表紙 国立国会図書館蔵
見返し
(読み)
文 福 茶 釜
ぶんぶくちゃ可゛ま
東京圖書館印 TOKIO LIBRARY
明治二一・七・三0・内交・
(大意)
略
(補足)
左上部背景の赤い蛸の足のような小さな白丸がブツブツとついた模様は、この小森宗次郎の豆本の表紙では共通の柄になっています。なにか名前のある柄なのでしょうか?
若者の顔がこの表紙の命です。拡大してみると髪は黒く塗りつぶされているように見えますが、ちゃんと一本一本流れるように描かれているのがわかりますし、生え際部分も彫師・摺師はきちんと仕事をしていて、細い線で描ききっています。眉毛・目・鼻・口と必要最小限の線だけで顔を描いているのは絵師の力量でしょうけど、こんなのは朝飯前だったのだとおもいます。それにしても見事ですね。
この若者もたぬきも指先の爪が描かれています。こんなことはごくごく当たり前のことなのでしょう。若者の着物の紫がきれいです。たすき掛けをして舞台で芸をみせる技に使う竹棒を持ち、緊張の一瞬の表情、胸まわりの着物柄が細かくもきれいです。
たぬきは地味な紺絣のような縦横縞ですが、ちらりとやや明るい裏地の柄を見せているところがなかなか小粋であります。
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