2026年9月14日月曜日

大日本物産圖會その85

 

P85 「船橋市西図書館所蔵」「画像の無断ダウンロード禁止」

P85_1

(読み)

下 野 足 利 辺 高 機 之圖

しもつけあしかがへんたかはたのず


當 国 足利(アシカゝ)又 ハ上  州  桐生(キリ フ)

とうごく   あしかが またはじょうしゅう   きりゅう


辺  尓て高 機(ハタ)を以 て繻子(シユス)

あたりにてたか  はた をもって   しゅす


純子(ドンス)ホ の帯(ヲビ)地を織(オリ)出須

   どんす などの  おび ぢを  おり だす


図の如 く一 人高 きところ尓

ずのごとくひとりたかきところに


ありて綾(アヤ)をとり種々(イロ\/)の模(モ)

ありて  あや をとり   いろいろ の  も


様(ヤウ)を織(オリ)い多゛須その業(ワザ)精(セイ)

  よう を  おり いだ すその  わざ   せい


妙(メ ウ)奈りまた當 処 より織 出す

  みょう なりまたとうしょよりおりだす


絹(キヌ)ハ地多ひら尓して美麗(ビレイ)也

  きぬ はじたいらにして   びれい なり


之(コレ)足 利 絹 と云(イヒ)て名産(メイサン)と須

  これ あしかがきぬと  いい て   めいさん とす

(大意)

(補足)

「繻子」、『しゅす【繻子】繻子織りにした織物。絹を用いた本繻子のほか,綿繻子・毛繻子などの種類がある。天正年間(1573〜1592)に京都で中国の製法にならって初めて織られた。サテン』

「繻子織り」、『しゅすおり【繻子織り】織物の基本組織の一。たて糸とよこ糸の交わる点を少なくし,布面にたて糸あるいはよこ糸のみが現れるようにした織物。布面に,たてまたはよこのうきが密に並び,光沢があって肌ざわりがよい』

「緞子」、『どんす【緞子】〔「どん」「す」ともに唐音〕繻子(しゆす)織りの一。経(たて)繻子の地にその裏組織の緯(よこ)繻子で文様を表した光沢のある絹織物。室町中期,中国から渡来』

「綾」、『あや【文・綾】① 物の表面に表れたいろいろの形・色合い。模様。特に,斜交する線によって表された模様をいう。「―を描く」⑥ 斜文組織で文様を織り出した絹の紋織物。光沢があり,模様が浮き出て美しい。綾織物』

「足利絹」、『足利織物(あしかがおりもの)栃木県足利市およびその付近で生産される織物の総称。この地方では古くから農家の副業として足利絹、足利木綿が織られていたが、宝永(ほうえい)年間(1704~1711)に西陣から高機(たかばた)が導入され、紗綾(さや)絹が織れるようになり、桐生(きりゅう)と対抗しながら風通(ふうつう)、緞子(どんす)、紋織り朱子(しゅす)など多品種にわたる生産がみられた。1888年(明治21)にジャカード機が輸入され、輸出絹布などが織られたが、代表的製品は桐生の帯地に対し、足利は銘仙(めいせん)であった。銘仙は、絹の先染(さきぞめ)織物の一つで、縞(しま)、格子、絣(かすり)などの文様銘仙、本銘仙があった』。

 日本山海名物図会巻三に「京西陣織屋」の画があります。

 画の角度が異なっているので、参考にしたかもしれませんけど、絵師独自のもののよう。

高機の織面が斜めになっているのは、日本山海名物図会のものを見ると、器械自体が傾いているようです。

 織り糸の細かさを一本一本目でおってしまいます。拡大してみても切れることなくちゃんとつながっていました。お見事。

 高機のてっぺんで仕事中の小僧を母娘が指さして何か話しかけています。こういったちょっとした間をいれるのがうまいですね。奥の部屋では「蚕卵紙(さんらんし)」の商談中。


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