P26 国文学研究資料館蔵
(読み)
[命 可゛もの多゛ね]
いのちが ものだ ね
いらざることをく尓やんで
いらざることをくにやんで
命 をちゞむべ可らず命 あ川て
いのちをちじむべからずいのちあって
のものだねなり志んで
のものだねなりしんで
者奈ミのさくこと奈し
はなみのさくことなし
金 のつる尓ありつくも
かねのつるにありつくも
金 の奈る木をもと
かねのなるきをもと
めるも奈の多可く
めるもなのたかく
奈る毛志そんの
なるもしそんの
者び古るもミ奈
はびこつもみな
命 可゛奈可゛く奈け
いのちが なが くなけ
れバ多゛いじを
ればだ いじを
奈し可゛多し
なしが たし
(大意)
[命がものだね]
どうでもよいことを苦にして、命をちじめてはならない。命あっての物種である。死んで花実の咲くことはない。金の蔓(つる)にありつくも、金の成る木を求めるも、名を高めるも、子孫が繁栄するも、どれも命が長くなければ大切なことを成しとげることは難しい。
(補足)
命の種を植えて大切に育てれば、絵のように金の成る木には小判がたわわに、「高名」もそこそこ伸び、「子孫」の実は西瓜のようにまん丸に大きく育つ。寺子屋で「命が物種」の説明にこの絵を見せれば、みな納得するはずです。
蔓状に伸びているのは、金蔓(かねづる)、金を工面してくれる人、というくらいだからなのでしょうか?
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