすか)(幽か・微か)、人けのないさま。物寂しいさま。

「から須尓お王れし春ゝめ」、変体仮名「須」(す)、変体仮名「王」(わ)、変体仮名「春」(す)。

「可ひお起し可゛」、変体仮名「起」(き)。

変体仮名「春」(す)が何度も出てきます。「十」+「て」のような形です。

 

2021年5月29日土曜日

豆本 昔噺し舌切春ゞめ その1

表紙

(読み)

昔噺し舌切春ゞめ

むかしばなししたきりすずめ


綱島藏版

つなしまぞうはん


(大意)

(補足)

 着物柄や編笠まで何から何までまるで鏡写しのような武者二人。しかし右手手のひら、ひとりはパッとひらき、もうひとりはギュッとにぎっている。まるで阿吽のよう。枠は花柄、色合いがなんとも渋い着物の鮫肌のような風合い。

 

2021年5月28日金曜日

唖鈴体操術 その25

奥付

(読み)

奥付

御届明治十九年八月五日

おとどけめいじじゅうきゅうねんはちがついつか


日本橋區薬研堀町四十五番地

にほんばしくやげんぼりちょうよんじゅうごばんち


編輯人 竹内榮久

へんしゅうにん たけうちえいきゅう


浅草區新福井町五番地

あさくさくしんふくいちょうごばんち


出版人 涌井庄之助

しゅっぱんにん わくいしょうのすけ


價三銭五厘

あたいさんせんごりん


(大意)

(補足)

 著作権の関係で画像を掲載できませんが、唖鈴などを用いての体操の図や錦絵がいくつもあります。明治10年の西南の役が終わってからが明治時代の始まりとはよくいいます。明治19年ともなれば世はすっかり明治時代でここからの国造りは本格化し教育も本腰を入れて取り組み、富国強兵政策まっしぐらとなります。

 

2021年5月27日木曜日

唖鈴体操術 その24

P24

(読み)

◯第二十三圖

 だいにじゅうさんず


右 足 を一 歩

みぎあしをいっぽ


右 がハ尓すゝめ

みぎがわにすすめ


めてをの者゛し

めてをのば し


由んでをかし

ゆんでをかし


らのうへ尓阿げ

らのうえにあげ


図の如 く奈す

ずのごとくなす


十六呼

じゅうろっこ


編輯兼 浅草區新福井町五バンチ

へんしゅうけん あさくさくしんふくいちょうごばんち


出版人 涌井庄之助

しゅっぱんにん わくいしょうのすけ


(大意)

◯第23図

右足を一歩右側にすすめ

馬手(右手)を伸ばし、弓手(左手)を

頭の上にあげ、図のように行う。


(補足)

 空手の型のような動きです。右左の漢字が使われている中でも、馬手弓手という表現が使われています。

「町」が偏と旁が上下になってます。他の漢字でもよくみられます。

 

2021年5月26日水曜日

唖鈴体操術 その23

P23

(読み)

◯第二十二圖

 だいにじゅうにず


右 の足 を一 歩まへ尓

みぎのあしをいっぽまえに


すゝめ二鈴 を

すすめにれいを


もつてかろく

もってかろく


むねをうち

むねをうち


図の如 く

ずのごとく


奈すこと

なすこと


十六呼

じゅうろっこ


編輯人

へんしゅうにん


日本橋區薬研堀四十五バンチ

にほんばしくやげんぼりよんじゅうごばんち


竹内榮久

たけうちえいきゅう


(大意)

◯第22図

右の足を一歩前に進め

二鈴を持って軽く胸をうち

図のように行うこと

16呼

(補足)

特に補足することはありません。

 

2021年5月25日火曜日

唖鈴体操術 その22

P22

(読み)

◯第二十一圖

 だいにじゅういちず


もろ手をかゞむる

もろてをかがむる


奈く左右 尓たひら尓

なくさゆうにたいらに


ひらき奈る

にらきなる


たけうしろ尓

たけうしろに


い多らしむこの

いたらしむこの


時 少 しくきびすを

ときすこしくきびすを


阿ぐるとき空 気を

あぐるときくうきを


者奈よりすひ入れ

はなよりすいいれ


口 より者く十  六 呼

くちよりはくじゅうろっこ


(大意)

◯第21図

両手を曲げることなく

左右に平らに開き、

なるべく後ろになるようにする。

このとき少しかかとを上げ

空気を鼻より吸い入れ

口よりはく

16呼

(補足)

 この運動はわかりやすい。運動の動作に合わせて呼吸についての記述も随所にみることができます。現在では意識的に呼吸を行うことは常識ですが、当時としてはどうだったのでしょうか。

「少しく」、「「すこし」「すこしき」を形容詞のように考え,その連用形として,後世,類推的に作られた語〕」とありました。

 

2021年5月24日月曜日

唖鈴体操術 その21

P21

(読み)

