P13P14 国文学研究資料館蔵
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(読み)
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忠臣水滸伝(ち うしん春いこでん) 京 傅 作 かうへん五さ川
ちゅうしんすいこでん きょうでんさくこうへんごさつ
当 ねん出来うり出し申 候
とうねんできうりだしもうしそうろう
P14
◯京 伝 店 志んもの御ひろう
きょうでんだなしんものごひろう
△定 九郎 く春べ可゛ミ多
じょうくろうくすべが みた
者゛こ入れ品 ゝ
ば こいれしなじな
「これハてあ多り可゛者ぶ多へ
これはてあたりが はぶたえ
でよう可んいろ奈るゆへ
でようかんいろなるゆえ
尓かくなづけ申 候
にかくなずけもうしそうろう
△ゑん志 う形(可゛多)
えんしゅう が た
△ふ川き形
ふっきがた
△立身(りつしん)形
りっしん がた
右 御多葉粉入
みぎおたばこいれ
志んもの此 外 品 ゝ
しんものこのほかしなじな
しん可゛多あり(きせるの図)
しんが たあり
尓毛め川゛らしき新
にもめず らしきしん
可゛多以ろ\/あり
が たいろいろあり
く王しく盤志る
くわしくはしる
し可゛多し
しが たし
野暮 長 命 舊 跡
やぼのちょうめいきゅうせき
(大意)
忠臣水滸伝 京伝作 後編五冊 当年出来売り出し申し候
◯京伝店新物ご披露
△定九郎くすべ紙煙草入れ品々
これは手触りが羽二重で羊羹色なためにこのように名付け申し候
△遠州形
△富貴形
△立身形
右お煙草入れ新物、この他品々新型あり。
(きせる)にも珍しき新形色々あり。詳しくは記しがたし。
(補足)
自身の新作読本「忠臣水滸伝」と京伝の煙草入れの店の広告を載せています。
「品々」、「品」のくずし字が全ページの「所」とほとんど同じ形です。
「く春べ」、『くす・べる【燻べる】
① 煙が多く出るように燃やす。いぶす。くすぶらせる。「蚊やりを―・べる」』
「御多葉粉入」、「葉」のくずし字が二文字のようにみえますが、これで一文字。「粉」の右側「分」がちゃんと「分」のくずし字になっています。
「く王しく盤」、変体仮名「盤」(は)としましたが。
「野暮長命舊跡」、鴨長明のもじり。この石碑の「旧」は「観の偏(こうのとり)」+「旧」。
京伝のこの店は浮世絵や錦絵にも描かれていて、ネットで見ることができます。
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