P62 東京都立図書館蔵
P62_1
(読み)
三河 國 名倉砥(ナクラド)切 出 ノ圖
みかわのくに なぐらど きりだしのず
八名郡 名倉 といふ地より
やなぐんなぐらというちより
切 出須故 尓名倉 砥の名
きりだすゆえになぐらどのな
なり山 中 砥石 の苗 を逐
なりさんちゅうといしのなえをちく
深 く堀 入、四角 尓長 く切
ふかくほりいれしかくにながくきり
出して四 本 づゝ馬 尓付
だしてよんほんずつうまにつけ
て里 尓い多゛須青 白 砥石
てさとにいだ すせいはくといし
と異 り薄 黒 く斑(マダラ)あり
とことなりうすぐろく まだら あり
天其質(シツ)滑(ナメラカ)奈り刀剣剃(トウケンカミ)
てその しつ なめらか なり とうけんかみ
刀(ソリ)等 尓用 ひ又 合 砥に用 由
そり とうにもちいまたあわせどにもちゆ
(大意)
略
(補足)
「三河國」、愛知県中部・東部に相当。三州(さんしゆう)。
「逐」、『ちく【逐】① 追いかける。追いはらう。「逐電」「逐鹿(ちくろく)」「駆逐」「放逐」② 順を追って進む。「逐一」「逐次」「逐日」「逐条」「逐語訳」』
「己」+「大」、「異」の異体字。古文書では普通に使われています。
「合砥」(あわせど)、天然の仕上げ砥石。人造砥石の#3000〜#13000以上に相当。
わたしは木工を数十年やってまして、ほそぼそと販売を続けています。ですので刃物を研ぐのは日常で、砥石もいくつか所有しています。しかしながら天然砥石はとても高価で手が出ません。切れ味が少しでもおちたなとおもったらすぐに研ぐのが一番で、そのようにしていれば、大抵は中砥と仕上げでそれほど時間もかからずに研ぎ上がります。なお老婆心ながら、研ぐというと砥石と刃物をしゅっしゅっと動かすところしか動画などではでてきませんが、砥石ともう一つの砥石でこすり合わせて砥石面を真っ平らにするという大事な手入れをしないと、刃物はきちんと研げません。砥石は二ついるということです。
以前TVで外国の方が日本の砥石の名産地で天然砥石を求め、帰国して包丁研ぎの仕事をしている様子が放映されました。その方の研ぎは上手で申し分ないのですが、研ぎ過ぎで砥石も刃物も、もったいなく、あの十分の一程かもっと少なくてよいのにと、とにかくもったいないとおもったものでした。研ぎの魔力で研ぎすぎてしまうのです。
子どものころ、〽ほうちょう〜とぎやでございっ、と独特の節回しで、道具一式を肩にかついで街中を流す研屋さんがいました。わずかな金銭でササッと手早く出刃包丁や菜切り包丁を研ぐのを息を詰めてながめたものでした。
露天掘りで掘り出してます。いくらでもとれたのでしょうか。現在では坑道を掘ってその奥で鉱脈をみつけ、少しずつの生産をしているようです。
崖の上で切り出している職人ふたりや切り出された石を天秤棒で運ぶ二人の職人さん、また右側のそれらを加工したり、馬にヨイショッとのせようとしている人、皆々仕事中の体の力の入れようがわかる態勢を上手に描いているなぁと感心してしまいます。
赤い花の濃淡のつけかたなど、これまた見事であります。














































