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2021年1月29日金曜日

豆本 金太郎咄し その14

奥付

裏表紙

(読み)

奥付

御届明治十八年六月一日

編輯

画工兼出板人

東京日本橋區

馬喰町二町目七番地

佐藤新太郎

(大意)

(補足)

 御届の明治十八年六月一日の日付で佐藤新太郎は11冊の豆本を出版しています!そして内務省交付の日付も明治十九年十二月十四日で11冊みな同じです。江戸時代後期娯楽本は正月に発売されるのが恒例でした。内務省交付の日付が正月をずっとすぎてしまっているのがよくわかりませんが。11冊もの豆本をまとめての出版、どんな事情があったのか興味のあるところです。裏表紙は横縞柄。

 

2021年1月28日木曜日

豆本 金太郎咄し その13

P12

(読み)

めでたし

めでたし


\/\/

\/\/


(大意)

めでたい


(補足)

 金太郎は表紙からこの場面までずっとマッカッカでありました。赤の色は貴重でしたが明治になって外国から安く輸入できたため爆発的に赤が多用されるようになり、明治赤といわれています。しかしこの豆本の出版は明治18年、いい加減そんな状況も落ち着いたとおもわれますが、赤へのこだわりはすてがたかったようです。

 幕の家紋は清和源氏の代表的な笹竜胆(ささりんどう)。金太郎は頼光公より固めの杯を頂戴してるのかも。金太郎の着物柄は白地に赤と青の方形模様に◯、おもしろいです。

佐藤新太郎はこの「金太郎咄し」以外にも「金太郎一代記」「金太郎山めぐり」も出版しています。売れ筋だったのか新太郎が好きだったのかはわかりません。

 

2021年1月27日水曜日

豆本 金太郎咄し その12

P10P11見開き

(読み)

P10

志てんのうの[つぎへ]

してんのうの


P11

いち尓ん

いちにん


と奈り

となり


志とそ

しとそ


(大意)

四天王のひとりと

なったとのことです。


(補足)

 鬼退治の場面は大蛇退治の迫力に比べると絵全体の雰囲気がサラッとしています。金太郎の奥の白い家来は猿?狐?兎はウワバミにのまれちゃったはずだし。投げつけられた岩石の下敷きになっている鬼の手足がどうなっているのかよくわかりません。その岩石の表面の凸凹の表情の絵柄がなんとなく不気味。

変体仮名「志」(し)が旧仮名遣い平仮名「ゑ」とにているので注意です。

 

2021年1月26日火曜日

豆本 金太郎咄し その11

P8P9見開き

(読み)

◯可バ

 かば


きん多ろう[つぎへ]

きんたろう


[つゞき]

ひとり

ひとり


尓て

にて


を尓を

おにを


ミな

みな


ごろし尓

ごろしに


奈すよ里ミつこう

なすよりみつこう


のけらいと奈り

のけらいとなり


て奈をさ可多

てなをさかた


のきん

のきん


ときとあらため

ときとあらため


(大意)

(襲った)ので、金太郎は

ひとりで鬼を皆殺しにしました。

頼光公の家来となり

名を坂田の金時とあらため


(補足)

 この頁では鬼ではなくうわばみ(大蛇)退治のところです。金太郎の両脚の描き方が佐藤新太郎らしさが出ています。まさかりの大きいこと、また柄と刃の接合部分まで細かく描き、手元部分もしっかり描いています。うわばみの背の鱗(うろこ)、腹の紅白、顔もおどろおどろしい。

「よ里ミつこう」、里とミがつながって読みづらい、話の内容を知っていたので読めました。

最後の行に平仮名「た」があります。

 

2021年1月25日月曜日

豆本 金太郎咄し その10

P7

(読み)

[つゞき]

まさ加りを

まさかりを


もつてうハ者゛ミを多いじ

もってうわば みをたいじ


奈すや満

なすやま


をくへハ

をくへは


お尓可゛

おにが


いでゝけ多゛

いでてけだ


ものを

ものを


あらせし◯

あらせし


(大意)

まさかりを

持って大蛇(うわばみ)を退治

しました。山奥では

鬼が出て、獣(けだもの)たちを

襲って


(補足)

