P16 国文学研究資料館蔵
(読み)
「命 を玉 のをと
いのちをたまのおと
いひて命 の本そ
いいていのちのほそ
きこといとのごと
きこといとのごと
くま多露(ろ)命 と
くまた ろ めいと
いひて命 のもろき
いいていのちのもろき
ことつ由のごとし
ことつゆのごとし
くものゐ尓あれ多
くものいにあれた
るこ満ハつ奈ぐと
るこまはつなぐと
もつ奈ぎ可ねるハ
もつなぎかねるは
命 奈り
いのちなり
「いのち奈可゛けれバ
いのちなが ければ
者ぢお本し四十 丹
はじおおししじゅうに
志て志奈んこそめ
してしなんこそめ
や春可るべ个れと个んこう
やすかるべけれとけんこう
本うしの可き能こされしも
ほうしのかきのこされしも
うべ奈る可奈奈可゛いきをして
うべなるかななが いきをして
者ぢお本きハひつきやう命
はじおおきはひっきょういのち
の多め尓くるしめらるゝ可゛ご
のためにくるしめらるるが ご
とし
とし
(大意)
命は魂(たましい)の緒(魂をつなぎとめる緒。細く切れそうではかなさの表現)といって、命の細いこと糸のようである。また露命といって、命のもろいこと露(つゆ)のようである。蜘蛛の糸に暴れ馬をつなごうとしても、つなぐことが出来ないのが命である。
「命長ければ恥多し。四十にして死なんこそ目安かるべけれ」と、兼好法師が書き残されたのも、うなずけることである。長生きをして恥多きは、結局のところ、命のために苦しめられるようなものである。
(補足)
「玉のを」、『たまのお ―を【玉の緒】
① 玉をつらぬいた糸。また,特に宝玉の首飾り。
② 〔「魂の緒」の意〕いのち。生命。「なかなかに恋に死なずは桑子にぞなるべかりける―ばかり」〈伊勢物語•14〉』
「くものゐ尓」、この「ゐ」は「糸」や「家」の「い」のことでしょうか。
「くるしめらるゝ」、「るゝ」が悩みます。
浪人のかぶる編笠をやけに丁寧に描いています。「ろ命」をこのままネオンサインにしてもよいくらい気に入りました。飲み屋やバーの看板にピッタシ。
壁のきず汚れ隠しに「いろは」「ほへと」と練習した半紙を裏返しに貼ってあるところがなかなか芸が細かい。
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