P4 国立国会図書館蔵
P4P5
(読み)
「王れこそハ
われこそは
むく王んの
むか んの
た由ふ阿つ
たゆうあつ
もり
もり
奈り
なり
(大意)
「われこそは
無官の大夫敦盛なり
(補足)
源平盛衰記、敦盛と坂東武者熊谷次郎直実の出会いの場面。敦盛の様子は「紺の錦の直垂(ひたたれ)に、萌黄おどしの鎧をつけ、白星を打った甲の軍装である。背には滋籐弓と、護田鳥尾の矢を十八差して、白鵇毛(しらつきげ(白みがかった月毛))の馬に乗る」などと本などには記されています。敦盛の背中の紫の丸いものが矢の18差でしょうか。
馬の右の沖に見える赤い船は敦盛が逃げめざす大将船。それを見つけ呼び止めた直実に向き合う敦盛を描いたのがこの頁です。波打ち際での戦いとなるのですが、ちゃんとそれらしく沖に浮かぶ船のところの波とかき分けています。
変体仮名「王」(わ)のかたちはほとんど「已」(已然形の已)とおなじです。
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