2023年1月1日日曜日

舌切春ゞ免(小森宗次郎) その5

 


P2P3 国立国会図書館蔵

(読み)P3

◎だしおみやげ尓

 だしおみやげに


つゞらを

つづらを


あげま春可ら

あげますから


可るゐの可゛よふ

かるいのが よう


古゛ざいま

ご ざいま


しやうと

しょうと


いんきやう

いんきょ


さん●

さん


そのつゞ

そのつづ


らを

らを


せおつて⦿

せおって


⦿可へり

 かへり


ふ多をあけ天

ふたをあけて


みると▲

みると


▲いろ\/な

 いろいろな


た可ら可゛いでたる

たからが いでたる


を者゛アさん[次 へ]

をば あさん つぎへ


(大意)

(ごちそうを)だし、おみやげに

ツヅラをあげますから、軽いのが

ようございましょうと

隠居さんはそのツヅラを背負って

帰りました。蓋を開けてみると

いろいろな宝物が出たのを

婆さん


(補足)

 引き続き、鮮明な文字で読みやすい。平仮名「み」がこれほどたくさん使われているのは、めずらしいかもしれません。ほとんどはカタカナ「ミ」ですが、なんか意識して使ってないような気がしてきました。

「おみやげ」、ここの「や」が現在のかたちと同じですが、このあとのものは「ゆ」ににたようなかたちです。

「ふ多をあけ天」、変体仮名「多」も多用されるのが普通ですが、ここ以外は平仮名「た」です。変体仮名「天」(て)も出てきてます。

この頁では、平仮名「か」は使わないときめたようで、全部変体仮名「可」(か)です。

 絵全体も無難に仕上がっています。


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