P1前半 国立国会図書館蔵
(読み)
む可し\/
むかしむかし
さるとかにとあり
さるとかにとあり
あるひ可に
あるひかに
可゛む春
が むす
飛゛をひ
び をひ
とつもらい
とつもらい
多りさるハおのれ可゛くらいし可き
たりさるはおのれが くらいしかき
の多ねをもちき多りむ春びをとり▲
のたねをもちきたりむすびをとり
(大意)
昔むかし
さるとかにがいました。
ある日かにが
むすびをひとつもらいました。
さるは自分が食べたかきの種を持ってきて
むすびととり(かえる)
(補足)
「む可し」「む春飛゛」「む春び」、最後の「む」は平仮名よりその変体仮名「武」(む)かもしれません。「び」のようにおなじ音でも平仮名と変体仮名がずいぶんと混在しています。
さるは草履をはいていますが、かには裸足。頭全部が蟹の姿っていうのもあらためてながめると斬新です。
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