2022年11月13日日曜日

お馬津゛くし(堤吉兵衛) その2

P1 国立国会図書館蔵

(読み)

者しややの

ばしゃやの


むまのつめへ

むまのつめへ


かねを者める

かねをはめる


ところ

ところ


「そこのちく

 そこのちく


志やう

しょう


おと奈しく

おとなしく


志ろ

しと


(大意)

馬車屋の馬の蹄(ひずめ)へ

蹄鉄をはめるところ

「おいおまえ

おとなしくしろ


(補足)

 でだしの「者゛しややの」で悩んでしまいます。そのまま読みすすれば「馬車屋」と納得。

 馬の全体が無駄な線がなく的確に描かれています、うまいもんです。馬の頭が小さく見えるのはいやがって首を左側に振っているからでしょうか。尻尾がかるく結んであるようでかわいい。

 職人ふたりも馬と同様柔らかい線で輪郭だけで動きを出しています。左側の職人は右手に木槌、左手に蹄のかたちを整えるための包丁を持って、もうひとりは蹄鉄を用意しています。

 明治まであと少しの江戸後期に諸外国から外国人と一緒にかれらの馬も入ってきました。その馬が蹄に鉄をうってあるので当時の武士たちや馬をあつかっていた人々は驚いたそうです。すぐまねをする武士たちもいたというから今とそうかわりません。日本ではそれまでは馬に馬専用のわらじをはかせていました。その頃日本にやってきた外国人の日本見聞記などを読むと、日本人は馬を大切にしているが扱いがとても下手だとかかれています。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