◯第二十圖

 だいにじゅうず


一 二 三 四の四

いちにいさんしのよん


呼の阿ひ多゛少 し

このあいだ すこし


こしよりうへを

こしよりうえを


うしろへか多

うしろへかた


むけひぢを

むけひじを


か多とたいら尓し

かたとたいらにし


うしろ尓ひき

うしろにひき


二鈴 尓てかろく▲

にれいにてかろく


▲四 へん肘 をうち空 気

 よんへんひじをうちくうき


をは奈よりすひ入れる

をはなよりすいいれる


此 うんどう十  六 呼

このうんどうじゅうろっこ


(大意)

◯第20図

1,2,3,4の四呼の間

少し腰より上を

後ろへ傾け

肘を肩と平らにし

後ろに引き

二鈴でかるく

4回肘をうち空気を

鼻より吸い入れる。

この運動16呼

(補足)

 この説明だけではよくわかりません。二鈴を胸の位置に持って、肩と肘を両脇でグルグルまわし、それに連動して二鈴もまわす運動で、その適当なリズムのところで肘を両側の体をトントントントンと打つようにするというような動きでしょうか。

平仮名「し」が意識したのか縦長の大きな形で、「か多とたいら尓し」では3文字にかかっています。また「多」と「た」が混在。

「は奈より」、平仮名「は」です。

 

2021年5月23日日曜日

唖鈴体操術 その20

P19

P20

(読み)

P19

◯第十九圖

 だいじゅうきゅうず


右 の足 をすゝめ多り志りぞけ多り奈すこと

みぎのあしをすすめたりしりぞけたりなすこと


十六呼

じゅうろっこ


P20

左右 の手を

さゆうのてを


か王る\/ うご可し

かわるがわるうごかし


まへのごときうんどう奈すこと

まえのごときうんどうなすこと


十  六 呼(たゞし㐧 十  四 呼「四ノ二」尓て

じゅうろっこ(ただしだいじゅうよんこ「しのに」にて


まむき尓むき二鈴 をかしらの上 尓

まむきにむきにれいをかしらのうえに


ますぐ尓たてゝおき㐧 十  五十  六 呼

ますぐにたてておきだいじゅうごじゅうろっこ


そこ尓とゞめをく奈り)

そこにとどめおくなり)


(大意)

◯第19図

右の足を進めたり退けたりすること

16呼

左右の手をかわるがわる動かし

前のような運動をすること16呼

(ただし第14呼「4の2」にて

真向きに向き二鈴を頭の上に

真っ直ぐにたてたまま第15、16呼

ではそのままに留めておく)

(補足)

 2頁を費やしての説明です。大まかな運動の様子はなんとなくわかるのですけど正確な動きはよくわかりません。自己流の動きになってしまいます。

「イチ、ニィ、サン、シィ」が4呼間です。続けると「「ニィ、ニィ、サン、シィ」で8呼間、「サン、ニィ、サン、シィ」で12呼間、で、次が「シィ、ニィ、サン、シィ」の「ニィ」で、頭上で二鈴を立てたままにするという動きです。

「志りぞけ多り奈すこと」、変体仮名「志」(し)、と「多」(た)、「奈」(な)。「こと」は合字になってませんが、次頁では合字になってます。

「か王る\/うご可し」、平仮名「か」と変体仮名「可」が混在、変体仮名「王」(わ)、「留」(る)。平仮名「し」が異様に大きいですけどこれは定番です。「へのへの茂平爺」の「し」と同じ。

 

2021年5月22日土曜日

唖鈴体操術 その19

P18

(読み)

◯第十八圖

 だいじゅうはちず


ますぐ尓たてゝ二鈴 を上

ますぐにたててにれいをじょう


下しせ奈可のうへ尓い多

げしせなかのうえにいた


らしむこと十  六 呼

らしむことじゅうろっこ


(大意)

◯第18図

まっすぐに立てて二鈴を

上下させ、背中の上に

運ぶこと16呼

(補足)

 右足を踏み出し戻すのにあわせて、二鈴を大きく振り子のように振る運動のようです。回転はしません。

平仮名「た」と変体仮名「多」が混在しています。

「こと」が一文字になってます。合字です。「より」はフォント「ゟ」があります。

 

2021年5月21日金曜日

唖鈴体操術 その18


P17

(読み)

◯第十七圖

 だいじゅうななず


二鈴 の者しを尓ぎりうしろ尓たるゝとき尓

にれいのはしをにぎりうしろにたるるときに


右 の足 を一 歩まへ尓ふみ多゛し再  び右 の足 を

みぎのあしをいっぽまえにふみだ しふたたびみぎのあしを


のけつ

のけつ


から多゛をますぐ尓

からだ をますぐに


奈す時 尓

なすときに


十八図の

じゅうはちずの


如 く二鈴 を阿げてかしらの上 尓

ごとくにれいをあげてかしらのうえに


(大意)

