2022年12月15日木曜日

猫の狂言づ具し(佐藤新太郎) その9

P10P11 国立国会図書館蔵

(読み)義経千本桜狐忠信

P10

者つ

はつ


尓や

にゃ


おやの

おやの


つゞミ

つづみ


つ可ハ春

つかわす


うへハ

うえは


P11

「このつゞみを

 このつづみを


い多ゞくうへハ

いただくうえは


いくさのとき尓

いくさのときに


志本うを

しほうを


尓やもり

にゃもり


(大意)

初音(はつニャ)

親のつづみをつかわす上は

「このつづみをいただく上は

戦のときに

四方を守り(ニャもり)


(補足)

 鼓を与えようとしているのが静御前。御前につかえるのが狐忠信で狐が化けています。その狐忠信の父母は捕らえられて鼓の皮にされてしまいました。その鼓が初音の鼓です。

 狐忠信の猫のかしこまっている丸まり具合がちょっとユーモラスです。縁側の黒と金の手すりが見事ですけど他のところも丁寧に描きこんでいます。

 

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