P13P14 国文学研究資料館蔵
P14
(読み)
やく王んとミせて本う可ふり
やか んとみせてほうかぶり
む可し能ミ奈らバとのやうに
むかしのみならばどのように
志やうもやうハ
しょうもようは
多つ多川
たつたがわ
高 尾も
たかおも
びく尓も
びくにも
いろの道
いろのみち
ふミまよ
ふみまよ
う多る
うたる
こ以の道
こいのみち
いん可゛王
いんが
じや柳
じゃやなぎ
いと柳
いとやなぎ
つ奈可゛る
つなが る
えんや
えんや
ぬへのを
ぬえのを
のへびを
のへびを
つ可ひて
つかいて
これまで
これまで
もいきの
もいきの
ひ多の可゛と
びたのが と
く王可尓こ
くわかにこ
まん才 三
まんさいぞう
尓おごま
におごま
さん志ま
さんしま
さんこんさ
さんこんさ
ん奈可多ん本一 寸
んなかたんぼいっすん
さ起ハまゝの川
さきはままのかわ
つひの命 の春て所 いさかしこへといそ起゛ゆく
ついのいのちのすてどころいざかしこへといそぎ ゆく
(大意)
薬缶とみせて頬かぶり、昔の身ならばどのように、しょう模様は竜田川、高尾も比丘尼も色の道、踏み迷うたる恋の道、因果じゃ柳いと柳、つながる縁や鵺の尾の、蛇を使いてこれまでも、生き延びたのが徳若に、小万才三にお駒さん、しまさんこんさん中田んぼ、一寸先は儘の川の、終の命の捨て所、いざかしこへと急ぎゆく。
(補足)
「む可し能ミ奈らバとのやうに」、「や」が「か」のようにみえますが、次の行「志やうもやうハ」の「や」と同じかたちです。
今回の部分の文章も、前回の続きで五七調・七五調。言葉遊びや歌舞伎・浄瑠璃のもじりなどがあふれます。
「こまん才三尓おごまさん」、浄瑠璃「恋娘昔八丈(こいむすめむかしはちじょう)」の主人公、尾花才三郎と城木屋お駒。
「志まさんこんさん奈可多ん本」、伊勢道中歌(伊勢音頭)の「縞さん紺さん中乗りさんさぁーさおかげでな」のもじり。
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