2022年11月3日木曜日

かち\/山(堤吉兵衛) その4

P3 国立国会図書館蔵

P2P3

(読み)

うちころし者゛

うちころしば


ばあにすが多

ばあにすがた


をやつし

をやつし


者゛ゝア可すが多

ば ばあがすがた


尓へんし者゛ゝア

にへんしば ばあ


可志可゛い

がしが い


を志

をし


る尓に

るにに


ておく

ておく


ところへちゝい可へり♡

ところへじじいかえり


♡き

 き


多り

たり


ける

ける


かの

かの



るを

るを


ぢゝい

じじい


にくわ

にくわ


せ者

せば


は阿ハ

ばあは


(大意)

打ち殺してしまいました。

ばばあの姿を装い、

すっかりばばあに変身しました。

ばばあの死骸を汁にして煮ているところへ

じじいが帰ってきました。

例の汁をじじいに食わせ

ばばあは


(補足)

ばばあが何度も出てくるので「者゛ばあ」「者゛ゝア」「者は阿」といろいろ変化させています。「者は阿ハ」は少し悩みました。

「ちゝい可へり♡」「♡き多り」の「き」がわかりません。文章のつながりからの読みです。

平仮名「か」「が」「に」が使われています。

 前回ふれた屏風絵は見返しに描かれていそうな絵です。ババアに変身したたぬきと重ね合わせなければ、ほのぼのとして滑稽みもあっておもしろい一幅であります。黄色の点々の散らばりが、まるで蝶々のとんできたあとに残る鱗粉のようにみえます。


 

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