2022年11月28日月曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その6

P4 国立国会図書館蔵

P4P5

(読み)

りてやべしとて

りてやべしとて


きのうへ尓てひ

きのうえにてひ


とりくらいゐ多る尓

とりくらいいたるに


かにハ志多尓てこへ可

かにはしたにてこえか


けしるさるハい可り

けしるさるはいかり


て志

てし


ぶ可き

びかき


を可に

をかに


尓本うりつけきづを

にほうりつけきずを


おわしてにけさり个る

おわしてにげさりける


(大意)

(「おれが登って)とってやろう」と

木の上でひとり柿を食って、

かには下から(わたしにもと)声をかけるだけでありました。

さるは怒って、渋柿をかにに放り投げて

怪我をさせ逃げ去ってゆきました。


(補足)

 文章はP4下段からP5下段へつづき、P4上段にもどってP5上段となります。

「やべし」、「やるべし」でしょうけど「る」がない言い方もあるのかまちがいなのかは?です。

「こへ可けしる」、大意のように解釈しましたが、「こ」を「と」としても意味は通じるので、さて?

 絵はたまごが下駄をはき威勢よくかたきをとってやろうじゃねぇかと腕まくりしているところ。たまごは簡単に割れてしまうのでちっとも強そうには見えないのですが、他の豆本などでは囲炉裏に隠れて爆弾のように破裂するので強いというより自爆です。


 

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