2022年12月31日土曜日

舌切春ゞ免(小森宗次郎) その4

P2P3 国立国会図書館蔵

(読み)P2

[次 ゟ]

 つぎより


志たをきりとばし个る

したをきちとばしける


あとへいんきやうさん

あとへいんきょ さん


可へりきてその

かえりきてその


者奈しをきゝ

はなしをきき


春ぐ尓春ゞめ乃

すぐにすずめの


あり可をさ可゛し

ありかをさが し


いでたるむ可ふ可ら

いでたるむこうから


春ゞめ

すずめ


いでき多り

いできたり


おや古゛いん

おやご いん


きやうさん◯

きょ さん


◯よく

 よく


いらつ

いらっ


しヤい

しゃい


ました□

ました


□さあ\/

 さあさあ


こちらへと

こちらへと


うちへいれ

うちへいれ


いろ\/奈

いろいろな


古゛ちそうを◎

ご ちそうを


(大意)

下を切り飛ばしました。

しばらくして隠居さんが帰り、その

はなしをきき、すぐにすずめのすみかを

探しに出かけました。

 向こうから、すずめが迎え出てきて

「おや、ご隠居さんよくいらっしゃいました。

さあさあこちらへと家へ迎い入れ

いろいろなごちそうを


(補足)

「志たをきりとばし个る」、切り飛ばすとはなんともすごい表現。

変体仮名「可」(か)がたくさん使われています。「う」と「ら」はそっくりなので注意です。

 やや色ズレがありますが、ふすまの柄などまぁまぁ丁寧に仕上がっているようです。

 

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