「まさ加りを」、平仮名の「か」とおもいましたがよく見ると変体仮名「加」のようです。

「もつて」、平仮名「も」にみえませんが、「し」のようにかきだして下端で急カーブで左上に上がりすぐに右回りにまわってそのまま下へながします。最後から2行目「ものを」のほうが「も」らしくみえます。

「や満」、変体仮名「満」(ま)があるので「や」とわかります。これだけだったら「つ」にもみえてしまう。

P6P7見開き

この見開きも色ズレはなく摺りは完璧です。5つの提灯の背景はちゃんと青ですが、花火の赤と黄色の炎の背景は彫りがわずらわしかったのか手抜きしてしまったようです。提灯の上の箱には足柄山?が描かれています。花火の支柱に紅白の帯まであります。狐の笑顔がほほえましい。

 

2021年1月24日日曜日

豆本 金太郎咄し その9

 

P6

(読み)

△きん多らう

 きんたろう


お本き尓

おほきに


者らを

はらを


(たち)

(たち)

[つぎへ]


(大意)

金太郎は

非常に腹をたて


(補足)

「者らを」のあとが汚れで読めません。文章の流れから類推すると「腹を(たて)or(たち)」でしょうか。

絵は花火を楽しんでいるところ。縦横縞の浴衣のような単衣をきて、はちきれんばかりの健康優良児であります。


2021年1月19日火曜日

豆本 金太郎咄し その4

P.1後半

(読み)

五あつめてぎやう連つ

 あつめてぎょうれつ


奈ぞしてあそびける

なぞしてあそびける


あるひをくや満の春ぎの

あるひおくやまのすぎの


(大意)

集めて行列

など遊んでいました。

ある日奥山の杉の


(補足)

 佐藤新太郎の豆本は国立国会図書館デジタルアーカイブに11点あります。この「金太郎咄し」はまだ読むことができますが、他のものは版を重ねたもののためか読み難いところが多くあります。さらに佐藤新太郎のものは摺りが比較的サラッとしたものなので、さらに読みづらくなってしまっています。 

2021年1月18日月曜日

豆本 金太郎咄し その3

P.1前半

(読み)

む可し\/

むかしむかし


阿しがらや満

あしがらやま


尓春む

にすむ


やま◯

やま


◯う者゛のこ尓

 うばのこに


△まいにち\/◯

 まいにちまいにち


◯くまや

 くまや


さる奈どを五

さるなどを


(大意)

むかしむかし

足柄山(あしがらやま)

に住む

山姥(やまうば)の子に

毎日毎日

熊や猿などを


(補足)

 山姥の着物柄が表紙の扇子を手に舞っている女のひとのものと同じです。天女ではなく山姥でした。山姥のお尻に見えるのは尻尾ではなく長い髪の毛の端。

「阿しがらや満」、変体仮名「阿」の出だしが「√」記号のよう。続く「し」が小さい。変体仮名ではなく平仮名「が」。「ゆ」とまぎらわしい「や」が使われているかとおもえば、現在の「や」と同じものが混在しています。「ま」についても同様です。

佐藤新太郎のものは絵全体の印象がどこかサラッと淡白な感じがします。

 

2021年1月17日日曜日

豆本 金太郎咄し その2

見返し

(読み)

崟太郎者゛奈し

きんたろうばなし


国政ゑ可゛く

くにまさえがく


明治十九年十二月十四日内務省交付1930

(大意)

(補足)

「金」の字に山冠「山」が付いています。フォントにないとおもったらありました。ぎん、みね、たかいなどと読むようです。「郎」のくずし字は古文書の人名が出てくるものには必ずあるのでおなじみです。偏と旁は部品が左右にわかれますが、それが上下になったような感じになります。

 松の枝に釣り竿ひっかけ格子縞の単衣が風になびいています。豆本の見返しは素晴らしいものがおおく、どれもこれも季節ごとに飾りたくなるものばかりです。

 

2021年1月16日土曜日

豆本金太郎咄し その1

表紙

(読み)

金太郎咄し

きんたろうばなし

(大意)

(補足)

 ラベルが貼ってあるので「咄し」は確かですが、「金太郎」は?。

金太郎の襟足?が細い線で凝っています。

雲に乗って舞っているのは天女?

御届明治十八年六月一日

編輯画工兼出板人佐藤新太郎。