◯第17図

二鈴の端を握り、うしろにたおしたときに

右の足を一歩前に踏み出し、再び右の足を

戻しながらからだをまっすぐにするとき

18図のように二鈴をあげて頭の上に

(補足)

 動きがやや激しく大きくからだを使う運動です。第18図に続きます。

変体仮名とおなじ読みの平仮名が混在しています。

「尓ぎり」、変体仮名「尓」(に)は英小文字筆記体「y」にそっくりです。

「たるゝ」、ここでは平仮名「た」が使われてますがこのあと「ふみ多゛し」「から多゛」では変体仮名。「み」と「か」は「ミ」、「可」が使われてません。「る」の変体仮名「留」は平仮名「る」の書き出しの横棒がないかたちです。

変体仮名「奈」(な)、変体仮名「阿」(あ)が使われています。

点線の青年の表情がにこやか♪

 

2021年5月20日木曜日

唖鈴体操術 その17

P16

(読み)

◯第十六圖

 だいじゅうろくず


つめをまへ尓もろ

つめをまえにもろ


手をか多へ尓の者゛し

てをかたへにのば し


又 もろ手を

またもろてを


か可゛め二鈴 を

かが めにれいを


むね尓かへす

むねにかえす


十二呼

じゅうにこ


(大意)

◯第16図

爪を前に向けて

両手を肩の高さで両方に伸ばし

また、両手を曲げて二鈴を

胸の位置に戻す

(補足)

 エキスパンダを伸ばしたりするような運動だと思うのですが、運動途中の点線の動きで左下に唖鈴がありますので、もう少し複雑な動きなのかもしれません。

 

2021年5月19日水曜日

唖鈴体操術 その16

P15

(読み)

◯第十五圖

 だいじゅうごず


同 じところ尓て

おなじところにて


つよく二鈴 を

つよくにれいを


打ち図の如 く

うちずのごとく


すミや可尓

すみやかに


た可゛ひ尓

たが いに


ま王す

まわす


十  六 呼

じゅうろっこ


(大意)

◯第15図

同じところで

強く二鈴を

打ち、図のように

速やかに

互いに

回す

16呼

(補足)

「すミや可尓ま王す」、片仮名「ミ」。平仮名「や」は現在と筆順が異なります。変体仮名「可」(か)が再登場。次の行にも濁点がついて使われています。変体仮名「王」(わ)。

 カチンカチンと音をさせながらクルクルまわして生徒たちが楽しそうに運動したことでしょう。

 

2021年5月18日火曜日

唖鈴体操術 その15

P14

(読み)

◯第十四圖

 だいじゅうよんず


二鈴 をから多゛のまへ尓

にれいをからだ のまえに


もち図の如 く

もちずのごとく


二鈴 を打つ

にれいをうつ


又 左 りの

またひだりの


鈴 をますぐ尓

れいをますぐに


たて右 の鈴 の

たてみぎのれいの


者し尓て左 りの

はしにてひだりの


鈴 の者しをうつ

れいのはしをうつ


(大意)

◯第14図

二鈴を体の前に持ち

図のように二鈴をうつ。

また左の鈴を真っ直ぐに立て

右の鈴のはしで左の

鈴のはしをうつ。

(補足)

「から多゛」、「鈴をますぐ尓て」、変体仮名と平仮名が混在しています。使い分けは文章の流れなどで適当のようです。

料理でいうと箸休めのような運動のよう。

 

2021年5月17日月曜日

唖鈴体操術 その14

P13

(読み)

◯第十三圖

 だいじゅうさんず


二鈴 を王きの下 尓

にれいをわきのしたに


とり図(づ)のごとく

とりず(づ)のごとく


ひじをか多と

ひじをかたと


たひら尓し

たいらにし


もろ手を

もろてを


たひら尓の者゛し

たいらにのば し


手のかうを上 尓

てのこうをうえに


す十  二呼

すじゅうにこ


(大意)

◯第13図

二鈴を脇の下にとり

図のように肘と肩を平らにし

両手を平らに伸ばし

手の甲を上に向ける

12呼

(補足)

変体仮名「王」(わ)は「已」のような形。

「図のごとく」、現在と同じ「図」が使われていますが、「第十三圖」ではフォントにない「囗」の中が「ム」「ゝ」「面」です。

他に使われている変体仮名は「尓」(に)、「者」(は)、「多」(た)。

 

2021年5月16日日曜日

唖鈴体操術 その13

P12

(読み)

◯第十二圖

 だいじゅうにず


右 のひざをまげ

みぎのひざをまげ


右 足 をふみ

みぎあしをふみ


だし左  足 を

だしひだりあしを


奈ゝめ尓の者゛し

ななめにのば し


右 の手をます

みぎのてをます


ぐ尓の者゛す

ぐにのば す


十六呼

じゅうろっこ


(大意)

