2023年1月20日金曜日

西洋昔噺第一号八ツ山羊(長谷川武次郎) その2

見返し 国立国会図書館蔵

(読み)

西洋昔噺

せいようむかしばなし


第一號

だいいちごう


八ツ山羊

やつやぎ


定價金拾銭

ていかきんじゅっせん


明治二十年七月十五日


版権免許同九月出版

はんけんめんきょどうくがつしゅっぱん


廣島縣士族

ひろしまけんしぞく


譯者 呉文聡

やくしゃ くれあやとし/ふみあき


麹町區元園丁二丁目八番地

こうじまちくもとぞのちょう


東京府平民

とうきょうふへいみん


出版人 長谷川武次郎

しゅっぱんにん はせがわたけじろう


京橋区南佐柄木町二番地

きょうばしくみなみさえきちょう


東京

とうきょう


南佐柄木町

みなみさえきちょう


弘文社版

こううぶんしゃ


明治二〇・一〇・一〇・内交・


(大意)

(補足)

 この絵本の正確な大きさは182mm×124mmでした。第一号とあり続けて出版されるかとおもいきやこの本だけで終わってしまいました。グリム童話「狼と七匹の子山羊」の翻訳ですが、「八ツ」になっているのは、日本では「八岐の大蛇」など「八」のほうが受け入れられやすいと考えたからでしょう。

 訳者「呉文聡」は明治期の統計学の学者です。出版人「長谷川武次郎」は言わずとしれた「ちりめん本」などの出版で有名です。「JAPANESE FAIRY TALE SERIES」のちりめん本はうっとりするほどきれいです。また、Calendarシリーズも素晴らしい。

 立方体の三面に弘文社の読みをローマ字で意匠しています。「文」と「社」はローマ字でちょうど3文字におさまりますが、「弘」は現在ならば「KOU」とすればよかったのでしょうけど、当時は困ったようで「N」が上面にあります。

 

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