2022年11月5日土曜日

かち\/山(堤吉兵衛) その6

 

P5 国立国会図書館蔵

P4P5

(読み)

まいり

まいり


ぢゝい尓

じじいに


なにをないて(何を泣いてござる)

なにをないて


こさるとたつ(と尋ねねけるとき)

ござるとたず


ねけるときち(ジジイはババアが殺されしことを)

ねけるときじ


ゝいわ者ゝあ可こ

じいはばばあがこ


ろされしことを

ろされしことを


くわしくか多り

くわしくかたり


なけき可なしミけり▲

なげきかなしみけり


▲さよふ

 さよう


ならハわ多

ならばわた


くしが可

くしがか


たきを

たきを


(大意)

(うさぎが)やってきて

じじいに「何を泣いてござる」と尋ねると

じじいはババアが殺されたことを詳しく語り、

嘆き悲しみました。

「そのようなことならば、

わたくしがかたきを


(補足)

 何度かこの豆本の絵師・彫師・摺師の腕がやや稚拙であることの嘆き悲しみを繰り返していますが、文章を読むのに初心者のわたしは下部の部分を読むのに苦労いたしました。平仮名の彫りがなんともつたないことでしょうか。彫師は文章の内容を理解していないような彫りかたです。

 たぬきが背中に火を背負ってあわてふためくさまもまだまだという腕。炎ののびかたがすさまじい。文句ばかりですいません。

同時期に販売されている他の出版人のものは見事なものも多く、出版人が契約している絵師・彫師・摺師の差が大きいことがわかります。

 この頁では変体仮名「奈」(な)がつかわれてなくて平仮名「な」になっています。


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