◯第12図

右の膝を曲げ

右足を踏み出し左足を

斜めに伸ばし

右の手をまっすぐに伸ばす

16呼


(補足)

「ふみだし」、平仮名「み」はほとんど片仮名「ミ」でした。変体仮名の使われる比率が明治20年前後より急に少なくなっているような気がします。

 点線の輪郭を実線でなぞって、16枚以上複写してパラパラ漫画みたいにしてみようとおもっています。もう試したんですが愉快です。

 

2021年5月15日土曜日

唖鈴体操術 その12

P11

(読み)

◯第十一圖

 だいじゅういちず


こしぼねのうへ尓て図の如 く

こしぼねのうえにてずのごとく


から多゛

からだ


を右尓

をみぎに


か多むける

かたむける


と同 じ時 尓

とおなじときに


もろ手をた

もろてをた


ひら尓の者゛し此のうんどう

いらにのば しこのうんどう


八 呼のときから多゛をもとの如 くす

はっこのときからだ をもとのごとくす


(大意)

◯第11図

腰骨の上で図のように

体を右に傾けると同時に

両手を平らに伸ばし

この運動8呼のときに

体をもとの位置に戻す


(補足)

平仮名「ほ」も使われだしました。それまではたいてい変体仮名「本」(ほ)。

平仮名「た」と変体仮名「多」は両方使われています。

イチで点線のようにして、ニッからシチまでそのままの態勢を維持し、ハチでもとに戻すという運動なのでしょうか、どうもよくわかりません。それに右をしたら左もしなくてはバランスがとれません。

 

2021年5月14日金曜日

唖鈴体操術 その11

P10

(読み)

◯第十圖

 だいじゅうず


一 二三 四の四呼の阿い多゛二鈴 をむね尓とり

いちにさんしのしこのあいだ にれいをむねにとり


?呼四五寸 づゝ右 足 をまへ尓すゝめ

?こしごすんずつみぎあしをまえにすすめ


ひざを

ひざを


おり

おり


角 をつくり左 りの

かどをつくりひだりの


足 をの者゛す亜鈴 を

あしをのば すあれいを


ますぐ尓たて由んでを

ますぐにたてゆんでを


まへ尓の者゛す八 呼

まえにのば すはっこ


(大意)

◯第十図

1,2,3,4の4呼の間、二鈴を胸の位置にとり

?呼4,5寸ずつ右足を前にすすめ、膝を折り

角をつくって左の足を伸ばす。唖鈴を

真っ直ぐにたて、左手を

前に伸ばす八呼。

(補足)

二行目文頭の「?呼」がわかりません。宿題にします。

「五」は漢数字の中で一番特徴的です。運筆は一番下にいったらクルッと逆S字のように斜め左まわりにあがって、中程をすぎたらまたクルッと斜め右下にながれます。

「由んでをまへ尓」とありますが、絵のとおりなら「め手」(右手)になります。

 この運動は、右足を出しながら同時に右手と左手の動作も行うのでしょうか。リズムよく行うにはさてどのような動きがよいものか?


 

2021年5月13日木曜日

唖鈴体操術 その10

P9

(読み)

◯第九圖

だいきゅうず


もろ手をくゞめ

もろてをくぐめ


二鈴 をむね尓

にれいをむねに


とりもろ

とりもろ


ひじをて

ひじをて


まへの上 より

まえのうえより


うしろの下 尓

うしろのしたに


輪(王)をゑ可゛ける如 く

わ(わ)をえが けるごとく


ま王すこと十  二呼

まわすことじゅうにこ


(大意)

◯第九図

両手を折り曲げて

二鈴を胸の位置にもち

両肘を手前の上より

後方下に

輪をえがくように

回すこと12呼

(補足)

「もろひじ」という表現もあるのですね。

「輪」のふりがなが変体仮名「王」(わ)、これを知らない人は読めません。次の行にもあります。

この運動を4呼間をひとつのリズムとして行うとき、その区切りがどうもはっきりしません。

 

2021年5月12日水曜日

唖鈴体操術 その9

P8

(読み)

◯第八圖

 だいはちず


二鈴 尓てかろくむねを二どうち

にれいにてかろくむねをにどうち


十  二呼の

じゅうにこの


阿い多゛十  ふん

あいだ じゅうぶん


者奈より

はなより


空 気(くうき)を

くうき     を


すい入れつよく

すいいれつよく


二鈴 をまへの下 尓奈ゝめ尓の者゛すとき尓

にれいをまえのしたにななめにのば すときに


口 よりはきだす又 手をくゞむる奈く上 尓阿ぐる十  六 呼

くちよりはきだすまたてをくぐむるなくうえにあぐるじゅうろっこ


(大意)

