P17P18 国文学研究資料館蔵
P17
(読み)
[命 能せん多く]
いのちのせんたく
命 といふや川可゛と起\゛/
いのちというやつが ときどき
せん多くせぬとよくあ可本゛ん
せんたくせぬとよくあかぼ ん
のうにけ可゛れてあぶらやの
のうにけが れてあぶらやの
ぞうきんのごとくよごれ
ぞうきんのごとくよごれ
つひ尓ハ命 可゛ねぐさるもの
ついにはいのちが ねぐさるもの
奈り志可しいのちのせん多く
なりしかしいのちのせんたく
もあらひ春ぐせバての可ハ
もあらいすぐせばてのかわ
をすりむき奈以しやう可゛
をすりむきないしょうが
本ころびて志んだ以のぢ
ほころびてしんだいのじ
あい可゛王るく奈る
あいが わるくなる
もの奈れバその
ものなればその
本ど\゛/を可ん可゛へ
ほどほど をかんが え
てせん多く春べし
てせんたくすべし
か奈らずあらひ
かならずあらい
春ぐ春べ可ら須
すぐすべからず
(大意)
命というやつは、ときどき洗濯をしないと、欲・垢・煩悩にけがれて、油屋の雑巾のように汚れてしまい、ついには命が根腐ってしまう。しかし命の洗濯も洗いすぎれば、手の皮をすりむき、懐具合もさみしくなり、身代の具合も悪くなってしまうものなので、そのほどほどの加減を考え洗濯しなければならない。洗いすぎは厳にしてはならない。
(補足)
「よくあ可本゛んのう」、一読ではなんのことかわからず。わかってしまえば3つの語彙の連続でした。よくあることです。
吉原の遊女屋の座敷の場面。遊女たちの髷が横に広がり、笄(こうがい)の飾りも派手で、うしろが大髷になっているのは当時の流行であったと、ものの本にありました。
床の間横の棚に、囲碁一式があります。遊女の嗜みのひとつで、かなりの腕の花魁もいたそうです。
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