P2中半 国立国会図書館蔵
(読み)
ち可き山 尓春み个流狼獲物(於ほ可みゑもの)をあさ流をり可ら、牝
ちかきやまにすみける おおかみえもの をあさるをりから、め
山羊のまち尓行(由)くを見(ミ)るよ里、とび可ゝ里天食(くら)ハん
やぎのまちに ゆ くを み るより、とびかかりて くら はん
とおもひしが、こゝ尓て古の母羊(おや)を食者んよ里、そのる
とおもいしが、ここにてこの おや をくはんより、そのる
春にゆきて、こどもらを久らふ可゛、うまからんと於
すにゆきて、こどもらをくらうが 、うまからんとお
(大意)
近くの山に住む狼が獲物を探しているとき、
牝山羊が街に行くところをみて、とびかかって食ってしまおう
とおもったのですが、ここでこの親を食ってしまうより、その留守
の家に行って子どもたちを食うほうが、うまいだろうとおもい
(補足)
小学校の読本のような字の並びですが、音読するとつっかえつっかえになってしまいます。
「ち可き山尓春み个流」、変体仮名を知らないと、まずは読めないでしょう。
「久らふ可゛」、変体仮名「久」は、2行前の「とび可ゝ里天」の変体仮名「天」とほとんど同じです。
0 件のコメント:
コメントを投稿