◯第八図

二鈴で軽く胸を二度打ち

1、2呼の間に十分鼻より

空気を吸い入れ、強く

二鈴を前方斜め下にのばすとき

口より吐き出す。また手を曲げることなく

上にあげる16呼

(補足)

「イチ、ニィ、サン、シィ」が4呼間でしたから、「イチ、ニィ、」で胸を二度うち空気を吸い、「サン、」で腕を斜め下に伸ばし息をはきだし、「シィ」で腕を真っ直ぐにして上にあげる、という動作になるのでしょうか。

「はきだす」、平仮名「は」、平仮名「だ」が使われています。変体仮名「多」(た)、変体仮名「者」(は)はその前の行にあります。

 

2021年5月11日火曜日

唖鈴体操術 その8

P7

(読み)

◯第七圖

 だいななず


もろ手をくゞむる奈く二鈴 をかしらのうへ尓

もろてをくぐむるなくにれいをかしらのうえに


さし阿げ共 尓

さしあげともに


甲 端 尓て

こうたんにて


二鈴 をうつとき右 の脚 を一 歩まへ尓

にれいをうつときみぎのあしをいっぽまえに


ふミ多゛しもろ手をうしろ尓とり乙 端 尓て二鈴 を

ふみだ しもろてをうしろにとりおつたんにてにれいを


うつとき尓右 足 を引 てもとの処  へかへ春事 八 呼

うつときにみぎあしをひきてもとのところへかえすことはっこ


(大意)

◯第七図

両手を曲げずに二鈴を頭の上に

さし上げ両方の甲端で

二鈴をうつとき右の足を一歩前に

踏み出し、両手を後ろにして乙端で二鈴を

打つときに右足を引いてもとの位置に戻す事

八呼

(補足)

「もろ手」、ここでは「も」の筆順が下端から左上に戻るようにして書きはじめの上部で右回りになってます。

「甲端」「乙端」は唖鈴の球状の部分。

 

2021年5月10日月曜日

唖鈴体操術 その7

P6

(読み)

◯第六圖

 だいろくず


めてのすゞを由んでの春ゞ尓てうちく多゛し

めてのすずをゆんでのすずにてうつくだ し


由んでの春゛ゞをれう可゛んのた可さ尓とゞめをき

ゆんでのす ずをれうが んのたかさにとどめおき


めてを

めてを


くゞむる

くぐむる


奈くまへの下より

なくまえのしたより


うしろのうへ尓

うしろのうえに


輪をゑ可゛ける如 く尓まハしめての乙 端 尓て由んでの甲 端 を

わをえが けるごとくにまわしめてのおつたんにてゆんでのこうたんを


うち又 右 左 りとりかへてかく春ることおの\/十  一 呼尓い多る

うちまたみぎひだりとりかえてかくすることおのおのじゅういっこにいたる


(大意)

◯第六図

右手の鈴を左手の鈴で打ち下ろし

左手の鈴を目の高さに位置させたまま

右手を曲げずに(伸ばしたまま)前方の下側より後方へ輪を描くように

回しあげ、右手の乙端(唖鈴の下側)で左手の甲端(唖鈴の上側)を打ち、

また左右取り替えて同じ様に行うこと各々11呼。


(補足)

「めて」(馬手)、「ゆんで」(弓手)。最初は平仮名「す」、次は変体仮名「春」(す)、「十」+「て」のようなかたち。

「れうがんのた可さ」、「れうがん」を辞書で調べてもヒットしません。

「輪」、「鈴」でもそうでしたが、くずし字の偏はどれもいい加減で同じような形に見えます。漢字は基本的に旁の部品のほうで読むからでしょうか。

 点線で唖鈴の動きがわかります。胸の前で腕を伸ばしたまま交互にグルグルまわす運動です。単純な動作ですが、文章で説明するとなるとなかなか大変。

 

2021年5月9日日曜日

唖鈴体操術 その6

P5

(読み)

◯第五圖

 だいごず


手のかうをそと尓むけすゞをたひら尓

てのこうをそとにむけすずをたいらに


右 左 りの手をか王る\/

みぎひだりのてをかわるがわる


うへ尓あげ

うえにあげ


もろ手を

もろてを


くゞめて二鈴 をむね尓とる十  一 呼

くぐめてにれいをむねにとるじゅういっこ


又 ハ十  二呼尓て左 りの手をくゞむる奈く上 よりさげること

またはじゅうにこにてひだりのてをくぐむるなくうえよりさげること


右 の手をくゞむる奈く下 よりせい めん尓阿げとも尓二鈴 を打(うつ)

みぎのてをくぐむるなくしたよりしょうめんにあげともににれいをうつ


(大意)

◯第五図

手の甲を外側に向け、唖鈴を平らにして

左右の手をかわるがわる上にあげ

両手を曲げて二鈴を胸の位置に戻す。

11呼または12呼で左の手を曲げることなく

上より下げること。

右の手を曲げることなく下より正面にあげ

共に二鈴をうつ。

(補足)

