2026年8月20日木曜日

大日本物産圖會その60

P60 東京都立図書館蔵 

P60_1

(読み)

岩 代  國 会 津蝋 實採 ノ図

いわしろのくにあいずろうみとりのず


蝋(ラウ)ハ日 用 必 需(ヒツジユ)の品 尓て山漆(ウルシ)

  ろう はにちよう    ひつじゅ のしなにてやま うるし  


ハゼ漆  天竺桂(コガノキ)の実等 より

はぜうるし    こがのき のみなどより


採(トリ)或(アルイ)ハ蜂(ハチ)の巣(ス)水蝋樹(イボタ)ホ より

  とり   あるい は  はち の  す     いぼた などより


取るものあり當 国 尓て漆樹(ウルシ)

とるものありとうごくにて   うるし


よりとる物 ハ十  月 落 葉 頃(コロ)

よりとりものはじゅうがつらくよう  ころ


実(ミ)をとり臼(ウス)尓て搗(ツキ)箕(ミ)尓

  み をとり  うす にて  つき   み に


て粉(コ)と種(タネ)とを簸(フルヒ)王け大

て  こ と  たね とを  ふるい わけおお


釜(カマ)の上 へ木材(キ)を並 べ莚(ムシロ)を

  がま のうえへ   き をならべ  むしろ を


布(シ)き搗(ツキ)多る粉を橵(チラ)し蒸(ムシ)

 し き   つき たるこを  ちら し  むし


て又 麻(アサ)の帒(フクロ)尓入連ふ多ゝび

てまた  あさ の  ふくろ にいれふたたび


むして〆 木尓いれ搾(シボル)奈り

むしてしめきにいれ  しぼる なり

(大意)

(補足)

「岩代國」、いわしろ いはしろ 【岩代・磐代】① 旧国名の一。1868年(明治1)陸奥(むつ)国を分割して成立。福島県中西部に相当。

「天竺桂」、『「天竺桂(てんじくけい)」および「コガノキ(鹿子木)」は、どちらも複数のクスノキ科の常緑高木を指す古い漢名や別名であり、文脈によってヤブニッケイまたはカゴノキのどちらをも指す場合がある』。

「水蝋樹」、『いぼたのき【〈水蠟〉 樹・疣取木】モクセイ科の落葉低木。葉は対生し,長楕円形で全縁。五月頃,枝先に白色四弁の筒状花を数個ずつ開き,秋に紫黒色の実を結ぶ。日本各地に分布。この樹皮に寄生するイボタカイガラムシ(イボタロウムシ)の分泌する蠟(ろう)分からイボタ蠟を採集する。イボタ』。

「粉」、右側は「分」でそのくずし字は「彡」(さんづくり)+「丶」です。

 この画のように蝋の原料を採ることは現在でも行われていて、石油由来の蝋では代替できない分野では必需品です。これからも天然蝋はなくならないとおもいます。

 櫨(ハゼ)の実からとった蝋で作られた蝋燭を何本も持っています。会津の絵蝋燭ももう50年以上手元にあって、もったいなくてながめるだけにしています。

 枝からぶら下げた籠がきれいです。

 

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