2026年9月1日火曜日

大日本物産圖會その72

P72 東京都立図書館蔵

P72_1

(読み)

同 西瓜 畑  之圖

どうすいかばたけのず


葛 飾 千葉の両  群 尓て

かつしかちばのりょうぐんにて


お本く畑  尓作 る蔓草(ツルクサ)

おおくはたけにつくる   つるくさ


尓して実の大  さ冬 瓜

にしてみのおおきさとうがん


のことく七 八 月 のころ熟(シユク)

のごとくしちはちがつのごろ  じゅく


し其 そと皮 ハ青 黒 色  ニ

しそのそとかわはあおぐろしょくに


志て中 ハ紅 色 奈りま多

してなかはべにいろなりまた


外 皮 白 青 色 尓して中

そとかわしろあおいろにしてなか


黄奈るものあり水 多 くし

きなるものありみずおおくし


て味 甘 し暑熱(シヨネツ)を消(セ ウ)す

てあじあまし   しょねつ を  しょう す


もの那り

ものなり

(大意)

(補足)

「同」、下総国。『しもうさ しもふさ 【下総】千葉県北部と茨城県の南西部にあたる。しもふさ。しもつふさ』

 スイカ畑。関東ロームの黒色を耕した土ではなく、水はけの良い砂地のように見えます。投げ上げている西瓜が枠をはみだしそう。この大きさだとここまでの高さに放り上げることは難しいというかできません。やったことがあるのでわかります。

 話題に取り上げた品々はなんでも誇張して大きく、または極端な遠近法を用いたりするのが浮世絵・錦絵の定番。でも下に落ちて割れているのは、そんなこともあったでしょうから、こどもは食べようと小走りに、大人はとっくにかじっています。

 畔道の木陰にお稲荷さんがあって、西瓜が供物にされていそう。天秤棒で前後に二個ずつ下げて、これは重たい。西瓜農家は何をするにも力仕事です。それにしても西瓜を見上げる二人の表情がほがらかでうまいなぁ。

 西瓜もすっかり高級品となてしまって、手が出なくなりました。