「すゞをたひら尓」、「ゞ」が「・」になってますが、文意のながれから唖鈴のことでしょう。平仮名「た」がでてきました。

「か王る\/」、変体仮名「王」(わ)と「る」がくっついています。

「くゞめて」、「屈む」(くぐむ)はかがむなので前かがみに姿勢を低くすること。なので両手を曲げるの意としました。

次の動作がよくわかりませんが、「11呼または12呼で」、左の手を伸ばしたまま正面の位置に水平にして、右の手も伸ばしたまま下より正面にあげて、二鈴をあわせる、ということでしょうか。一連の運動の最後は腕を伸ばしたまま胸の位置に戻すということだとおもいます。

「せいめん尓阿げ」、変体仮名「阿」(あ)。

モデルの髪型が現在と全く変わらないのがおもしろい。

 

2021年5月8日土曜日

唖鈴体操術 その5

P4

(読み)

◯第四圖

 だいよんず


甲 端 をうへ尓むけ二鈴 をかろくむねをうち

こうたんをうえにむけにれいをかろくむねをうち


もろ手をまへ尓

もろてをまえに


の者゛し

のば し


又 下 尓

またしたに


の者゛し手のかうを

のば してのこうを


そと尓むけ二鈴 を

そとにむけにれいを


又 もむ様 尓とり

またもむようにとり


もろ手をまへ尓の者゛すこと十  二呼

もろてをまえにのば すことじゅうにこ


(大意)

◯第四図

甲端を上に向け二鈴を軽く胸にうち

両手を前に伸ばし、

又下に伸ばし、手の甲を

外側に向けて二鈴を

又もむようにとり

両手を前に伸ばすこと12呼。

(補足)

「甲端」は唖鈴の両側の球状の部分のようです。

「又もむ様尓とり」、「様」(よう)としましたがさて?「もむように」とはどのような動作なのか?

 

2021年5月7日金曜日

唖鈴体操術 その4

P3

(読み)

◯第三圖

 だいさんず


図の如 く二 ツの唖鈴

ずのごとくふたつのあれい


をむね尓とりつよく

をむねにとりつよく


もろ手を

もろてを


両  可王尓

りょうがわに


たひら尓の者゛し

たいらにのば し


亜鈴 のかう尓て

あれいのこうにて


そくめんの空 中  をうつ八 呼◯ー

そくめんのくうちゅうをうつはっこ


◯ーもろ手をかしらのうへ尓ますぐ

  もろてをかしらのうえにますぐ


尓の者゛し亜鈴 のかうの者しを◯☓

にのば しあれいのこうのはしを


◯☓まへ尓むけ二鈴の甲端尓て

  まえにむけにれいのこうたんにて


うへの方 の空 中  をうつ八 呼

うえのほうのくうちゅうをうつはっこ


(大意)

◯第三図

 図のように二つの唖鈴を胸の前にもち、強く

両手を両側に平らに伸ばし、唖鈴の甲で

側面の空中をうつ。八呼。

 両手を頭の上に真っ直ぐに伸ばし、唖鈴の甲の端を

前に向け、二鈴の甲端で上方の空中を打つ。八呼。


(補足)

 動作の内容が点線で描かれているので、動き自体はよく理解できます。

平仮名「か」も使われだしていますが、平仮名「た」も目にすることが多くなってきました。

変体仮名「者」(は)は相変わらずで平仮名「は」ありません。

「両可王尓」、「両」のくずし字は前頁で既出。「可王尓」(かわに)は変体仮名ずくし。

 

2021年5月6日木曜日

唖鈴体操術 その3

P2

(読み)

◯第二圖

 だいにず


もろ手をたれ多る

もろてをたれたる


まゝつよく二鈴 の

ままつよくにれいの


かうの方 尓て

こうのほうにて


志多のくう

したのくう


ちやうをうち

ちゅうをうち


(一)ふ多つの唖鈴 をむね尓とり手の甲 をそと尓むけ

   ふたつのあれいをむねにとりてのこうをそとにむけ


(二)図の如 くつよく両  手をまへ尓の者゛し

   ずのごとくつよくりょうてをまえにのば し


(三)二鈴 の甲 端 尓てぜんめんの空 中  をうつ事 八呼

   にれいのこうたんにてぜんめんのくうちゅうをうつことはっこ


(大意)

◯第二図

両手を下げたまま強くニ鈴の

甲の方で下に強く振り下ろし

(一)二つの唖鈴を胸の位置に戻し手の甲を外に向け

(二)図のように強く両手を前に伸ばし

(三)二鈴の甲端で前方の空中を打つ

八呼

(補足)

