2023年1月30日月曜日

西洋昔噺第一号八ツ山羊(長谷川武次郎) その12

P6中半 国立国会図書館蔵

(読み)

由ゑ、大變(たいへん)なことがおこわしと、ひと里古゛ち徒ゝ、火を

ゆえ、   たいへん なことがおこわしと、ひとりご ちつつ、ひを


たき徒くれバ、ストーブのうしろ尓て、おつ可さんけむ

たきつくれば、すとーぶのうしろにて、おっかさんけむ


いよ\/  、といふ聲(こゑ)のし个れバ、母 盤者那者多゛よろこび、

いよけむいよ、という  こえ のしければ、ははははなはだ よろこび、


るすち うのこと越たづぬる耳、志可\゛/とこ多ふれ盤゛

るすちゅうのことをたずぬるに、しかじ かとこたふれば


(大意)

(聞かぬ)から、大変なことが起こってしまったのだとひとりごちつつ

火を焚きつけると、ストーブのうしろで、おっかさん煙いよ

煙いよという声がするので、母親はとても喜び

留守中のことを尋ねると、しかじかと答えました。


(補足)

「おこわしと」、起こったということでしょうけど辞書で調べても適当な単語が見つかりませんでした。

「母盤者那者多゛」、変体仮名の連続で悩むところです。


 

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