P23P24 国文学研究資料館蔵
P24
(読み)
「きん\゛/を
きんぎん を
人 尓あ川゛け
ひとにあず け
る丹ハき川
るにはきっ
とし多し
としたし
やう丹んを
ょうにんを
多てしやう
たてしょう
もんをとら
もんをとら
ねバあづ
ねばあず
けぬ尓金
けぬにかね
より
より
大 じ
だいじ
奈命 を
ないのちを
いしや尓あづ
いしゃにあず
个る丹ハたゞ
けるにはただ
さじ一 本゜ん可゛
さじいっぽ んが
め阿てなり
めあてなり
さりとハあぶ
さりとはあぶ
奈起あ川゛け
なきあず け
もの奈り
ものなり
「おい
おい
しや
しゃ
のあ川゛
のあず
可つ多る
かったる
命
いのち
名まへの
なまえの
ふ多可゛
ふだが
ついてかべ尓
ついてかべに
可けてある
かけてある
「此 ごろハ
このごろは
びやう尓ん
びょうにん
可゛お本くて
が おおくて
あ川゛可川
あず かっ
多命
たいのち
のおき所 に
のおきどころに
こまりますて
こまりますて
(大意)
「金銀を人に預けるときは、たしかな証人をたてて証文をとらねば預けないのに、金より大事な命を医者に預けるときは、たった一本のさじ加減にたよるのだ。なんとも危ない預けものではないか。
「お医者の預かった命、名前の札が付いて壁に掛けてある。
「この頃は病人が多くて、預かった命の置きどころに困っています」
(補足)
変体仮名「尓」と「丹」のかたちがにていて、その区別が不明瞭です。英語筆記体小文字の「y」のようなかたちは変体仮名「尓」です。
「名まへのふ多可゛ついてかべ尓可けてある」命は、今も病院のあちらこちらにあって見える人には見えているのかもしれません。
さじ加減一本のこわさ、今でもそのまま当てはまる。こわ!!!
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