「八呼」は八回繰り返すことかとおもったら間違いのようです。

全国ラジを体操連盟のHPに次のようにありました。

『体操での一連の動作の掛け声で「イチ、ニィ、サン、シィ」を4呼間といい、「イチ、ニィ、サン、シィ、ゴォ、ロク、シチ、ハチ」を8呼間といいます。ラジオ体操の各運動は、4呼間を4回繰り返したり、8呼間を2回繰り返すのがほとんどです。お一人で体操を行う際は、「イチ、ニィ、サン、シィ・・・」を繰り返しても、ご自分が何回目の繰り返し運動を行っていることが分かっていますので、次の新しい運動に入る際に間違えることはないかと思います。しかしながら、大勢の方と一緒に体操を行っている場合は、「ニィ、ニィ、サン、シィ・・・」と、今、何回目の繰り返し運動を行っていますよと伝え、次の新しい運動に入る際に間違えないようにする伝達方法になります』

 この運動は1唖鈴を下に振り下ろす2胸に戻す3前方に突き出す4胸に戻すで「イチ、ニィ、サン、シィ」の4呼間となります。八呼ですからこの動作を二回繰り返すことになります。

「まゝつよく」、「ま」が特徴的。「つよく」がなんだろうとおもいましたが、「二」に「つよく」とあり、「よ」の一画目が「ゝ」のようになっているのでした。

「二鈴のかうの方」、「かう」は「甲」で球状の部分のことでしょうか。

「両手を」、「両」のくずし字、くずし字はかたちで覚えるしかなさそうです。

「うつ事」、「事」のくずし字が「る」ににてます。

 

2021年5月5日水曜日

唖鈴体操術 その2

P1

(読み)

◯第一圖

 だいいちず


生 徒えんし由うを者じむるまへ尓

せいとえんしゅうをはじむるまえに


から多゛の少 しも

からだ のすこしも


い可゛まぬ

いが まぬ


やう尓

ように


きをつけ王きめも

きをつけわきめも


奈さて教  師の号 令 を

なさてきょうしのごうれいを


まねてえんしゆうを

まねてえんしゅうを


者しむ遍゛し

はしむべ し


(大意)

◯第一図

生徒は演習を始める前に

体を少しの怪我もしないように

気をつけ、集中して

教師の動きをまねて

演習に励むべし

(補足)

頁の半分をしめるデカイ角印は「東京図書館蔵」とあります。大意はあってるとおもいますが、重なってしまっている文章がよくわかりません。いくつか読み違えているかも。

明治7年出版「小学必携體操圖解」田邉良作著のモデルだった子どもが12年後に青年になって再度戻ってきたような感じのモデルです。

「者じむる」、変体仮名「者」(は)、「む」の後半が右下に流れます。

「い可゛む」は「歪む」(ゆがむ)で、曲がったりねじれたりして物の形が正しくなくなるの意ですから、怪我をしないようにではなく、教師の動き(をよくなぞって)と同じ様に気をつけなさいということかもしれません。

「者しむ遍゛し」、「者しむ」は「はげむ」でしょうか?「始める」でしょうか?

 

2021年5月4日火曜日

唖鈴体操術その1

表紙

(読み)

ボヲール

ボール


球竿

きゅうかん


竹内榮久編輯

たけうちえいきゅうへんしゅう


啞鈴 體 操 術   全

あれいたいそうじゅつ ぜん


棍棒

こんぼう


ベエース

べーす


啞鈴

あれい


明治十九年新刻

めいじじゅうきゅうねんしんこく


豆曩

とうのう


三好堂梓

みよしどうし


(大意)

(補足)

啞鈴はダンベル(dumbbell)、文字通り音の出ない鈴の意。木製。

ここにある道具の体操術は「体操伝習所:筑波大学体育・スポーツ史料室編」に詳しい。

このような「小学生徒体操之図(明治19年)」があります。

価格は3銭5厘。

 

2021年5月3日月曜日

改算塵劫記P40禰春゛ミ佐んの事 その3

P41

(読み)

年 中  之分 合   二百七十六億八千二百五十七万四千四百二疋 なり

ねんちゅうのぶんあはせて                   ひきなり


正月ニ

しょうがつに


生 れ子 十  二疋

むまれこ じゅうにひき


親 とも 十  四 疋

おやとも じゅうよんひき


二月ニ

同 八十四疋

同 九十八疋

三月ニ

同 五百八十八疋

同 六百八十六疋

四月ニ

同 四千百十六疋

同 四千八百二疋

五月ニ

同 二万八千八百十二疋

同 三万三千六百十四匹

六月ニ

同 廿一万令千六百八十四疋

同 廿三万五千二百九十八疋

七月ニ

同 百四十一万千七百八十八疋

同 百六十四万七千令八十六疋

八月ニ

同 九百八十八万二千五百十六疋

同 千百五十二万九千六百令二疋

九月ニ

同 六千九百十七万七千六百十二疋

同 八千令七十万七千二百十四疋

十月ニ

同 四億八千四百廿四万三千二百八十四疋

同 五億六千四百九十五万四百九十八疋

十一月ニ

同 卅三億八千九百七十万二千九百八十八疋

同 卅九億五千四百六十五万二千四百八十六疋

十二月ニ

同 二百卅七億二千七百九十二万令九百十六疋

同 二百七十六億八千二百五十七万四千四百二令疋


法 尓禰ずミ二疋 に七 越十  二多ひ可个連ハ右 禰春ミの高 志連申  候  也

ほうにねずみにひきにしちをじゅうにたびかければみぎねずみのたかしれもうしそうろうなり


(大意)

