P2 国立国会図書館蔵
P2P3
(読み)P2
むきをつきて
むぎをつきて
やるべしと
やるべしと
もふしける由へ
もうしけるゆえ
者゛ゝアハなハを
ば ばあはなわを
とき由るしける△
ときゆるしける
△たぬき
たぬき
よろこび者゛
よろこびば
ゝ阿尓む
ばあにむ
ぎを
ぎを
つくべし
つくべし
ともう
ともう
し者゛ゝア□
しば ばあ
のゆ多゛ん
のゆだ ん
お?すまし
を すまし
(大意)
麦をついてやろう」と
申していたので
ばばあは縄を
ときはなちました。
たぬきは喜び
ばばあに「麦をつくぞ」と
申し、ばばあを
すっかり油断させ
(補足)
「む」は「むかしむかし」のときと同じでなんとなく癖があるような形です。
「とき由るし」、「ゆるす」はここでは『⑩ 強く締めたり,引いたりしたものをゆるめる。「猫の綱―・しつれば」〈源氏物語•若菜上〉⑪ 手放す。自由にする。「夕狩に千鳥踏み立て追ふごとに―・すことなく」〈万葉集•4011〉』。
「者゛ゝ阿尓むぎを」、何度も出てくるので同じ繰り返しをさけて「阿」としたのかもしれません。ここの「む」は納得。
「つくべしともうし」、「も」の下半分がかけてます。
「ゆ多゛んお?すまし」、「?」が読めません。「お」を「を」として「すます」を「すっかり〜させる」と理解。
ばばあに化けたたぬきがお盆でババア汁のおかわりをすすめている格好が、左上の屏風でたぬきが細い竹竿の先に蝶々のおもちゃでうさぎの人形とのんきに遊んでいる姿と重なります。あとでうさぎに敵討ちされてしまうともしらず、なんとも怖い屏風絵です。そしてうまそうに幸せな表情で食事するじじいがこれまたなんとも・・・
お櫃(ひつ)や汁鍋、箱膳など描き方がやや稚拙です。たぬきとじじいもいまひとつ。じじいの茶碗を持つ手が変ですし、表紙の絵師と違う感じがします。
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