P21 国文学研究資料館蔵
(読み)
「まんいちぐハんの可奈ハぬと起ハ
まんいちが んのかなわぬときは
可ハゝやぶれ本年ハミちん尓奈る
かわはやぶれほねはみじんになる
可ら可さ尓ハふる本゛年可ひもある可゛命の
からかさにはふるぼ ねかいもあるが いのちの
古(ふる)本゛年ハ何(奈ん)尓も奈らぬ
ふる ぼ ねは なん にもならぬ
(大意)
万一、願がかなわぬときは、皮はやぶれ骨は微塵(みじん)になる。傘(からかさ)には古骨買いもあるが、命の古骨は何にもならぬ。
(補足)
「可奈ハぬと起ハ」、「ぬと」が不明瞭でかたちがよくわかりません。
「ふる本゛年可ひ」、古傘骨買いのこと。江戸時代はほぼすべての品物の再利用が徹底していました。
鈴木春信の錦絵に「清水の舞台より飛ぶ美人」(明和二(1765)年)がありました。
京伝のこの本が享和二(1802)年ですから、春信のこの錦絵を参考にした可能性は大です。
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