P76 「船橋市西図書館所蔵」「画像の無断ダウンロード禁止」
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(読み)
武蔵 國 浅 草 海苔製 圖
むさしのくにあさくさのりせいず
海苔(ノリ)ハ本 邦 第 一 の名産(メイサン)尓
のり はほんぽうだいいちの めいさん に
志て荏原(エバラ)郡 品 川 大 森 より
して えばら ぐんしながわおおもりより
出須往古(ワウコ)浅 草 川 尓産 せし
だす おうこ あさくさがわにさんせし
を以 て浅 草 の名あり冬節(フユ)海(カイ)
をもってあさくさのなあり ふゆ かい
濱(ヒン)尓枹(ナラ)﨔(クヌギ)等 の枝 を立 奈らべ
ひん に なら くぬぎ とうのえだをたてならべ
潮(ウシホ)の引 を待(マツ)て枝 尓附 多る苔 を
うしお のひきを まっ てえだにつきたるこけを
採(ト)り他物(ゴミ)を撰(エ)り叩(タゝキ)て紙 の如 く
と り ごみ を え り たたき てかみのごとく
漉(スキ)あげ簀成(スナリ)尓干シ拾 枚 を一 帖
すき あげ すなり にほしじゅうまいをいちじょう
と定 て諸 国 に出す近 世 ガラス
とさだめてしょこくにだすきんせいがらす
の瓶(ビン)尓貯(タクハ)へて夏日(ナツ)食 用 尓供 ず
の びん に たくわ えて なつ しょくようにきょうず
(大意)
略
(補足)
「枹」、「なら」は普通「楢」のほうになじみがあります。「木」+「包」のならはあまり目にしません。また、三味線や太鼓の「ばち」とも読むみたい。
「﨔」、けやきと読みますが、ここでは「クヌギ」と読ませてます。
「叩(タゝキ)」、本文では「扌」+「卩」。
赤札が3枚あって、右より「のりを漉」。これは紙漉きと同じ要領。向かい側では両手に庖丁をもってトントコトントコ、海苔を刻んでいます。真ん中「のりをえる」。濱の近くの浅瀬で海苔ひびについた海苔を小舟にのって採っていますが、これらにはいろいろなものが付着しているのでそれらを取り除きます。これが「える」です。両手を伸ばして大あくびのお兄さん、朝が早いからね。左側「のりを干ス」。これも紙漉きとおなじ。
店の看板に「名産御膳乾海苔所」、この画は明治なので、ちょっと前までは徳川家に納めていた名店だったのだという看板の名残。
濱には人力車、また店をのぞきながら歩く弁当持ちの職人さんふうの人はどこか和洋折衷の姿です。沖には外国船も見えて、江戸近辺は文明開化の真っ最中であります。
「近世ガラスの瓶(ビン)尓貯(タクハ)へて夏日(ナツ)食用」とあって、やはり湿気は大敵だったようですね。ガラス瓶がなかった頃は茶箱に入れていたというか、海苔屋さんには茶箱がズラッと並んでました。


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