P2P3 国立国会図書館蔵
(読み)P2
[次 ゟ]
つぎより
くづやハ
くずやは
もち可へりて
もちかえりて
や春ミける
やすみける
志可る尓その与◯
しかるにそのよ
◯
奈尓可
なにか
もの
もの
おとの
おとの
せし
せし
由へ[二へ]
ゆえ にへ
(大意)
くず屋は持ち帰って
床に入りました。
しかし、その夜
何か物音がするので
(補足)
「もち可へりて」、変体仮名「可」(か)は「ら」や「う」など変化自在なかたちになって、悩ませる仮名です。
「その与」、変体仮名「与」(よ)は「与」をくずし字にするとそのまま「よ」のかたちになってわかりやすいのですが、「奈尓可」のように変体仮名「尓」(に)に似ることもあって、これまた悩みの元であります。
[二へ]、このつなぎは今までの豆本にありませんでした。「二丁」目の頁へ。籠の左側に「二」と漢数字があります。これが当時の頁に相当するものです。一枚の紙に二つの絵を摺り、それを山折りしてひとつの「丁」としました。つまり二丁に表裏があることになります。
住職がくず屋へ話しかけている姿といい、縁側やその周辺を絵師・彫師は手早くササッと仕上げた感じで、摺師も流れ作業でこれまた簡便な仕事をした感じです。
0 件のコメント:
コメントを投稿