2026年8月4日火曜日

大日本物産圖會その44

P44 国立国会図書館デジタルコレクション蔵 

P44_1

(読み)

備前  國 白 魚 漁  之圖

びぜんのくにしらうおりょうのず


白 魚 ハ當 国 児島(コシマ)郡  福

しらうおはとうごく   こじま こおりふく


島 の湊(ミナト)藤 戸の渡 し辺  より

しまの  みなと ふじとのわたしあたりより


産 ずる小魚  にして夜中

さんするこざかなにしてよなか


数多(アマタ)の漁 舟  篝火(カゞリビ)を焼(タ)き

   あまた のりょしゅう   かがりび を  た き


罾網(ヨツテアミ)をおろして之 を漁(ト)る

   よつであみ をおろしてこれを  と る


その景況(アリサマ)陸 より遠(トホ)く望(ノゾ)

その   ありさま おかより  とお く  のぞ


む時 ハ篝  火海水(カイスイ)尓映(ヱイ)し宛(サ)

むときはかがりび   かいすい に  えい し  さ


奈可゛ら筑紫(ツクシ)の不知火(シラヌヒ)の如 く

なが ら   つくし の    しらぬい のごとく


なりといふ網(アミ)尓かゝ里多る魚 ハ

なりという  あみ にかかりたるうおは


クマを以 てとり干(ホシ)て他國 へ出須

くまをもってとり  ほし てたこくへだす

(大意)

(補足)

「罾網」、『罾網(そうえん)とは、魚を捕まえるための四角形や四つ手の網(四つ手網・敷網の一種)のことです。四隅を支えて水中に沈め、エサで魚をおびき寄せて引き上げて使います』。

 初代広重「江戸名所百景」で使われた、題材を極端に前面に大きく描く図法です。十八番ですね。

 四つ手網の青い竹竿(節ごとに濃淡をほどこしている)の張り具合が素晴らしい、上部の枠をはみ出さん勢い。篝火がどんなふうになっているかがわかりにくいですが、網の向こうに見える漁舟を見ると舳先に据え付けているのがわかります。網の中に入っている白魚、小魚、海老、蟹などの重みでその部分が沈んでいるようにも見えます。右手でタモですくっていますが、詞書きではクマとなっています。

 満月がのぼって網にかけているところがにくい演出、そして月明かりが海面に映えています。漁師の獲物を見る目が鋭い!網目がややモアレに見える(ような気がする)のは摺師の技か?水平線は赤色で区切りをつけていたが、ここではめずらしく紫色の濃淡です。

 

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