P17P18 国文学研究資料館蔵
P17
(読み)
「おや者゛可
おやば か
らしい可ぜを
らしいかぜを
ひき奈んしやう
ひきなんしょう
尓へ
にぇ
「ゆやでふんどし
ゆやでふんどし
のせん多く春る
のせんたくする
きどり多゛ぞ
きどれだ ぞ
「これ可゛本んの金 を
これが ほんのかねを
ゆミ川゛のやうに
ゆみず のように
つ可うといふの多
つかうというのだ
奈んときつい可\/
なんときついかきついか
命 のせん多く
いのちのせんたく
とハいふものゝ
とはいうものの
志川ハふられ多
じつはふられた
者ぢを春ゝぎ
はじをすすぎ
多゛春のさ
だ すのさ
(大意)
「おや、馬鹿らしい。かぜをひきなんしょうにぇ。
「湯屋でふんどしを洗濯しているようであろう。
「これがほんとうの『金を湯水のように使う』ということなのだ。なんともたいしたものだ、すばらしい。命の洗濯とはいうものの、実はふられた恥を洗い流しているさ。
(補足)
「ふんどし」、ここの「と」は「Z」+「ヽ」のようなかたち。
「きつい」、ここの『きつい』は『⑥ 大したものだ。素晴らしい。「お娘御の三味線は―・いものでござる」〈咄本・鯛の味噌津〉』
「命の洗濯に〜する」とはいまでも温泉湯治に行くときなど普通に使われていますが、この当時から、いやもっと時代は遡るのかもしれません。
右隅のまだ小柄な女性は着物の裾も短く足がみえています。髷も小さい。禿(かむろ)です。
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