2022年11月14日月曜日

お馬津゛くし(堤吉兵衛) その3

P2 国立国会図書館蔵

P2P3

(読み)

「い与\/

 いよいよ


きよく馬 の

きょくうまの


者じまり\/

はじまりはじまり


う多

うた


「尓せむらさ起の

 にせむらさきの


奈可\/尓およハぬ

なかなかにおよばぬ


ふて尓うつしゑも

ふでにうつしえも


いけぬみき王の

いけぬみぎわの


いしかめや

いしかめや


本ん尓うのまね

ほんにうのまね


からすとひ

からすとび


(大意)

「いよいよ

曲馬のはじまりはじまり~

うた

「にせ紫もなかなかに 及ばぬ筆に写し絵も いけぬ汀の石亀や 

ほんに鵜の真似からす飛び


(補足)

うたの部分が読めても意味がさっぱりで調べまくりました。以下のHPに詳しく説明されていました。

ほとんどすべて参照させていただきました。ありがとうございます。

http://www.tetsukuro.net/nagautaed.php?q=131


舌出三番叟(しただしさんばそう)(三番目に登場する老人)のうたのいち部分です。

「おおさえおさえ 喜びありや 喜びありや 

我がこの所より外へは遣らじとぞ思ふ 

にせ紫もなかなかに 及ばぬ筆に写し絵も いけぬ汀の石亀や 

ほんに鵜の真似からす飛び とっぱひとへに有難き 

花のお江戸の御贔屓を 頭(かしら)に重き立烏帽子 」


大意ではそのままでしたので、先程のHPから引用(無断でもうしわけありません)させていただきます。

「江戸紫をまねてはみれど、所詮にせもの、あの人の芸には到底及びもつかない。

本物そっくりの写し絵のはずが、絵師が下手だよ、ありゃいけないよ、どこの池にもいる石亀じゃ、

空など飛べるわけがない。おっしゃる通り、鵜の真似をするカラスのように、ばたつくだけの私のからす飛びでございます。」


 それにしても中身の濃いうたです。ひとつひとつの言葉に重みがあって、またひっかけもありひとつの言葉が次の言葉を引き出してゆきます。

「い与\/きよく馬の」、おなじ「よ」ですが一方は変体仮名「与」。

「およハぬふて尓」、濁点がついてないのでいっそう混乱してしまいます。

「いけぬみき王の」、ここも濁点がなくわかりにくい。変体仮名「王」(わ)が読みとれませんでした。

「うのまねからすとひ」、ことわざ「鵜の真似をするカラス水におぼれる」(身の程知らずに人の真似をする者は必ず失敗する意)というのがあるそうですが、知りませんでした。

 まわし飾りをつけた馬や武者の絵が少々荒いですが、動きはしっかりとらえていています。

ふぅ〜、うたが大変でした。

 

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