2023年1月18日水曜日

文福茶釜(小森宗次郎) その10

P10 国立国会図書館蔵

(読み)

文 福 大 明  神

ぶんぶくだいみょうじん


ちや可゛まハ

ちゃが まは


のちより

のちより


ぶんぶく

ぶんぶく


ミようじんと

みょうじんと


かミ尓まつり

かみにまつり


奉   りとぞ

たてまつりとぞ


明治廿一年七月十日印刷同年七月廿二日出版

めいじにじゅういちねんしちがつとおかいんさつ

どうねんしちがつにじゅうににちしゅっぱん


日本橋區馬喰町三丁目十番地

にほんばしくばくろちょう

さんちょうめじゅうばんち


印刷兼発行者 小森宗次郎

いんさつけんはっこうしゃ

こもりそうじろう


(大意)

茶釜はその後

文福明神として

神に祀り奉り

あげられたとのことでした。


(補足)

この頁では平仮名「み」はなく、従来どおりの「ミ」です。

「奉り」、一文字目がパッとみためは平仮名「あ」に見えます。しかし拡大してみると「あ」ではありませんでした。文の流れからは「まつりたてまつり」でしょうから、「奉」のくずし字をしらべてみると、まさしくそれが正解でした。

 地味な頁で、赤色ののせかたが乱暴です。しかし、その他の部分はすべて丁寧です。掛け軸のかかっている砂地の漆喰壁、その下の以前から使われているややテリのある壁柄(茶釜と同じです)、床の間の欅柄の床板と床框など、これでおしまい、めでたしめでたしという感じです。

 奥付は節約のためか同じ頁の脇に入れてます。よくあるまとめかたです。

 

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