2022年11月27日日曜日

さ留かに合戦(堤吉兵衛) その5

P3 国立国会図書館蔵

P2P3

(読み)

もと尓

もとに


い多りたのしミて

いたりたのしみて


ゐ多るところへ

いたるところへ


さるま

さるま


いり

いり


ま与

まよ


う尓あ可るミ

うにあかるみ


てもなぜと

てもなぜと


らざるといゝ个れバわれハ木への本゛

らざるといいければわれはきへのぼ


れ春゛由へ尓とら春゛といへバさるハわれの本゛りてと

れず ゆえにとらず といえばさるはわれのぼ りてと


(大意)

(木の)したにたたずみ、楽しんで

いたところへ、さるがやってきました。

「こんなに赤くなっているのになぜとらないのか」と

言うので

「わたしは木へ登ることができないのでとれないのです」

と言うと、さるは

「おれが登って(とってやろう)」


(補足)

「まよう尓」は「かよう尓」のまちがいでしょうか。

文章の文字がまるで細い筆で直にかいたようで、彫ったようにはみえません。それにとても鮮明です。

 かに男の腹ばいになっている具合が、着物の縦縞の曲線で上手に表現されています。

 

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