一年分合わせて

276億8257万4402疋となる。

途中略

計算方法は

ねずみ2匹に7を12回掛ければ右のねずみの合計した数を得ることができる。

(補足)

 漢数字や位取りの勉強になります。「五」のくずし字はなれないと難しい。「千」の縦棒が「手」のように曲がります。算用数字「0」が「令」となってます。「零式戦闘機」で「零」だとおもってましたが「雨」がなくてもよさそうです。

「多ひ可个連」、「可」が小さく、「个」がわかりずらい。「高」のくずし字はかたちでおぼえる。

 計算式は 2✕7(の)12(乗)=27682574402

そろばんの威力の見せ所。凄まじい。


 

2021年5月2日日曜日

改算塵劫記P40禰春゛ミ佐んの事 その2

P40禰春゛ミ佐んの事

(読み)

おや

おや


共 に九  十  八 疋 尓成 かく能ごとくに月 尓一 度

ともにきゅうじゅうはっぴきになるかくのごとくにつきにいちど


川ゝおやも子もまたまごもひこも月 ゝ に

ずつおやもこもまたまごもひこもつきずきに


十  二疋 川ゝうむ時 尓十  二月 尓ハな尓本ど

じゅうにひきずつうむときにじゅうにがつにはなにほど


に奈るぞといふ

になるぞという


(大意)

親とあわせ98匹になる。このように月に一度

ずつ親も子もまた孫もひ孫も月々に

12匹ずつ生むとき、12月には何匹になっているかを

問う。

(補足)

 計算好きにはたまらない問題でしょう。そろばんをパチパチはじいてはうーんとうなって何度も何度も繰り返して、口は半開きになって恍惚状態。答えが出たとおもってもまた弾く・・・

「共に」、「共」のくずしじは古文書でもこんな感じ。

「成」、2行前では「なる」でした。

変体仮名「能」(の)、初めての時は何だこりゃとおもいましたけどよくでてきます。平仮名「の」が見出しにあります。

「ごとくに」、合字「こと」に「゛」。平仮名「に」がずいぶんとでてきます。たいていは変体仮名「尓」。

「な尓本どに奈るぞ」、平仮名「な」と変体仮名「奈」、平仮名「な」は珍しいのですけど、ここではよく使われています。

 

2021年5月1日土曜日

改算塵劫記P40禰春゛ミ佐んの事 その1

P40禰春゛ミ佐んの事

(読み)

◯禰春゛ミ佐んの事

 ねず みさんのこと


◯正  月 尓ね春゛ミ父 母 出 天子越十  二疋

 しょうがつにねず みちちははいでてこをじゅうにひき


うむおや共 尓十  四 ひきになる此 禰ずミ二

うむおやともにじゅうよんひきになるこのねずみに


月 尓ハ子もまた子越十  二疋 川ゝうむゆへ尓

がつにはこもまたこをじゅうにひきずつうむゆへに


(大意)

◯ねずみ算のこと

正月にねずみ父母がいて子を12匹生む。

親とあわせて14匹になる。このねずみが

2月には子もまた子を12匹ずつ生むので

(補足)

 ねずみがイタチみたいです。七福神のひとり大黒天が難しい顔をしてそろばんをにらんでます。塵劫記はそろばんの詳細な解説書でもあります。全く扱いをしらないところからそろばん名人になるまで図解入りです。そろばんをパチパチ弾くことの快さのために算数・数学をしているような書になっているところが愉快であります。

「禰春゛ミ佐ん」、変体仮名「禰」(ね)。変体仮名「春」(す)、「十」+「て」のようなかたち。変体仮名「佐」(さ)。

変体仮名「天」(て)、「く」の上部に飾りがつきます。変体仮名「越」(を)。

「ひきになる」、「ひ」の最後が内側に入っています。平仮名「に」が何箇所か出てきますがたいていは「尓」のほうが多い。平仮名「な」に見えます、めずらしい。

「禰ずミ」、平仮名「す」はやはりめずらしい。

「十二疋川ゝうむゆへ」、変体仮名「川」(つ)。変体仮名「由」(ゆ)が平仮名のようにみえます。

 江戸中期と後期ではずいぶんと変体仮名や平仮名の使われ方や形も異なっています。