P25 国文学研究資料館蔵
(読み)
[命 越春くふ]
いのちをすくう
「王し可゛此 さでゞ
わしが このさでで
命 を春く川て
いのちをすくって
志んぜやうさで\゛/
しんぜようさでさで
あぶ奈ひこと志゛やと
あぶないことじ ゃと
き由う奈と起ハぢ口
きゅうなときはぢぐち
まで可゛こじ徒希奈り
までが こじつけなり
「志ち能奈可゛れるハ里あげも
しちのなが れるはりあげも
できる可゛命 の奈可゛れる志可多可゛奈い
できるが いのちのなが れるしかたが ない
「ミづゝ
みずっ
者゜奈の
ぱ なの
奈可゛れ
なが れ
畄ハ
るは
春ゝる
すする
可゛よし
が よし
命 の
いのちの
奈可゛れ
なが れ
畄ハ
るは
春く
すく
ふ可゛
ふが
いゝ
いい
(大意)
「わしがこの叉手(さで)で命をすくってしんぜよう。さでさで(さてさての洒落)気をつけてしなければのう」と、あわてているときは、地口までがこじつけたもになる。
「質が流れるのは利上げでなんとかできるが、命の流れるはどうにもできない。
「水っぱなが流れたときはすするのがよい。命の流れるはすくうのがよい。
(補足)
「さで」、変体仮名「多」にみえますが、一画目の横棒が短かいけどあります。絵を見ると現在も釣り道具のひとつであるたも(あみ)のようです。
「志ち能奈可゛れるハ里あげも」、質者の期限がきたとき流れないように、利息だけ支払って、さらに期限延長すること。またそのときに利息の値上げもできる。
さで網も丁寧に描いてますが、釣人ののっている和船もこれでもかというくらいに細かく描いています。でも釣人の編笠は無地で真っ白。描き疲れたか。
0 件のコメント:
コメントを投稿