2022年12月30日金曜日

舌切春ゞ免(小森宗次郎) その3

P1後半 国立国会図書館蔵

(読み)

□よく者゛り

 よくば り


者あさん

ばあさん


せんだく

せんたく


せんと

せんと


のりを

のりを


とき

とき


おき

おき


しに

しに


春ゞ

すず


め△


△きたつて

 きたって


のりをなめたり者゛アさん

のりをなめたりば あさん


お本い尓お古りはさミ

おおいにおこりはさみ


尓て春ゞめの[次 へ]

にてすずめの つぎへ


(大意)

欲張り婆さんが洗濯をしようと

のりをといておいてあったものを

すずめが来て、のりをなめました。

婆さんは大変に怒って、ハサミで

すずめの


(補足)

 絵師はベテランでしょう。歌舞伎などでは役者さんが「なにおぉ〜」と怒ったときのきまりきった仕草ですが、婆さんの構えも同じです。右脚を膝立ちし、左手で右手の肘あたりまで腕まくりし、肩をやや怒らせ、和鋏とはおもえぬようなデカイハサミを握りしめています。体全体から怒りがあらわされていて、からだの線を残しながらも着物で覆って描いているところが腕の良さをしめしています。

 建物の窓の竹柵や破れ壁など、絵全体もとても丁寧に描いています。

 

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