2023年1月13日金曜日

文福茶釜(小森宗次郎) その5

P2P3 国立国会図書館蔵

(読み)P3

[一 ゟ]

 いちより


めさめて

めざめて


みれバてら

みればてら


尓て可いし

にてかいし


可能ちや可゛満尓

かのちゃが まに


てあし可゛者へ

てあしが はえ


おどりし尓

おどりしに


くづやハきもを

くずやはきもを


つぶしさつそく

つぶしさっそく


きんじようのや

きんじょ のや


しへうり者らい

しへうりはらい


志尓やしハその

しにやしはその


ちや可゛まをみ

ちゃが まをみ


せもの尓い多し

せものにいたし


いろ\/のげゐ[次 へ]

いろいろのげい つぎへ


(大意)

目を覚ましてみると

寺で買った例の茶釜に

手足がはえ、踊っていました。

クズ屋は肝をつぶし

早速、近所の香具師(やし)へ売払い、

香具師はその茶釜を見世物にして

いろいろの芸(をさせて)


(補足)

赤の背景は文字が見づらい。

「可能ちや可゛満尓」、変体仮名「可」(か)は平仮名「う」と区別が付きませんが、濁点がつくのは「可゛」だけなのでまちがえません。変体仮名「能」(の)はちょこちょこ顔をだします。

平仮名「ま」も使われていますが変体仮名「満」もよくでてきます。

この頁だけに限れば、「ミ」が使われてなく平仮名「み」となってます。

 屑屋が茶釜を秤にかける仕草とその身なりを描くので精一杯だったのか、左端の籠は手抜きとなってしまいました。

 

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