2026年7月1日水曜日

大日本物産圖會その10

P10 国立国会図書館デジタルコレクション蔵

P10_1

(読み)

同 新 酒 荷出 之圖

どうしんしゅにだしのず


酒 造  ハ白 米 五斗を以 て一酛(ヒトモト)或

さけづくりははくまいごとをもって   ひともと あるい


ハ一 ト仕廻(シマヒ)と立て米 を洗 ひ蒸して

はいっと   しまい とたてまいをあらいむして



糀  一 斗七 升  水 四 斗八 升  を加 ふるを

こうじいっとななしょうみずよんとはっしょうをくわうるを


初 めとし桶 へ入 可へ梓廻(カキマハ)す事 数 度

はじめとしおけへいれかえ   かきまわ すことすうど


尓して又 米 糀  水 を増 加すること

にしてまたこめこうじみずをぞうかすること


四 度都合 白 米 奈らび耳麹

よんどつごうはくまいならびにこうじ


合 して八 石 五斗水 四 石 四 斗

あわしてはっこくごとみずよんこくよんと


と奈る日 数 凡  十  三 四日 尓手入

となるにっすうおよそじゅうさんしにちにていれ


して熟成(ジユクセイ)の酒 と奈る後嚢(フクロ)ニ

して   じゅくせい のさけとなるのち ふくろ に


い連槽(フネ)尓満(ミタ)して絞(シボ)りす満し

いれ  ふね に  みた して  しぼ りすまし


をけに入 てこし四 斗だるに

おけにいれてこしよんとだるに


収 め凡 そ酛(モト)尓天廿   三 四樽 登

おさめおよそ  もと にてにじゅうさんしたると


なるもの那り

なるものなり

(大意)

(補足)

「一斗」、『と【斗】① 尺貫法の容積の単位。一斗は一〇升,約18.039l』。

「一石」、『こく【石・斛】① 体積の単位。米穀などを量るのに用いる。一石は一〇斗。約180l』。

「尓して又米糀水を増加すること」の行が頁の折り目にかさなってしまって判読が難しいので他の史料にたよりました。

 前回なぜ床があのように池のごとくになっているかが、ここ詞書きでいくらかわかりました。しかし、ここに記されている酒の作り方の流れはとても荒っぽく、これでは酒は作れません。江戸時代の酒は酸っぱかったはずときいたことがありますが、この作り方ではそうだったかもしれません。

 現在の日本酒の作り方はとても繊細で丁寧であり、米をみがいて(洗米)、浸水(浸漬)させるのもストップウオッチ片手に秒単位で行われています。

 樽を菰藁(こもわら)でおおって樽を保護しています。その藁が本物のような手触りが感じられ、これまた摺師の技でありましょう。うまい‼️