2026年8月23日日曜日

大日本物産圖會その63

P63 東京都立図書館蔵

P63_1

(読み)

同 國 漆  取 之圖

どうこくうるしとりのず


漆樹(ウルシ)ハ雌雄(メヲ)の二種(シユ)あり

   うるし は   めお のに  しゅ あり   


雌木(メボク)ハ実(ミ)を結(ムス)び蝋(ラウ)を取 べく

   めぼく は  み を  むす び  ろう をとるべく


雄(ヲ)木ハ実奈し則   漆(ウルシ)をとる也

  お ぎはみなしすなわち  うるし をとるなり


時候(ジコウ)ハ半 夏生  より初  り

   じこう ははんげしょうよりはじまり


十  月 尓終 る其 取法(トリカタ)樹(キ)尓

じゅうがつにおわるその   とりかた   き に


段々(ダン ゝ)傷(キズ)を付 口 より流(ナガル)るゝ

   だんだん   きず をつけくちより  ながる るる


夜(シル)を鉄 の箆(ヘラ)尓て掻(カキ)取り腰(コシ)ニ

  しる をてつの  へら にて  かき とり  こし に


付 多る竹 づゝ尓請(ウケ)とめ枝 を切 て

つけたるたけづつに  うけ とめいだをきりて


水 ニ浸(シタ)し傷 を付 て液 を掻 とる也

みずに  した しきずをつけてしるをかきとるなり

(大意)

(補足)

「同」、三河国。

「半夏生」、『はんげしょう ―しやう【半夏生】① 〔半夏 →2の生える頃の意〕雑節の一。太陽の黄経が100度となる時。夏至から11日目。太陽暦では7月2日頃。季夏② ドクダミ科の多年草。水辺に生え,臭気がある。茎は高さ約80センチメートル。葉は長卵形。夏,茎頂に花穂をつけ,白色の小花を密生する。花穂のすぐ下の葉は下半部が白色となり目立つ。片白草。季夏』

「夜(シル)を鉄の箆(ヘラ)尓て」、液から氵をとってしまうと夜になりますので、氵を忘れたようです。最後の行「液を掻とる也」で復活♪

「水ニ浸(シタ)し」、フリガナが「シタ」しとなっていて、これはもちろん「ひた」しが正しい、江戸っ子だね。

 背景にある山が薄靄のなかにあるようで濃淡の雰囲気といい美しい。職人たちはやはり漆かぶれの予防のためか、漆樹液をかき集めている人たちはしっかり上下肌をかくしています。

 数日前の新聞記事に大子漆(だいごうるし)のことが掲載されていました。国内の漆生産量2024年で約1800kg。岩手が約8割をしめ、次に茨城210kg、栃木75kgとのこと。国産漆は全体の1割以下で他は中国や東南アジア産という状況。国産漆は大変に貴重で価格も非常に高価です。漆と同等の化学製品は現代科学をもってしても製品化されていません。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